闇の中の光
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#101 [ゆーちん]
アゴで私をさす哲夫。
「えっ、飼うって…この子?」
哲夫は笑う。
私は何も言わない。
驚いている康孝は私に言った。
「あんた、テッちゃんに飼われんの?」
:08/12/30 17:54 :SH901iC :Z9srDs2E
#102 [ゆーちん]
私は何も言わず、康孝を見た。
「シホってあんたのこと?」
「…。」
「何で?つーか、死んだんじゃないのかよ。」
「死んだよ。」
「え?」
私が口を開くと、康孝はまた驚いていた。
「さっきの汚い女子高生は死んだ。」
「えっ…何言ってんの。」
:08/12/30 17:55 :SH901iC :Z9srDs2E
#103 [ゆーちん]
「私はシホ。哲夫に飼われてんの。ただのペットだよ。」
もう、死のうだなんて考えは1ミリもなかった。
今はただ、哲夫のペットなんだって自分で自分に言い聞かせている。
私はシホなんだ、って。
:08/12/30 17:55 :SH901iC :Z9srDs2E
#104 [ゆーちん]
全然理解のできていない康孝を見て、哲夫は笑った。
「どうよヤッちゃん。面白いペットだろ?」
「いや…つーかさ…」
「詳しい事はまた集会の時にでも教えてやるよ。とりあえず車出してよ。早くしないと日が暮れる。」
哲夫の頼みに、康孝は納得のいかないまま、頷いていた。
:08/12/30 17:56 :SH901iC :Z9srDs2E
#105 [ゆーちん]
「シホ、おいで。」
哲夫に呼ばれ、床から立ち上がった私。
いきなり目の前が暗くなった。
「はい、サングラス。すっぴんは嫌だろ?化粧品買ってやるから、それまでこれで我慢な。」
:08/12/30 17:57 :SH901iC :Z9srDs2E
#106 [ゆーちん]
「別にいらない。」
化粧品なんかいらない。
化粧なんか、みんながしていたからしていただけ。
萌子が死んだ今、もうみんなの真似っこは必要ない。
私はシホなんだ。
「遠慮すんなって。女の子なんだからおめかしは必要でしょ。あとこれ、被ってろ。」
:08/12/30 17:58 :SH901iC :Z9srDs2E
#107 [ゆーちん]
目深くキャップ帽を被せられた私。
どこからどう見ても…怪しいでしょ。
つなぎ服に、サングラス、キャップ帽。
「靴は?」
「あぁ…これ履いて。」
「裸足で?」
「嫌かよ。」
「うん。」
「もぉー!本当わがままな奴だな。」
:08/12/30 17:58 :SH901iC :Z9srDs2E
#108 [ゆーちん]
さすがにこの格好にローファーは合わないでしょ。
ていうか、半殺しされてフラフラだったのに、ちゃっかりローファー履いて出て来た自分が偉いと思った。
…あっ、違う。
自分じゃない。
萌子が、だ。
「ほれ。おっきいかもしんないけど我慢しろ。」
:08/12/30 17:59 :SH901iC :Z9srDs2E
#109 [ゆーちん]
哲夫が靴下を貸してくれたので、私は座って履いた。
予想通り、めちゃめちゃ大きい。
「行くぞ。」
靴も大きい。
歩きにくい。
「何ちんたら歩いてんだよ、もう。」
そう言って哲夫に手を引かれた。
おっきな手だった。
:08/12/30 17:59 :SH901iC :Z9srDs2E
#110 [ゆーちん]
康孝の車に乗り込むと、勢いよく発車した。
…やけに、うるさい、この車。
流れている音楽も、デカい音だし英語だしで何言ってるかわかんないし、何より車自体の音がうるさかった。
「ごめんね、うっさいだろ。」
「うん。」
:08/12/30 18:00 :SH901iC :Z9srDs2E
#111 [ゆーちん]
「いじりすぎなんだよ、康の車は。」
「いじり?」
「改造っつーの?マフラーとかってわかる?」
「首に巻く?」
「あぁ、わかんないか。じゃあいいや。」
首に巻くマフラーじゃないの?
