闇の中の光
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#759 [ゆーちん]
萌子にも幸せな人生を歩かせてやりたい、って。
初心に戻って、1からやり直したいって思ったんだって。
信じがたい話だったけど、信じてみようと思った。
もう暴力を振るって来なくなったから。
:09/01/25 12:10 :SH901iC :PIdEEYAI
#760 [ゆーちん]
そんな私の幸せが、家を出て好きな人と暮らす事なら応援すると親は言った。
だけど仕送りを頼まれた。
結局お金かよ、って思ったけど援交してた時の苦痛とか苛立ちは感じなかった。
2人は私の巣立ちを、私は2人への仕送りを承諾し、話はまとまった。
:09/01/25 12:11 :SH901iC :PIdEEYAI
#761 [ゆーちん]
久しぶりにその携帯電話を使う。
ずっと料金は支払われていて、いつでも使える状態にしてくれていた。
「もっしっしー。」
「フフッ。元気そうだね。」
「俺はいつだって元気。」
私の兄のような人の11ヵ月ぶりの声には、何の変わりもなかった。
:09/01/25 12:11 :SH901iC :PIdEEYAI
#762 [ゆーちん]
「あの倉庫に迎えに来てくんないかな?」
「おうよ!」
康孝の威勢のいい返事。
よかった。
私の新たな旅立ちの出だしは好調。
断られたら、そのお伽話は見事に狂っちゃうからね。
:09/01/25 12:12 :SH901iC :PIdEEYAI
#763 [ゆーちん]
「ヤッちゃーん!」
「お久〜!」
相変わらずうるさい車。
康孝も相変わらずで、頭をくしゃくしゃと掻き乱してくる意地悪なところは変わらない。
後部座席に乗り込み、車はシホの家に向かう。
:09/01/25 12:13 :SH901iC :PIdEEYAI
#764 [ゆーちん]
シホに戻った途端、笑顔がどんどん溢れて来る。
そんな車内で、康孝と色んな事を話した。
「髪伸びたなー。」
「専属の美容師がいるから、他の美容師には切って貰わないの。」
「プッ。芸能人かよ。」
「前髪だけは自分で切ってたけど。」
「ふーん。相変わらずパッツン前髪で色も大人しい茶色だな。シホちゃん、って感じ。」
:09/01/25 12:15 :SH901iC :PIdEEYAI
#765 [ゆーちん]
メイクだってシホのまま。
私自身、そんな自分を気に入っていたんだ。
「のんちゃん元気?」
「おー、元気元気。彼氏できたみたいだぞ。」
「うっそぉ!色々聞きたいなぁ。」
「んじゃ早速今日の集会来いよ。また迎えに来てやるから。」
:09/01/25 12:15 :SH901iC :PIdEEYAI
#766 [ゆーちん]
ちょうど車は目的地に到着。
「いいの?」
「遠慮はいらないぞ、マイシスター。」
「英語似合わないね。」
「うるせっ!んじゃまた夕方に。」
「うん。ありがと。」
うるさい車から降りると、康孝は走り去った。
:09/01/25 12:16 :SH901iC :PIdEEYAI
#767 [ゆーちん]
11ヵ月ぶりのもう一つの我が家。
インターホンを押す。
ガチャ…
ドアが開く。
持っていた荷物は思わず手からずり落ち、その手は迷わず前に伸びる。
金髪頭をした笑顔の彼に。
:09/01/25 12:23 :SH901iC :PIdEEYAI
#768 [ゆーちん]
「…哲夫っ。」
「おかえり、シホ。」
「ただいま。」
そのあとしばらく、哲夫の腕の中で泣いたのは言うまでもないよね。
:09/01/25 12:23 :SH901iC :PIdEEYAI
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