闇の中の光
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#740 [ゆーちん]
嘘臭い教師の笑顔を睨んでやった。
心配なんかしなかったくせに。
ただのサボりだと思ってたに違いない。
わざわざ頭を下げる必要なんてないよ、お母さん。
「金河。授業は進んで勉強について行けないかもしれない。そんな時はいつでも先生に相談しなさい。友達だって助けてくれる。」
:09/01/25 11:56 :SH901iC :PIdEEYAI
#741 [ゆーちん]
虫ずが走る。
萌子の友達なんて、何も助けてくれないよ。
話が終わり、担任が職員室に戻った。
「あの嘘、ちゃんと付き合うから。」
それだけ言って、私はさっさと母から離れようと歩き出した。
「あっ、萌子待って。」
足を止め、振り返ると、心臓が跳ね上がる光景が目に飛び込んで来た。
:09/01/25 11:57 :SH901iC :PIdEEYAI
#742 [ゆーちん]
何年ぶりに見ただろう。
「お弁当、持って行きなさい。」
「…ん。」
これが、母からのお詫びのしるしなのだろうか。
ちょっと、泣きそうになった。
【ありがとう】を言うのが嫌で、お弁当を抱きしめ、私は教室までかけてった。
:09/01/25 11:57 :SH901iC :PIdEEYAI
#743 [ゆーちん]
教室に入ると、視線が痛かった。
「萌子じゃ〜ん!」
「マジご無沙汰。」
「生きてたんだ、ウケる〜。」
何か…吐きそう。
また昔の自分に戻りそうで。
「おはよう。」
それだけ言って席に座った。
:09/01/25 11:58 :SH901iC :PIdEEYAI
#744 [ゆーちん]
上辺だけの奴らは、昔と同じように私に寄って来る。
「何でいきなりサボりだしちゃったのぉ〜?」
「別にサボってた訳じゃないよ。」
「いきなり携帯繋がんなくなったし、みんな大騒ぎだったし。」
「お金払ってなくて止まってた。」
「つか、化粧変えた?マジ、ウケんべ。」
「パンダみたいに真っ黒な目、もう流行んないしね。」
:09/01/25 11:59 :SH901iC :PIdEEYAI
#745 [ゆーちん]
「髪も真っ黒だし?」
「黒っていうか、茶色じゃない?私この色気に入ってんの。」
「ふーん。性格もコロッと変わったくない?」
「そう?ありがとう。」
「いきなり連絡途絶えて、もう死んだかと思ってたよ。ギャハハ!」
:09/01/25 12:00 :SH901iC :PIdEEYAI
#746 [ゆーちん]
死んだよ、一回。
外見も内面も変わって、生まれ変わったんだよ。
もう、こんな上辺だけの友達はいらない。
きつい言い方だったかもしれないけど、私は伝えた。
「みんなといると疲れる。もう関わりたくないんだ。」
:09/01/25 12:00 :SH901iC :PIdEEYAI
#747 [ゆーちん]
「…何だそれ。」
「ひどくない?」
「今までずっと仲良くやって来たじゃん。」
仲良く?
どこがだよ。
「ごめん、本気。一緒にいても楽しくないの。一緒にいるなら一人でいる方がマシ。」
:09/01/25 12:01 :SH901iC :PIdEEYAI
#748 [ゆーちん]
ブツブツと文句を言い、私の傍から離れると陰口を叩く。
イジメられたりするのかな?
別に怖いとは思わなかった。
退屈しのぎに調度いい、とさえ思える。
だけど元友達はいじめても来なかった。
:09/01/25 12:02 :SH901iC :PIdEEYAI
#749 [ゆーちん]
私なんかと友達だった事は最初から無かったかのような、そんな接し方。
それでいいよ。
みんなといた時より、なぜか一人でいる方が心が落ち着く。
もう、私には上辺だけの付き合いをする人はいらない。
スッキリした。
:09/01/25 12:03 :SH901iC :PIdEEYAI
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