闇の中の光
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#154 [ゆーちん]
「いつ?」

「買い物行ってる間だろ。」

「今日も来るの?」

「さぁ知らない。」


どうやら、不定期で現れて、綺麗にしてから帰るってパターンみたい。


これからは下着姿でいられないな。


得体の知れない新人が、得体の知れない裸の女と鉢合わせになるかもしれないからね。

⏰:09/01/01 16:17 📱:SH901iC 🆔:XAv2cR7M


#155 [ゆーちん]
何だかんだしていると片付けは無事終了。


散らかっていた部屋は綺麗になった。


「あぁーっ。疲れた。」


煙草に火をつけた哲夫。


「働いた後の煙草は美味いねぇ〜。」


そんなことをシミジミと言うから、なんだか笑ってしまった。

⏰:09/01/01 16:18 📱:SH901iC 🆔:XAv2cR7M


#156 [ゆーちん]
「何笑ってんだよ。」

「何か、おやじ臭い。」

「お前と5つしか違わないだろ。」


ベットに座っている私の隣に、ドンッと座った哲夫。


「そうやって笑ってろ。」

「ん?」

「シホは笑った方が可愛いから。」

⏰:09/01/01 16:19 📱:SH901iC 🆔:XAv2cR7M


#157 [ゆーちん]
哲夫はこうやって女を口説くんだろうか。


灰皿で煙草を消し、頬にキスをした哲夫。


「集会行くわ。」

「いってらっしゃい。」


哲夫が立ち上ると微かに弾んだベット。


振り返る事もなく、今日もまた哲夫は出掛けた。

⏰:09/01/01 16:20 📱:SH901iC 🆔:XAv2cR7M


#158 [ゆーちん]
さて、私は何をしようか。


たくさん眠ったおかげで眠くはない。


体は痛いが、耐えられる。


そうだ、洗濯しよう。


新人の仕事かもしれないけど、そんなの知らない。


私だって何か仕事がないと、暇だもん。

⏰:09/01/01 16:20 📱:SH901iC 🆔:XAv2cR7M


#159 [ゆーちん]
脱衣所には大きな洗濯機。


上からじゃなくて横から洗濯を入れるタイプ。


すごい。


洗濯を回している間、買い与えてもらった携帯電話を触った。


電話帳には哲夫と康孝の2件。


何かあった時、俺が電話に出なかったら康孝にかけろと哲夫に言われ、康孝の電話番号も登録してもらった。

⏰:09/01/01 16:21 📱:SH901iC 🆔:XAv2cR7M


#160 [ゆーちん]
メールは0件。


着信履歴も発信履歴も今のところ0。


萌子じゃ、ありえない。


いつも誰かのメールや電話があった。


上辺だけの付き合いの友達や彼氏からの連絡があった。


だけど今は違う。


私はシホだ。

⏰:09/01/01 16:22 📱:SH901iC 🆔:XAv2cR7M


#161 [ゆーちん]
あれだけ死にたかったのに、シホとして生きようと思ってる自分がいた。


それは死からの逃げなのか。


リセットされた人生を期待しているのだろうか。


私はこのままシホでいいのだろうか。


不安や疑問が襲う。

⏰:09/01/01 16:22 📱:SH901iC 🆔:XAv2cR7M


#162 [ゆーちん]
あぁ、頭が痛い。


洗濯機が鳴っている。


洗い終わったんだ。


干さなきゃ。


でも頭が痛い。


なぜか、私はそのまま眠ってしまった。


あれだけ寝たのに、まだ眠いの?


変な体。


夢は見なかった。


起きた時は、また温もりに包まれていた。

⏰:09/01/01 16:23 📱:SH901iC 🆔:XAv2cR7M


#163 [ゆーちん]
「哲夫。」

「…。」

「テッちゃん。」

「…。」

「テツ。」

「…。」


どれにも答えない。


「ご主人様。」

「…。」


よほど疲れていたのだろう。


私が動いても全く動かない。

⏰:09/01/01 16:24 📱:SH901iC 🆔:XAv2cR7M


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