意味不明。
午後3時、そんな意味不明な車は街を駆け抜けて行く。
:08/12/30 18:01 :SH901iC :Z9srDs2E
#112 [ゆーちん]
窓から見る景色は見た事のない景色だった。
「ここ、どこ?」
「あ?」
「見た事ない街。」
窓の外を眺める私に、哲夫は言った。
:08/12/30 18:01 :SH901iC :Z9srDs2E
#113 [ゆーちん]
「シホはこの街で生まれたんだから、この街からずっと出るなよ。」
「…うん。」
私の知らない街。
いや、これが私の街。
萌子がいた街と、私のこの街はあまりにも違っていて…何だか頭が痛くなった。
:08/12/30 18:02 :SH901iC :Z9srDs2E
#114 [ゆーちん]
何軒もの店を回って、大量の下着や洋服、化粧品などを買ってもらった。
帽子、アクセサリー、靴、歯ブラシ、シャンプーにリンス。
最後は携帯電話まで買ってもらった。
信じられない。
この人の金の使い方、ちょっと引く。
:08/12/30 18:03 :SH901iC :Z9srDs2E
#115 [ゆーちん]
全部カードで、カードがだめなら絶対一万円を渡す。
お釣りはなぜか受けとらず、隣にいた康孝が受け取って、小さな袋に入れていた。
「こんなもんか?」
「え?」
「何か欲しいものあるか?」
私は首を横に振った。
これ以上、もう何もいらない。
:08/12/30 18:04 :SH901iC :Z9srDs2E
#116 [ゆーちん]
「まぁまたいるものあれば明日来よう。帰るぞ。」
再び康孝の運転する車に戻り、うるさく唸りながら車は走る。
外はぼんやり暗くなっている。
「テッちゃん、このまま集会直行しない?」
「あぁー、いいわ。歩いて行く。荷物片付けないと。」
:08/12/30 18:05 :SH901iC :Z9srDs2E
#117 [ゆーちん]
「手伝おうか?」
「いや、いい。康は先に行ってて。」
「ほーい。」
私と哲夫とたくさんの荷物が車から降りると、康孝の車は走り去った。
「さぁ〜!気合い入れて、片付けるぞ!」
:08/12/30 18:05 :SH901iC :Z9srDs2E
#118 [ゆーちん]
なぜか意気込む哲夫と一緒に部屋へと戻る。
「とりあえずだな、シホのクローゼットを作らないと。」
ドサッと荷物を床に置き、自分のクローゼットの中を片付け始めた。
「ねぇ。」
「んー?」
作業をしながら、哲夫は私の質問に耳を傾けてくれた。
:08/12/30 18:06 :SH901iC :Z9srDs2E
#119 [ゆーちん]
「何でペットなんか飼いたかったの?」
「えー?」
「面倒なだけだよ、ペットなんて。」
「そうなの?俺ペット飼った事ないからわかんない。」
「いらなくなったら、いつでも殺していいからね。」
:08/12/30 18:07 :SH901iC :Z9srDs2E
#120 [ゆーちん]
すると作業していた手を止めて、哲夫はあの力強い目で私を見た。
「…わかってる。だからもうその話はするな。」
それだけ言うと、また作業を開始した哲夫。
私は何も言わないまま、ベットの上に座った。
しばらくの沈黙。
:08/12/30 18:22 :SH901iC :Z9srDs2E
#121 [ゆーちん]
さきに破ったのは哲夫だった。
「シホ。」
「はい。」
「お前もうサングラスとキャップ取れよ。何かオフの芸能人みたいだぞ。」
哲夫が笑った。
「芸能人?」
「お忍びで買い物ですか?」
「…まぁね。」
「ブハッ!何様だっつーの!」
:08/12/30 18:22 :SH901iC :Z9srDs2E
#122 [ゆーちん]
サングラスとキャップを外し、つなぎも靴下も脱いだ。
「何脱いでんだよ。裸族か?」
「下着つけないと気持ち悪い。」
「あぁ…。」
顔色1つ変えないで、買って来たばかりの下着を取り出してくれた哲夫。
:08/12/30 18:23 :SH901iC :Z9srDs2E
#123 [ゆーちん]
「お前の服はこっから右だからな。下着とか靴下はとりあえず1番下の引き出し。」
「うん。」
「服の片付けぐらいできるよな?」
「うん。」
「じゃあ俺、集会行ってくるから留守番してろよ。早めに帰って来るけど眠かったら先に寝ろ。腹へったら冷蔵庫漁れ。風呂に行きたきゃ勝手に行け。わかったな?」
:08/12/30 18:24 :SH901iC :Z9srDs2E
#124 [ゆーちん]
私が頷くと、哲夫が近付いて来た。
「いい子にしてろよ。」
そう言って、私の頬に哲夫は自分の唇を押し付けた。
「いってきマンモス。」
「いってらっしゃい。」
哲夫は振り返らずに出て行った。
:08/12/30 18:25 :SH901iC :Z9srDs2E
