闇の中の光
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#151 [ゆーちん]
「掃除とか自分でするの?」
「全然しない。」
「何であんなにトイレ綺麗なの。」
「誰かが掃除に来てるから。」
「誰かが?」
「俺って、周りから尊敬されてるんだって。だから、うちのチームの新人は俺の身の回りの世話を熟してこそ、初めてうちのチームに入れるってルールがあるらしくて。」
:09/01/01 16:14 :SH901iC :XAv2cR7M
#152 [ゆーちん]
「何それ…変わってるね。」
「だろ?俺も思う。新人なんて、まだ得体の知れない人間なのに、簡単に家に入れるなんて変な話だよな。でも悪い話じゃないから、そんなルールに甘えちゃってんの。」
:09/01/01 16:15 :SH901iC :XAv2cR7M
#153 [ゆーちん]
得体の知れない人間…かぁ。
「誰が決めたの、そのルール。」
「ヤッちゃん。あいつは管理職っつーか…まぁ簡単に言えば副リーダーだな。俺の幼なじみなの、康。」
「じゃあ昨日も来てたの?」
「来たみたいだね。」
:09/01/01 16:16 :SH901iC :XAv2cR7M
#154 [ゆーちん]
「いつ?」
「買い物行ってる間だろ。」
「今日も来るの?」
「さぁ知らない。」
どうやら、不定期で現れて、綺麗にしてから帰るってパターンみたい。
これからは下着姿でいられないな。
得体の知れない新人が、得体の知れない裸の女と鉢合わせになるかもしれないからね。
:09/01/01 16:17 :SH901iC :XAv2cR7M
#155 [ゆーちん]
何だかんだしていると片付けは無事終了。
散らかっていた部屋は綺麗になった。
「あぁーっ。疲れた。」
煙草に火をつけた哲夫。
「働いた後の煙草は美味いねぇ〜。」
そんなことをシミジミと言うから、なんだか笑ってしまった。
:09/01/01 16:18 :SH901iC :XAv2cR7M
#156 [ゆーちん]
「何笑ってんだよ。」
「何か、おやじ臭い。」
「お前と5つしか違わないだろ。」
ベットに座っている私の隣に、ドンッと座った哲夫。
「そうやって笑ってろ。」
「ん?」
「シホは笑った方が可愛いから。」
:09/01/01 16:19 :SH901iC :XAv2cR7M
#157 [ゆーちん]
哲夫はこうやって女を口説くんだろうか。
灰皿で煙草を消し、頬にキスをした哲夫。
「集会行くわ。」
「いってらっしゃい。」
哲夫が立ち上ると微かに弾んだベット。
振り返る事もなく、今日もまた哲夫は出掛けた。
:09/01/01 16:20 :SH901iC :XAv2cR7M
#158 [ゆーちん]
さて、私は何をしようか。
たくさん眠ったおかげで眠くはない。
体は痛いが、耐えられる。
そうだ、洗濯しよう。
新人の仕事かもしれないけど、そんなの知らない。
私だって何か仕事がないと、暇だもん。
:09/01/01 16:20 :SH901iC :XAv2cR7M
#159 [ゆーちん]
脱衣所には大きな洗濯機。
上からじゃなくて横から洗濯を入れるタイプ。
すごい。
洗濯を回している間、買い与えてもらった携帯電話を触った。
電話帳には哲夫と康孝の2件。
何かあった時、俺が電話に出なかったら康孝にかけろと哲夫に言われ、康孝の電話番号も登録してもらった。
:09/01/01 16:21 :SH901iC :XAv2cR7M
#160 [ゆーちん]
メールは0件。
着信履歴も発信履歴も今のところ0。
萌子じゃ、ありえない。
いつも誰かのメールや電話があった。
上辺だけの付き合いの友達や彼氏からの連絡があった。
だけど今は違う。
私はシホだ。
:09/01/01 16:22 :SH901iC :XAv2cR7M
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