闇の中の光
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#710 [ゆーちん]
下品な話かもしれないが、私にとっては興味の沸く話だった。
続きを要求する。
「世の中物騒だから、康が護身用に持ってろってナイフくれたんだ。そのナイフは普段持ち歩かないんだけど、あの日はたまたま。それで案の定、倉庫前で落としちまった訳だ。家に帰ってから気付いて、康孝も帰っちまったから俺1人で探しに行ってさ。」
:09/01/24 21:56 :SH901iC :JFMqBZYE
#711 [ゆーちん]
普段は持ち歩かない。
たまたま持っていた。
倉庫前で落とした。
都合のいい解釈をしちゃうと、全て神様からのご褒美だったのかもって思ってしまう。
だって、こんなに私にとって都合のいい事が重なると、そう思っちゃうのも無理ないと思わない?
:09/01/24 21:57 :SH901iC :JFMqBZYE
#712 [ゆーちん]
▽▲▽▲▽▲▽
今日はここまで
>>2▽▲▽▲▽▲▽
:09/01/24 21:57 :SH901iC :JFMqBZYE
#713 [ゆーちん]
▲▽▲▽▲▽▲
笑顔
▲▽▲▽▲▽▲
:09/01/25 11:16 :SH901iC :PIdEEYAI
#714 [ゆーちん]
倉庫前に一生到着するな。
…とか、別に思わなかった。
私には味方がいる。
今ならどんな苦しい戦いだろうが自分から噛み付きに行ける勢いだった。
「あっ、ここか。」
康孝はやっと道を思い出してくれたらしく、車の速度を落とした。
:09/01/25 11:16 :SH901iC :PIdEEYAI
#715 [ゆーちん]
見覚えの、あるような…ないような。
そんな倉庫前。
康孝は車のエンジンを切ったけど、私の耳の中は余韻だらけ。
そんなうざったい余韻でさえ、今では心地よかった。
「シホちゃん。」
運転席から、体をひねって後部座席の方を向く康孝。
:09/01/25 11:17 :SH901iC :PIdEEYAI
#716 [ゆーちん]
「俺にとってシホちゃんは妹みたいな奴だったよ。」
最高の笑顔。
やけに幼く見えてしまう、その笑顔が私は大好きだ。
「私も。ヤッちゃんはお兄ちゃんみたいな存在だった。いっつも運転してくれて、本当ありがとう。」
:09/01/25 11:18 :SH901iC :PIdEEYAI
#717 [ゆーちん]
康孝にはどう見えたかわかんないけど、私なりの最高の笑顔だったと思う。
「お安いご用じゃ!」
髪の毛をグシャグシャに掻き回された。
その手の温もりは、哲夫の温もりとはまた違う暖かさ。
:09/01/25 11:19 :SH901iC :PIdEEYAI
#718 [ゆーちん]
しおらしくなるのは嫌。
だから笑って車を降りた。
哲夫も後に続く。
康孝は降りて来なかった。
「シホ。」
哲夫に肩を抱かれ、私達は歩く。
ずっと無言のまま歩いた。
3度、角を曲がった時、哲夫は口を開いた。
:09/01/25 11:19 :SH901iC :PIdEEYAI
#719 [ゆーちん]
「ここで俺は女子高生を拾った。」
哲夫の視線は、冷たそうな地面だけを捕えていた。
「最初は死んでんだと思った。俺のナイフ握ってたから、すげぇびっくりした。」
「うん。」
「あまりにも汚い女で、何か笑えた。」
:09/01/25 11:20 :SH901iC :PIdEEYAI
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