闇の中の光
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#226 [ゆーちん]
到着した途端、哲夫への挨拶が飛び交った。
康孝が声を張り上げる。
報告者が手を挙げる。
私は黙って座っていた。
30分程すれば集会が終わり、また賑やかになった。
すると、隣から哲夫と康孝以外の声が初めて私の名前を呼んだ。
「シホさん。」
:09/01/03 21:41 :SH901iC :diob1dTs
#227 [ゆーちん]
振り向くと女の子がいた。
「はい。」
「あの、よかったらあっちで話しませんか?」
「私と?」
「ダメなら結構ですけど…」
「あ、いや…ダメじゃないですけど…」
戸惑う私に隣にいた哲夫が助け船を出してくれた。
「人見知りするけど、シホよろしくね。」
:09/01/03 21:42 :SH901iC :diob1dTs
#228 [ゆーちん]
哲夫に私を頼まれた女の子は『はい!』と笑った。
「行っていいの?」
私が問うと、哲夫は『もちろん。』と答えた。
「行きましょうシホさん。」
「…はい。」
戸惑いながらも、立ち上がり、その女の子の後をついて行った。
:09/01/03 21:43 :SH901iC :diob1dTs
#229 [ゆーちん]
1時間後、私は私を恥じていた。
いや、正確には…私は萌子に恥じていた、だ。
どうして友達の作り方を知らなかったんだろう。
どうして仲間の素晴らしさを知らなかったんだろう。
今まで、仲間がこんな素敵な事を知らなかったなんて。
萌子に、腹がたった。
:09/01/03 21:43 :SH901iC :diob1dTs
#230 [ゆーちん]
打って変わって、シホを、好きになった。
初めて出来た仲間。
無理に笑わなくていい会話。
ありのまま、楽にいられる居場所。
他愛もない会話だったけど、楽しかった、心から。
:09/01/03 21:44 :SH901iC :diob1dTs
#231 [ゆーちん]
時間を忘れ、たくさんの話をした。
ほとんどはみんなが話のを聞いていただけだったけど、夢中になって話を聞いたし、心から笑ったりもした。
感情があるって素晴らしい事だと思う。
仲間がいるって有り難い事だと思う。
:09/01/03 21:45 :SH901iC :diob1dTs
#232 [ゆーちん]
「シホさんはそういうムカつく店員に会った事ありますかぁ?」
「ありますよ。でも私はムカついても何も言えないんですよね。」
「マジっすか?そこはガツンと言っちゃいましょうよ〜。」
なんて、盛り上がってると私の後ろから哲夫の声がした。
:09/01/03 21:45 :SH901iC :diob1dTs
#233 [ゆーちん]
「楽しそうだね。」
みんなの顔がちょっと強張った。
「哲夫さん。」
「敬語同士で盛り上がるのも珍しいけどな。」
「いや、だってやっぱ哲夫さんの彼女だと気使っちゃいますよ。」
「別に気にしなくていいのに、なぁシホ。」
:09/01/03 21:46 :SH901iC :diob1dTs
#234 [ゆーちん]
哲夫に話を振られた私は大きく頷いた。
「みんなの方が年上だし、私に敬語なんか使わなくていいですから。」
「えっ、だったらシホさんも私らなんかに敬語なんかしないで下さいよ。仲良くやりましょう。」
:09/01/03 21:47 :SH901iC :diob1dTs
#235 [ゆーちん]
哲夫は『よかったな、シホ。怖いお姉さん達と仲良くなれて。』と言うと、みんなが笑った。
「怖くないよ、シホさん。うちらめちゃめちゃ優しいから。」
「シホさんはおかしくない?シホちゃんって呼ばせてもらおうよ。」
「あ、そうだね。いいかな、シホちゃんで。」
「うん。」
:09/01/03 21:48 :SH901iC :diob1dTs
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