#125 [ゆーちん]
一人ぼっちになった部屋。
急に静かになった部屋。
…なんだか、疲れた。
死ぬつもりが、目を開けると金髪野郎がいて。
殺してと頼んだら、萌子を殺してくれた。
私は数時間前にシホになって、哲夫のペットであって…ダメだ、頭が痛い。
私は片付けもせず、そのまま眠ってしまった。
:08/12/30 18:25 :SH901iC :Z9srDs2E
#126 [ゆーちん]
▲▽▲▽▲▽▲
集会
▲▽▲▽▲▽▲
:09/01/01 10:30 :SH901iC :XAv2cR7M
#127 [ゆーちん]
目が覚めると、人の温もりを感じた。
誰かに包まれている。
初めての感覚だった。
人の温もりに包まれてるなんて…。
少し、体を動かしてみた。
左肩が痛かったから。
:09/01/01 10:31 :SH901iC :XAv2cR7M
#128 [ゆーちん]
すると、私を包んでくれていた哲夫は低く唸った。
「んんーっ。」
「…。」
起こしちゃいけないと思い、また目を閉じてじっとしていた。
どうやらまた眠ってしまい、再び目を開けると、なぜか哲夫が私を見ていた。
:09/01/01 10:31 :SH901iC :XAv2cR7M
#129 [ゆーちん]
「あ、起きた。」
「…。」
「なぁシホ。片付けるって意味わかるか?」
哲夫が笑った。
「…あ。」
服も靴も何もかも、全く片付けないで眠ってしまった事を思い出した。
「やっぱ、しつけ本買うべきかなー?」
「…ごめん。」
「一緒に片付けっか。」
:09/01/01 10:33 :SH901iC :XAv2cR7M
#130 [ゆーちん]
哲夫が起き上がると、温もりが薄れた。
それもそのはず。
下着だけしか身につけていないんだ、私。
「パジャマ買っただろ?何で下着姿なわけ。もう初冬だぞ?」
煙草に火をつけた哲夫。
「シホは煙草吸わないの?」
「吸わない。」
「そ。」
:09/01/01 10:33 :SH901iC :XAv2cR7M
#131 [ゆーちん]
「哲夫。」
「はいよ。」
「いつ帰って来たの?」
「2時ぐらい。」
「今日も集会あるの?」
「あるよ。行きたい?」
「ううん。」
「そ。なら留守番ね。」
「うん。」
:09/01/01 10:35 :SH901iC :XAv2cR7M
#132 [ゆーちん]
時計を見ると12時を迎えようとしていた。
どうりでお腹が空くわけだ。
「シホ。お腹空かない?」
「空いた。」
「昨日の昼から何も食べてないんだわ、俺。」
私は、いつから食べてないんだろう。
一昨日の昼からだから…丸2日かな。
:09/01/01 10:35 :SH901iC :XAv2cR7M
#133 [ゆーちん]
最後の食事はサンドイッチだった。
萌子として、友達と昼ご飯を食べた。
そして、昨日、萌子は死んだ。
私はシホになった。
シホになってから、まだ水一滴たりとも口にしていない。
今、やっと空腹感に襲われた。
あぁ、生きてるんだって思えた。
:09/01/01 10:36 :SH901iC :XAv2cR7M
#134 [ゆーちん]
「飯食い行くか。シホ昨日風呂入った?」
「入ってない。」
「俺も入ってないし、一緒に入るか。」
「…やだ。」
「お前に拒否権はない。」
ニッと笑い、私の頭を優しく叩いた哲夫は立ち上がり、浴室に向かった。
:09/01/01 10:37 :SH901iC :XAv2cR7M
#135 [ゆーちん]
私も立ち上がり、哲夫のあとを追った。
「ねぇ。」
「ん?」
「何でお湯、溜まってんの?」
「え?」
「いつ入れたの、お湯。」
「あぁ、機械が入れてくれんだよ。タイマーにして。俺毎日風呂入るの昼間だからさ、このくらいの時間になったら自動で溜まるように設定してあんの。」
:09/01/01 10:40 :SH901iC :XAv2cR7M
#136 [ゆーちん]
驚いた。
世の中そんな素敵な機能のついたお風呂があるんだ。
信じらんない。
「楽チンだね。」
「便利な世の中だよな。」
哲夫はポケットから携帯灰皿を取り出し、煙草の火を消した。
:09/01/01 10:41 :SH901iC :XAv2cR7M
#137 [ゆーちん]
「はい、脱いで。入るよ。」
下着だけの私は簡単に裸になった。
哲夫もすぐに服を脱ぎ捨て、私と一緒に湯舟につかる。
「うーっ、気持ちいい。俺風呂好きなんだわ。」
「どうして夜入んないの?」
「疲れてそのまま寝ちゃうんだよ。だからいっつも起きたら入る。」
:09/01/01 10:58 :SH901iC :XAv2cR7M
#138 [ゆーちん]
「一日の始まりはお風呂からなんだね。」
「そゆ事〜。」
今日も、哲夫に後ろから抱きしめられながら体を温める。
