闇の中の光
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#681 [ゆーちん]
寂しがってる場合じゃない。


明日からは、この温もりは無いのかもしれないし。


いつまでも甘えてるわけにはいかない。


ベットから起き上がり、洗面所で顔を洗う。


目が覚める。


モヤモヤしていた気持ちも、眠気と共に吹き飛ばしてやった。

⏰:09/01/24 21:29 📱:SH901iC 🆔:JFMqBZYE


#682 [ゆーちん]
パジャマを脱ぎ、何を着ようかと悩んでいた時だった。


「おっはー!」


まさかの来客。


康孝だ。


「あ、おはよう。」

「シホちゃん。何で下着姿なわけ?」


康孝が苦笑いする。

⏰:09/01/24 21:30 📱:SH901iC 🆔:JFMqBZYE


#683 [ゆーちん]
「何着ようかなって。」


すると哲夫が言った。


「着るもの決めてから脱げよ、バカ。」


そう言って、康孝の手に握られていた袋を奪い、そのまま私に手渡した。


「えっ、何これ。」

「ちょうど着るもの悩んでたんだろ?俺からのプレゼント。」


と、康孝が笑った。

⏰:09/01/24 21:30 📱:SH901iC 🆔:JFMqBZYE


#684 [ゆーちん]
袋の中身を見て、息を飲み込んだ。


「これ…」


私が初めてここに来た時、着ていた服だ。


あんなに汚かったのに、新品のように綺麗。


「私の制服…」

「康がクリーニングに出してくれたんだぞ。」

「ヤッちゃんが?」

「たまには俺だって役に立つだろ?」

⏰:09/01/24 21:31 📱:SH901iC 🆔:JFMqBZYE


#685 [ゆーちん]
舌を出してピースサインをした康孝はバカっぽかった。


幼稚園児以下。


だけどそんな康孝が好きだった。


仲間として、男として、人として、好きだった。


だけどそれは哲夫への【好き】とは、また違う。


人間の感情は、数え切れない。

⏰:09/01/24 21:35 📱:SH901iC 🆔:JFMqBZYE


#686 [ゆーちん]
「それともう1つプレゼント。」

「え?」

「玄関にツルピカに輝いてるローファーが待ってるぞ。」


康孝の言葉を聞いた私はすぐさま玄関まで走った。


康孝の言う通り。


汚かったローファーが、ピカピカしている。

⏰:09/01/24 21:35 📱:SH901iC 🆔:JFMqBZYE


#687 [ゆーちん]
驚いていた私を追い掛けて来た康孝が、教えてくれた。


「靴みがき買って来て、みんなで磨いたんだぞ。」


【ありがとう】を何度言えばいいのかわからない。


【嬉しい】を通り越した感情が私を襲う。


「私、何て言ったらいいのか…」

「お礼はいいから早く服着ろ。」

⏰:09/01/24 21:36 📱:SH901iC 🆔:JFMqBZYE


#688 [ゆーちん]
部屋に戻ると哲夫が笑ってた。


「哲夫ぉ、ローファーが…」

「フッ。よかったな。半泣きなってるし。」

「泣いてないよ。もう泣かないって決めたんだから。」

「そ。早く服着ないと風邪ひくぞ。」

「うん。今さっきヤッちゃんにも服着ろって叱られた。」

⏰:09/01/24 21:37 📱:SH901iC 🆔:JFMqBZYE


#689 [ゆーちん]
二人の視線は気にならない。


というか着替える私なんか見ていなかったのかも。


久しぶりに袖を通した制服は、ひんやりしていた。


やけに体にフィットする。


あぁ、私はやっぱり紛れも無い【金河萌子】なんだって実感した。

⏰:09/01/24 21:38 📱:SH901iC 🆔:JFMqBZYE


#690 [ゆーちん]
スカートを短くし、あの日履いてた靴下を引っ張り上げる。


靴下は、クローゼットの下の引き出しの1番奥に潜んでた。


久しぶりに取り出すもんだから、なんだか違和感たっぷりだった。

⏰:09/01/24 21:39 📱:SH901iC 🆔:JFMqBZYE


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