闇の中の光
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#661 [ゆーちん]
「謝んないで。ていうか名前なんて何だっていいじゃん。あだ名みたいなもんだよ。」

「…うん。」


薄々気付いてたのかもしんない。


驚いているというより、確信を持った表情だったから。

⏰:09/01/24 18:33 📱:SH901iC 🆔:JFMqBZYE


#662 [ゆーちん]
ゆっくりと萌子の話をした。


哲夫にお伽話をした時に、過去を思い出す痛みへの免疫はついたつもりだった。


だけどまだ弱かった。


途中、何度も泣きそうになった。


けど…泣かなかったよ。


泣いてちゃ、のんちゃんに伝えらんないもん。

⏰:09/01/24 18:34 📱:SH901iC 🆔:JFMqBZYE


#663 [ゆーちん]
冷めきった紅茶で何度も喉を潤わせながら、話した。


途中、哲夫にも助けてもらいながら。


「それで私決めたの。明日…っていうか日付的には今日だね。」

「もしかして…」

「うん。萌子に戻るよ。それで、親と話し合ってみる。」

⏰:09/01/24 18:35 📱:SH901iC 🆔:JFMqBZYE


#664 [ゆーちん]
今までずっと、過去を聞くのを禁じられていた哲夫の仲間であるのんちゃんは、信じられないって顔をしながら萌子の過去を聞いていてくれた。


そのお伽話のクライマックスが、今日でシホを辞めるってもの。


そりゃ、ビックリするよね。

⏰:09/01/24 18:35 📱:SH901iC 🆔:JFMqBZYE


#665 [ゆーちん]
「すぐ帰って来るんだよね?」

「…わかんない。」

「何で?」

「親と和解できるなら、金河家で暮らすと思う。許せないぐらいムカつく親だけど…何だかんだで、ここまで育ててくれたのは、あの人達だし。」

⏰:09/01/24 18:36 📱:SH901iC 🆔:JFMqBZYE


#666 [ゆーちん]
「育ててくれたって…子供に援交させて金稼ぎさす親なんか最低だよ?」

「うん。わかってる。最低な親だよね。」

「だったらどうして…」

「哲夫が、味方だから。」

「…哲夫さんが?」

⏰:09/01/24 18:36 📱:SH901iC 🆔:JFMqBZYE


#667 [ゆーちん]
ずーっとベットの端に座りながら煙草を吸っていた哲夫。


そう、あの人が味方だから。


「私には哲夫がいるから。生きたいって思うようにもなれた。」

「シホちゃん…」

「殴られて蹴られて半殺しにされて…もし和解できなくても、死のうだなんて考えないようにする。誓うよ。」

⏰:09/01/24 18:37 📱:SH901iC 🆔:JFMqBZYE


#668 [ゆーちん]
「その時はまたシホとしてここで暮らせばいい話。」


哲夫の付け加えのおかげで、話にリアリティが出た。


そっと哲夫に視線を向けると、優しい笑顔で私を見てくれた。


「もし萌子ちゃんに戻っちゃってもさ、絶対遊ぼうね?約束だから。」

⏰:09/01/24 18:38 📱:SH901iC 🆔:JFMqBZYE


#669 [ゆーちん]
ありがとう、と言った。


「私も、ずっとシホちゃんの味方だから。親とか友達に何かされたら、ぶっ飛んでくよ。約束する。」


また、ありがとう、と言った。


感謝しても、しきれない。

⏰:09/01/24 18:38 📱:SH901iC 🆔:JFMqBZYE


#670 [ゆーちん]
「私ら出会って2〜3ヵ月だけど、シホちゃんはマジで大切な仲間だから。」

「…仲間ってものも、萌子じゃわかんなかった。シホになって、仲間の良さを学んだんだよ。」

「私もシホちゃんから学んだ事いっぱいあるよ。」

⏰:09/01/24 18:40 📱:SH901iC 🆔:JFMqBZYE


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