背中やお腹をずっと撫でてくれるんだ。
理由はわからないけど、なぜか哲夫が触れた場所は、痛みが和らいだ。
:09/01/01 10:59 :SH901iC :XAv2cR7M
#139 [ゆーちん]
お風呂から出て、買って来た服を身にまとった。
「おぉー、似合う似合う。化粧もしろよ。化粧は女の身嗜みって言うからな。」
「…面倒だよ。」
「じゃあスッピンで行くのか?もしくはピザでも頼む?」
「…私が、作る。」
:09/01/01 11:00 :SH901iC :XAv2cR7M
#140 [ゆーちん]
キッチンに行き、冷蔵庫の中を見ると、何とかなりそうだと思った。
「えっ、お前料理できんの?」
「…うん。」
萌子の時は、毎日料理していたから。
作りたくもない料理を、毎日毎日我慢して作ってたから。
「お好み焼きでいい?」
:09/01/01 11:00 :SH901iC :XAv2cR7M
#141 [ゆーちん]
「お好み焼き作れんの?お前なかなかやるな!」
哲夫が笑った。
「作れるよ。」
「じゃあお好み焼き作って〜。俺、シホの荷物の片付け始めててやるわ。」
萌子が嫌々作ってた料理。
だけど私、シホが今から作る料理は嫌じゃない。
初めてワクワクする。
:09/01/01 11:01 :SH901iC :XAv2cR7M
#142 [ゆーちん]
だってさ、笑ってくれたから。
父は私が料理を作っても、1ミリ足りとも笑わなかった。
苦痛だった。
もう…忘れたい。
忘れよう。
だって萌子は死んだんだから。
友達や彼氏、家族はきっと萌子が死んだって悲しまない。
:09/01/01 11:02 :SH901iC :XAv2cR7M
#143 [ゆーちん]
「出来た。」
大きなお好み焼きをお皿に盛って、テーブルに置いた。
湯気が立ち上る。
いい匂い。
「美味そっ!まさかの才能だな。」
「哲夫のお箸ってどこにあるの?」
「そんなもんないよ。いつも割り箸。」
「そうなんだ。」
:09/01/01 15:26 :SH901iC :XAv2cR7M
#144 [ゆーちん]
哲夫がキッチンの棚から割り箸を2つ取り出した。
あそこが割り箸入れか。
覚えておかないと。
「はい、いただきます!」
「…いただきます。」
哲夫は大きく切り取ったお好み焼きを頬張った。
:09/01/01 15:27 :SH901iC :XAv2cR7M
#145 [ゆーちん]
「んー!うめぇ!」
素直に嬉しかった。
自分が作ったものを褒めてもらえるのは嬉しい事なんだ。
「よかった。」
「酢豚とかも作れんの?」
「うん。」
「グラタンも?カツ丼も?エビチリも?」
:09/01/01 15:28 :SH901iC :XAv2cR7M
#146 [ゆーちん]
「…たぶん、作れる。」
「すげぇ。和洋中パーフェクトなんだな。いいペット捕まえたわ〜。」
笑いながら哲夫はお好み焼きをどんどん食べて行く。
私も食べた。
うん、お好み焼きだ。
自分が作ったものはなぜか美味しいと思わない。
不思議。
:09/01/01 15:28 :SH901iC :XAv2cR7M
#147 [ゆーちん]
シホになって初めての食事が済み、片付けに専念した。
買い過ぎたかな、と自分でもわかっているらしく、反省しながら片付ける哲夫。
「テッちゃん。」
「はい。」
「哲夫。」
「はい。」
「テツ。」
「はい。」
「ご主人様。」
「はぁ?何言ってんだ?」
:09/01/01 16:10 :SH901iC :XAv2cR7M
#148 [ゆーちん]
鼻で笑われた。
「どの呼び方がいい?」
「…ご主人様っての、なかなか気分いいな。」
不適な笑み。
「それ以外。」
「じゃあ候補に挙げるな。呼び方なんか何でもいいよ。」
:09/01/01 16:11 :SH901iC :XAv2cR7M
#149 [ゆーちん]
何でもいい、が1番困る。
でも、本人が何でもいいって言ってるんだから好きに呼ぼう。
「哲夫。」
「結局その呼び方かよ。」
「トイレどこ?」
シホになって初めてのトイレ。
「しょんべんずっと我慢してたの?」
:09/01/01 16:12 :SH901iC :XAv2cR7M
#150 [ゆーちん]
「ううん。我慢なんかしてない。今初めてしたくなった。」
「どうなってんだ、お前の体は。」
笑いながら哲夫に案内されたトイレに入ると、目を疑うように輝く便器があった。
初めて済ませたトイレから出て、哲夫に聞いた。
:09/01/01 16:12 :SH901iC :XAv2cR7M
#151 [ゆーちん]
「掃除とか自分でするの?」
「全然しない。」
「何であんなにトイレ綺麗なの。」
「誰かが掃除に来てるから。」
「誰かが?」
