闇の中の光
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#706 [ゆーちん]
そっと哲夫に聞いてみた。
一応、哲夫だけに聞こえるように声を出したつもりが、車内がうるさいため声を上げなくてはいけない。
自然と康孝の耳にも、声が聞こえてしまったらしい。
「えっ、テッちゃん話してなかったんだ。」
:09/01/24 21:54 :SH901iC :JFMqBZYE
#707 [ゆーちん]
康孝が笑った。
別にそんな複雑な理由がある訳じゃなさそうだ。
だったら聞いてもいいよね?
「そういえば話してなかったな。教えて欲しいか?」
私は頷いた。
:09/01/24 21:55 :SH901iC :JFMqBZYE
#708 [ゆーちん]
「あの日の集会は早く抜けて、康とラーメン食いに行ってたんだよ。」
「ラーメン?」
「そ。美味いラーメン屋ができたって噂聞いて。」
「味はイマイチだったけどな。」
「…それで?」
:09/01/24 21:55 :SH901iC :JFMqBZYE
#709 [ゆーちん]
「その帰りに康がションベンしたくなってさぁ。」
「はぁ?ションベンしたいって騒いだのは哲夫だろ?」
「バーカ。お前だっての。」
「いんや、哲夫だ。」
「どっちだっていいよ。それで?」
「倉庫の近くに草むらがあったから、そこでするかって事で結局2人でションベンした。」
:09/01/24 21:56 :SH901iC :JFMqBZYE
#710 [ゆーちん]
下品な話かもしれないが、私にとっては興味の沸く話だった。
続きを要求する。
「世の中物騒だから、康が護身用に持ってろってナイフくれたんだ。そのナイフは普段持ち歩かないんだけど、あの日はたまたま。それで案の定、倉庫前で落としちまった訳だ。家に帰ってから気付いて、康孝も帰っちまったから俺1人で探しに行ってさ。」
:09/01/24 21:56 :SH901iC :JFMqBZYE
#711 [ゆーちん]
普段は持ち歩かない。
たまたま持っていた。
倉庫前で落とした。
都合のいい解釈をしちゃうと、全て神様からのご褒美だったのかもって思ってしまう。
だって、こんなに私にとって都合のいい事が重なると、そう思っちゃうのも無理ないと思わない?
:09/01/24 21:57 :SH901iC :JFMqBZYE
#712 [ゆーちん]
▽▲▽▲▽▲▽
今日はここまで
>>2▽▲▽▲▽▲▽
:09/01/24 21:57 :SH901iC :JFMqBZYE
#713 [ゆーちん]
▲▽▲▽▲▽▲
笑顔
▲▽▲▽▲▽▲
:09/01/25 11:16 :SH901iC :PIdEEYAI
#714 [ゆーちん]
倉庫前に一生到着するな。
…とか、別に思わなかった。
私には味方がいる。
今ならどんな苦しい戦いだろうが自分から噛み付きに行ける勢いだった。
「あっ、ここか。」
康孝はやっと道を思い出してくれたらしく、車の速度を落とした。
:09/01/25 11:16 :SH901iC :PIdEEYAI
#715 [ゆーちん]
見覚えの、あるような…ないような。
そんな倉庫前。
康孝は車のエンジンを切ったけど、私の耳の中は余韻だらけ。
そんなうざったい余韻でさえ、今では心地よかった。
「シホちゃん。」
運転席から、体をひねって後部座席の方を向く康孝。
:09/01/25 11:17 :SH901iC :PIdEEYAI
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