闇の中の光
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#748 [ゆーちん]
ブツブツと文句を言い、私の傍から離れると陰口を叩く。
イジメられたりするのかな?
別に怖いとは思わなかった。
退屈しのぎに調度いい、とさえ思える。
だけど元友達はいじめても来なかった。
:09/01/25 12:02 :SH901iC :PIdEEYAI
#749 [ゆーちん]
私なんかと友達だった事は最初から無かったかのような、そんな接し方。
それでいいよ。
みんなといた時より、なぜか一人でいる方が心が落ち着く。
もう、私には上辺だけの付き合いをする人はいらない。
スッキリした。
:09/01/25 12:03 :SH901iC :PIdEEYAI
#750 [ゆーちん]
母からの初めてのお弁当。
あぁ、信じてみてもいいのかも…そう思った。
料理のしない母が、全て手づくりのおかずを隙間なく詰めてくれていた。
冷凍食品なんかじゃなく、包丁やフライパンを使って作るような、そんなおかずだった。
:09/01/25 12:03 :SH901iC :PIdEEYAI
#751 [ゆーちん]
他の子にしてみちゃ、どうって事ないんだろうけど…私にとっては、これがきっかけで母を信じてみようかと思えたんだ。
そんな昼下がり。
冬晴れした空を見上げ、ちょっとだけ理想の家族像ってのを妄想してしまった。
:09/01/25 12:04 :SH901iC :PIdEEYAI
#752 [ゆーちん]
父を信じてもいいのかもと思ったのは、萌子に戻って1ヵ月程経った時だろうか。
私が作った晩ご飯に、初めて『美味い』と感想を述べてくれた。
他愛もない事が私にとっては嬉しくて、3人揃って色違いの箸を使いながら食事をとるのが奇跡に近かったから。
:09/01/25 12:04 :SH901iC :PIdEEYAI
#753 [ゆーちん]
萌子が死ぬ前に上辺で付き合っていた彼氏とやらは、いつのまにか私以外の彼女がいた。
驚きも、悲しみも、憎しみもない。
だって私にも大好きな彼氏がいるからね。
11ヵ月という月日は矢のように過ぎ、私は18歳になっていた。
彼も23歳になっている。
:09/01/25 12:05 :SH901iC :PIdEEYAI
#754 [ゆーちん]
そういえば宗太郎は元気だろうか。
あの襲撃の時に会った以来、顔も見てない。
連絡なんか取れる訳もなく、複雑な気持ちだけが残っていた。
私にちょっとばかし力をくれた宗太郎。
感謝しないといけないな。
:09/01/25 12:06 :SH901iC :PIdEEYAI
#755 [ゆーちん]
12月。
なぜ11ヵ月もの間会わなかったのか。
理由なんかない。
戦った後、電話で『引き分けかも。』と伝えると『また冬に会おうな。』と言われた。
:09/01/25 12:06 :SH901iC :PIdEEYAI
#756 [ゆーちん]
会いに行けば会ってくれる距離にいたのに11ヵ月もの間、会わなくても私は大丈夫だった。
自惚れだって言われてもいい。
私は見放されないっていう自信が、なぜか満々とあった。
12月の再会には意味があった。
:09/01/25 12:08 :SH901iC :PIdEEYAI
#757 [ゆーちん]
萌子に戻ってからの11ヵ月間、毎日なにかしら忙しかった。
援助交際ではないアルバイトをし、父だけの収入では苦しい家庭を支えた。
高校3年生になり、夏には就職先が決まった。
秋が過ぎ、冬が来る。
本当に早かった。
:09/01/25 12:08 :SH901iC :PIdEEYAI
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