「俺って、周りから尊敬されてるんだって。だから、うちのチームの新人は俺の身の回りの世話を熟してこそ、初めてうちのチームに入れるってルールがあるらしくて。」
:09/01/01 16:14 :SH901iC :XAv2cR7M
#152 [ゆーちん]
「何それ…変わってるね。」
「だろ?俺も思う。新人なんて、まだ得体の知れない人間なのに、簡単に家に入れるなんて変な話だよな。でも悪い話じゃないから、そんなルールに甘えちゃってんの。」
:09/01/01 16:15 :SH901iC :XAv2cR7M
#153 [ゆーちん]
得体の知れない人間…かぁ。
「誰が決めたの、そのルール。」
「ヤッちゃん。あいつは管理職っつーか…まぁ簡単に言えば副リーダーだな。俺の幼なじみなの、康。」
「じゃあ昨日も来てたの?」
「来たみたいだね。」
:09/01/01 16:16 :SH901iC :XAv2cR7M
#154 [ゆーちん]
「いつ?」
「買い物行ってる間だろ。」
「今日も来るの?」
「さぁ知らない。」
どうやら、不定期で現れて、綺麗にしてから帰るってパターンみたい。
これからは下着姿でいられないな。
得体の知れない新人が、得体の知れない裸の女と鉢合わせになるかもしれないからね。
:09/01/01 16:17 :SH901iC :XAv2cR7M
#155 [ゆーちん]
何だかんだしていると片付けは無事終了。
散らかっていた部屋は綺麗になった。
「あぁーっ。疲れた。」
煙草に火をつけた哲夫。
「働いた後の煙草は美味いねぇ〜。」
そんなことをシミジミと言うから、なんだか笑ってしまった。
:09/01/01 16:18 :SH901iC :XAv2cR7M
#156 [ゆーちん]
「何笑ってんだよ。」
「何か、おやじ臭い。」
「お前と5つしか違わないだろ。」
ベットに座っている私の隣に、ドンッと座った哲夫。
「そうやって笑ってろ。」
「ん?」
「シホは笑った方が可愛いから。」
:09/01/01 16:19 :SH901iC :XAv2cR7M
#157 [ゆーちん]
哲夫はこうやって女を口説くんだろうか。
灰皿で煙草を消し、頬にキスをした哲夫。
「集会行くわ。」
「いってらっしゃい。」
哲夫が立ち上ると微かに弾んだベット。
振り返る事もなく、今日もまた哲夫は出掛けた。
:09/01/01 16:20 :SH901iC :XAv2cR7M
#158 [ゆーちん]
さて、私は何をしようか。
たくさん眠ったおかげで眠くはない。
体は痛いが、耐えられる。
そうだ、洗濯しよう。
新人の仕事かもしれないけど、そんなの知らない。
私だって何か仕事がないと、暇だもん。
:09/01/01 16:20 :SH901iC :XAv2cR7M
#159 [ゆーちん]
脱衣所には大きな洗濯機。
上からじゃなくて横から洗濯を入れるタイプ。
すごい。
洗濯を回している間、買い与えてもらった携帯電話を触った。
電話帳には哲夫と康孝の2件。
何かあった時、俺が電話に出なかったら康孝にかけろと哲夫に言われ、康孝の電話番号も登録してもらった。
:09/01/01 16:21 :SH901iC :XAv2cR7M
#160 [ゆーちん]
メールは0件。
着信履歴も発信履歴も今のところ0。
萌子じゃ、ありえない。
いつも誰かのメールや電話があった。
上辺だけの付き合いの友達や彼氏からの連絡があった。
だけど今は違う。
私はシホだ。
:09/01/01 16:22 :SH901iC :XAv2cR7M
#161 [ゆーちん]
あれだけ死にたかったのに、シホとして生きようと思ってる自分がいた。
それは死からの逃げなのか。
リセットされた人生を期待しているのだろうか。
私はこのままシホでいいのだろうか。
不安や疑問が襲う。
:09/01/01 16:22 :SH901iC :XAv2cR7M
#162 [ゆーちん]
あぁ、頭が痛い。
洗濯機が鳴っている。
洗い終わったんだ。
干さなきゃ。
でも頭が痛い。
なぜか、私はそのまま眠ってしまった。
あれだけ寝たのに、まだ眠いの?
変な体。
夢は見なかった。
起きた時は、また温もりに包まれていた。
:09/01/01 16:23 :SH901iC :XAv2cR7M
#163 [ゆーちん]
「哲夫。」
「…。」
「テッちゃん。」
「…。」
「テツ。」
「…。」
どれにも答えない。
「ご主人様。」
「…。」
よほど疲れていたのだろう。
私が動いても全く動かない。
:09/01/01 16:24 :SH901iC :XAv2cR7M
#164 [ゆーちん]
ベットから抜け出し、洗濯機を見に行くと、やっぱりそのままだった。
当たり前か。
哲夫が干す訳ない。
フタを開けて、洗濯物に触れた瞬間、目が覚めた。
何で?
