闇の中の光
最新 最初 🆕
#753 [ゆーちん]
萌子が死ぬ前に上辺で付き合っていた彼氏とやらは、いつのまにか私以外の彼女がいた。


驚きも、悲しみも、憎しみもない。


だって私にも大好きな彼氏がいるからね。


11ヵ月という月日は矢のように過ぎ、私は18歳になっていた。


彼も23歳になっている。

⏰:09/01/25 12:05 📱:SH901iC 🆔:PIdEEYAI


#754 [ゆーちん]
そういえば宗太郎は元気だろうか。


あの襲撃の時に会った以来、顔も見てない。


連絡なんか取れる訳もなく、複雑な気持ちだけが残っていた。


私にちょっとばかし力をくれた宗太郎。


感謝しないといけないな。

⏰:09/01/25 12:06 📱:SH901iC 🆔:PIdEEYAI


#755 [ゆーちん]
12月。


なぜ11ヵ月もの間会わなかったのか。


理由なんかない。


戦った後、電話で『引き分けかも。』と伝えると『また冬に会おうな。』と言われた。

⏰:09/01/25 12:06 📱:SH901iC 🆔:PIdEEYAI


#756 [ゆーちん]
会いに行けば会ってくれる距離にいたのに11ヵ月もの間、会わなくても私は大丈夫だった。


自惚れだって言われてもいい。


私は見放されないっていう自信が、なぜか満々とあった。


12月の再会には意味があった。

⏰:09/01/25 12:08 📱:SH901iC 🆔:PIdEEYAI


#757 [ゆーちん]
萌子に戻ってからの11ヵ月間、毎日なにかしら忙しかった。


援助交際ではないアルバイトをし、父だけの収入では苦しい家庭を支えた。


高校3年生になり、夏には就職先が決まった。


秋が過ぎ、冬が来る。


本当に早かった。

⏰:09/01/25 12:08 📱:SH901iC 🆔:PIdEEYAI


#758 [ゆーちん]
私の気持ちを親に打ち明けたのは11月の末。


家を出て行きたい。


好きな人と住みたい。


でもたまには家族として、3人で過ごしたい。


答えはOKだった。


私がいなくなった去年の冬、2人は考えてくれたらしい。

⏰:09/01/25 12:09 📱:SH901iC 🆔:PIdEEYAI


#759 [ゆーちん]
萌子にも幸せな人生を歩かせてやりたい、って。


初心に戻って、1からやり直したいって思ったんだって。


信じがたい話だったけど、信じてみようと思った。


もう暴力を振るって来なくなったから。

⏰:09/01/25 12:10 📱:SH901iC 🆔:PIdEEYAI


#760 [ゆーちん]
そんな私の幸せが、家を出て好きな人と暮らす事なら応援すると親は言った。


だけど仕送りを頼まれた。


結局お金かよ、って思ったけど援交してた時の苦痛とか苛立ちは感じなかった。


2人は私の巣立ちを、私は2人への仕送りを承諾し、話はまとまった。

⏰:09/01/25 12:11 📱:SH901iC 🆔:PIdEEYAI


#761 [ゆーちん]
久しぶりにその携帯電話を使う。


ずっと料金は支払われていて、いつでも使える状態にしてくれていた。


「もっしっしー。」

「フフッ。元気そうだね。」

「俺はいつだって元気。」


私の兄のような人の11ヵ月ぶりの声には、何の変わりもなかった。

⏰:09/01/25 12:11 📱:SH901iC 🆔:PIdEEYAI


#762 [ゆーちん]
「あの倉庫に迎えに来てくんないかな?」

「おうよ!」


康孝の威勢のいい返事。


よかった。


私の新たな旅立ちの出だしは好調。


断られたら、そのお伽話は見事に狂っちゃうからね。

⏰:09/01/25 12:12 📱:SH901iC 🆔:PIdEEYAI


★コメント★

←次 | 前→
↩ トピック
msgβ
💬
🔍 ↔ 📝
C-BoX E194.194