確かに洗ったよ。
なのに、何で…乾いてるの。
:09/01/01 16:24 :SH901iC :XAv2cR7M
#165 [ゆーちん]
慌てて洗濯機の操作ボタンの付近を見た。
そこには乾燥機能のついた洗濯機だと現すボタンがたくさん並んでいた。
また、信じられない事を見つけた。
干さなくても、乾かしてくれんの?
しかもシワとかになってないし…。
驚きだ。
:09/01/01 16:25 :SH901iC :XAv2cR7M
#166 [ゆーちん]
どれだけ金河夫妻が時代遅れの生活を送っていたのか痛感した。
綺麗になった洗濯物を畳み、ご飯を作った。
ちょうど酢豚が出来たところで哲夫が目を覚ました。
「いい匂い〜。」
「酢豚作った。昨日なかったのに冷蔵庫に豚肉あったから。」
:09/01/01 16:26 :SH901iC :XAv2cR7M
#167 [ゆーちん]
「昨日、集会の時もらったんだ。掃除以外にも食料調達とかもしてくれんだわ。新人っつーのは。」
「ふーん。」
「何かいるもんあったら新人走らせるから遠慮すんなよ。」
「うん。」
「よし、風呂に入るか。入ってから飯だ。」
「冷めちゃうよ?」
:09/01/01 16:28 :SH901iC :XAv2cR7M
#168 [ゆーちん]
「温め直せばいいよ。シホも入るだろー?」
「…うん。」
今日も一緒にお風呂に入る。
一日の始まりはお風呂から。
そんな哲夫のペースに、私の体も合わせようとしていた。
お風呂から出るとご飯。
温め直した酢豚を美味しそうに食べてくれた。
:09/01/01 16:30 :SH901iC :XAv2cR7M
#169 [ゆーちん]
昨日は片付けをして時間を過ごした。
今日は何をして、集会までの時間を潰すのだろうか。
「テツ。」
「何だ。」
「私にも何か仕事ちょうだい。」
「仕事?」
「家にいる間、暇。料理だけじゃつまんない。」
:09/01/01 16:30 :SH901iC :XAv2cR7M
#170 [ゆーちん]
「大人しくしてろって。」
頭を撫でられた。
違う、そんな答えを望んでるんじゃない。
「体なまる。」
「んじゃ縄跳びでもしてろ。康孝が昔、縄跳びダイエットするとか言ってここに持って来たまま忘れてるんだ。だから探せばどっかに縄あるよ。」
「…やだ。」
「じゃあシホは何がしたいんだよ。」
:09/01/01 16:31 :SH901iC :XAv2cR7M
#171 [ゆーちん]
そう聞かれると何も答えが思い浮かばない。
「私も…」
「ん?」
「集会行きたい。どんなのか見たいな。」
哲夫は、本当に?大丈夫か?と笑いながら私に問う。
私は本当、大丈夫、と答えた。
「だったら着替えて化粧しろ。連れてってやるよ。」
:09/01/01 16:32 :SH901iC :XAv2cR7M
#172 [ゆーちん]
自ら行きたいと望んだ集会。
容易な気持ちだった。
人の集まりってのを見てみたい。
萌子では考えられない世界の話。
些細な好奇心を奮わせて、私は新品のコスメを使い、化粧をしたんだ。
:09/01/01 16:34 :SH901iC :XAv2cR7M
#173 [ゆーちん]
「シホ。」
「んー?」
「派手なメイクだな。もっとナチュラルビューティーを目指そうと思わないのかい?」
「はい?」
「だから、もっとこう…何つうの?上品な化粧しろって意味。」
「わかんない。」
「例えばだなぁ…」
:09/01/01 18:04 :SH901iC :XAv2cR7M
#174 [ゆーちん]
そう言って、なぜか哲夫は私に化粧をし始めた。
「化粧できるの?」
「ううん。見よう見真似。」
「誰の?」
「チームの女の子たち。集会の時、いっつも化粧直ししてんだわ。」
「ふーん。」
見よう見真似と言った哲夫の手つきは、見事なものだった。
:09/01/01 18:05 :SH901iC :XAv2cR7M
#175 [ゆーちん]
完成した私の顔は、初めての顔だった。
スッピンと、萌子での化粧の間って感じ。
ケバすぎたんだ、萌子が。
「ほら、やっぱこんくらいナチュラルのが可愛いよ。」
鏡を見て、自分でも今のメイクの方が可愛いって思う。
:09/01/01 18:06 :SH901iC :XAv2cR7M
#176 [ゆーちん]
萌子のメイクは、ただデカ目になればいいって感じのものだったから。
「ギャルはギャルでも、上品なギャルでないとね。」
そう言って、哲夫は笑いながら私の前に座った。
手にはハサミ。
「何。」
「前髪切ろっか。」
「え?」
「後ろも少し短くするぞ。」
:09/01/01 18:06 :SH901iC :XAv2cR7M
#177 [ゆーちん]
私に拒否権はない。
目の下まで伸びていた前髪を、目の上までパツンと切り落とした哲夫。
「おぉ!パッツンのが可愛いじゃん。人形みたいだそ、シホ。」
長くて傷んだ後ろの髪も、毛先が肩にかかるくらいの長さに切られた。
:09/01/01 18:08 :SH901iC :XAv2cR7M
#178 [ゆーちん]
「うん、完璧。俺って天才?」
「…。」
「よかったなシホ。お前は顔ちいせぇからこの髪形のが似合うぞ。」
「…。」
「何だよ。文句あるか?」
「ない。」
「よし。明日美容院行ってその明るい金髪をもう少し上品にしてもらおうな。」
脱色しすぎた私の髪を見て言った哲夫。
「テツだって、金髪。」
:09/01/01 18:09 :SH901iC :XAv2cR7M
#179 [ゆーちん]
「俺は目立たないと。でもシホは目立っちゃダメ。また野良犬と喧嘩でもされちゃ困るから。」
「美容院に行くなら、何でテツが髪切ったの?」
「シホの初披露なんだぞ?あんなボサボサ頭じゃ飼い主の俺のプライドが許さない。」
哲夫はそう言って笑った。
:09/01/01 18:10 :SH901iC :XAv2cR7M
#180 [ゆーちん]
「プライド…」
私にはそんなもの、ない。
「毛先傷みすぎでしょ。」
切り落とした私の髪を見て、哲夫が呟いた。
「バッサリ切ったから、綺麗な髪になったぞ。」
哲夫に褒められると、なぜか心が痛かった。
:09/01/01 18:11 :SH901iC :XAv2cR7M
#181 [ゆーちん]
名前も見た目も生まれ変わった私。
このメイクが、この髪がシホなんだ。
なんだか少し、自分が好きになった。
「歩いて行くか、バイクで行くか、車で行くか、お迎えに来てもらうか。さぁ、どれにする?」
哲夫に質問に『歩く。』と答えた。
:09/01/01 18:11 :SH901iC :XAv2cR7M
#182 [ゆーちん]
「元気だな。」
「体なまるの嫌だもん。」
「そここだわるんだね。」
笑って頭を撫でた哲夫。
今日は私も一緒に家を出るんだ。
哲夫の背中を見送らずに済む。
肩を抱かれて、暗くなった道を歩く。
どこに向かってるのかは、わからない。
:09/01/01 18:12 :SH901iC :XAv2cR7M
#183 [ゆーちん]
しばらく歩くと雑音が耳に入った。
昨日乗った康孝の車のように騒々しい音。
「…うるさいのが聞こえてきた。」
「アハハ。そのうるさい集まりのボスは俺だからね。」
大きい音が苦手。
怒鳴り声も怖い。
心臓が痛くなる。
:09/01/01 18:24 :SH901iC :XAv2cR7M
#184 [ゆーちん]
萌子の時に受けた傷のトラウマなんだ。
早くこの心の傷も癒し切って、シホに生まれ変わりたいよ…。
角を曲がると、そこには今までの街とは別の世界が広がっていた。
明るい。
賑やか。
うるさい。
ついつい目を背けたくなるような世界だった。
:09/01/01 18:25 :SH901iC :XAv2cR7M
#185 [ゆーちん]
「哲夫さん、お疲れ様です!」
「テツさん、お疲れ様でーす!」
「テッちゃん、お疲れ。」
たくさんの声が哲夫にかかる。
たくさんの呼び名を持つ千早哲夫は、『お疲れ。』と返事した。
「シホちゃん?」
見覚えのある顔が近付いて来た。
康孝だ。
:09/01/01 20:29 :SH901iC :XAv2cR7M
#186 [ゆーちん]
「康、みんなにシホ紹介してやって。」
「おぉ、わかった。」
そう言って康孝は、哲夫の隣に立ち、みんなの方を向いた。
「はぁーい、ちゅうもぉーくっ!」
:09/01/01 20:30 :SH901iC :XAv2cR7M
#187 [ゆーちん]
大きな声。
静かになった集団。
小刻みに震える車やバイクのエンジン音だけが、響いていた。
たった一言で全員を黙らせる康孝。
さすが管理職。
「こちら、シホちゃん。テッちゃんの女だ。」
:09/01/01 20:30 :SH901iC :XAv2cR7M
#188 [ゆーちん]
女?
彼女って意味?
だったら間違ってる。
昨日、私をペットだって哲夫が言ってたでしょ?
何にも覚えてないのかな、康孝は。
「テッちゃん何か一言。」
:09/01/01 20:31 :SH901iC :XAv2cR7M
#189 [ゆーちん]
康孝に話を振られた哲夫は言った。
「たまに集会に来るだろうから仲良くしてやって。過去の事を聞き出すのは禁止。あと新人、シホは俺んちで住んでっから、これからは掃除ルール廃止。もう俺んち勝手に来るなよ。以上。」
:09/01/01 20:33 :SH901iC :XAv2cR7M
#190 [ゆーちん]
哲夫が話し終えると、全員の低い声が唸った。
『はい。』と。
「掃除ルールやめちゃうの?」
小声で哲夫に聞くと、小声で答えをくれた。
「これからはシホの仕事。料理だけじゃつまんないんだろ?だったら家事全般、シホの仕事な。掃除して、体のなまり防止。頼んだぞぉ。」
:09/01/01 20:34 :SH901iC :XAv2cR7M
#191 [ゆーちん]
大きく頷いた。
与えられた私の仕事。
家事なら得意だ。
でも好きじゃない。
萌子の時、嫌ってほど家事ばかりしていたから。
だけど私はシホ。
家事は嫌いじゃない。
家事は楽しい事なんだ。
:09/01/01 20:35 :SH901iC :XAv2cR7M
#192 [ゆーちん]
哲夫のために掃除や料理をする。
与えられた仕事への意気込みは半端のないもの。
頑張ろう。
そう思わずにはいられなかった。
「テッちゃんからの話は以上。じゃあミーティング始めるから報告のある奴はいつも通り挙手な〜。」
:09/01/01 20:35 :SH901iC :XAv2cR7M
#193 [ゆーちん]
康孝の大きな声が、エンジン音と奏であう。
次々に手が挙がった。
地面に座り込んでいるみんなと対して、突っ立ってんのは私と哲夫と康孝だけ。
康孝が手を上げた男を指名して、何の報告かわからないけど指名された男は声を張り上げていた。
:09/01/01 20:36 :SH901iC :XAv2cR7M
#194 [ゆーちん]
「座らないの?」
哲夫に小声で聞くと『お前は座ってていいよ。』と言った。
「哲夫は?」
「哲夫様はリーダーだから座らない。」
「ふーん。康孝は?」
「副リーダーちゃんだから座らない。」
あぁ、そうなんだ。
そう思いながら、笑ってる哲夫の隣に座り込んだ。
:09/01/01 20:38 :SH901iC :XAv2cR7M
#195 [ゆーちん]
その後の【集会】と呼ばれるものは退屈だった。
どこの地区で喧嘩があって警察がどうとか、新入りの紹介とか、そんなもの私には関係なかった。
しばらくすると【集会】はお開き。
みんな、またそれぞれに騒ぎ始めた。
「テツさん、ちょっと来て下さーい。」
哲夫が呼ばれた。
:09/01/01 20:39 :SH901iC :XAv2cR7M
#196 [ゆーちん]
「シホ、ちょっと待ってて。暇なら適当に康孝に遊んでもらってて。」
「大丈夫、待ってる。」
「ん。」
小さく笑い、哲夫は呼ばれた方に歩いて行った。
哲夫の後ろ姿を見つめる。
「シホちゃん。」
:09/01/01 20:39 :SH901iC :XAv2cR7M
#197 [ゆーちん]
哲夫が呼ばれた人に笑いかけているのを見た瞬間、私は隣から名前を呼ばれた。
「…あ、はい。」
まだ慣れない名前。
振り向くと康孝だった。
「賑やかだろ?」
「…うん。」
:09/01/01 20:40 :SH901iC :XAv2cR7M
#198 [ゆーちん]
「ここにいるのはまだ全員じゃねぇよ。まだ他にもいるんだ。その全員をまとめてんのが哲夫。あいつはすげぇよ、マジで。」
見渡すと、本当にたくさんの人がいる。
「ヤッちゃんも管理職なんでしょ?すごいじゃない。」
「俺なんてまだまだ。哲夫がいないと何もできないし。」
:09/01/01 20:41 :SH901iC :XAv2cR7M
#199 [ゆーちん]
哲夫がどれほどすごい人なのか、やっぱりまだよくわかんないな。
こんなたくさんの人をまとめているのは大変だろうけど、なぜ哲夫がリーダーなのかとか…そんなの全然わかんない。
「ヤッちゃん。」
「ん?」
「楽しい?」
「何が?」
:09/01/01 20:48 :SH901iC :XAv2cR7M
#200 [ゆーちん]
「ここにいて。」
「ここ…って集会?」
「こんな風に集まって、喋ったり騒いだり笑ったり…みんな楽しいのかな?」
「そりゃ楽しいっしょ。だから来てんだし。」
「何が楽しいんだろ。」
「んー、仲間に会えるからじゃね?」
「仲間?」
:09/01/01 20:49 :SH901iC :XAv2cR7M
#201 [ゆーちん]
康孝は煙草に火をつけた。
「ここならきっとシホちゃんにも仲間が出来ると思うよ。」
「上辺だけの仲間じゃなくって本当の仲間がいい。」
「おう、できるできる。そもそも上辺だけの奴なんて仲間って言わないからさ。」
:09/01/01 20:50 :SH901iC :XAv2cR7M
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