闇の中の光
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#335 [ゆーちん]
哲夫の口を離し、酸素を吸った。
うん、もう大丈夫かな。
「シホ、もういいのか?」
「うん、ありがと。」
胸を撫で下ろす2人。
「ヤッちゃんも、ありがとうね。」
「どいたま。」
康孝に頭を撫でられ、生きた心地を感じた。
:09/01/07 15:27 :SH901iC :K673H/..
#336 [ゆーちん]
「それにしても康、よく過呼吸なんてわかったな。」
「あぁ、漫画で見たから。」
…なんだ。
漫画が情報源かよ。
でも、その漫画の情報を覚えてくれていたおかげで私は助かった。
ありがとね、康孝。
:09/01/07 15:27 :SH901iC :K673H/..
#337 [ゆーちん]
「そんじゃ、もう大丈夫だろうから俺帰るわ。」
そう言って康孝が帰ったすぐ、家の中の電気は真っ暗に消された。
「哲夫、ごめん。迷惑かけて…」
いつものように私の隣に潜り込み、ベットに寝転がると、哲夫は私を包み込んだ。
:09/01/07 15:28 :SH901iC :K673H/..
#338 [ゆーちん]
「迷惑じゃねぇよ。でもすっげぇ心配した。」
「ごめんなさい。」
哲夫の腕の中はいい匂いで、温かくて、気持ち良い。
「謝るな。俺が悪い。ごめんな。」
哲夫が謝る理由なんか1つもないのに…何で謝ってんの?
:09/01/07 15:29 :SH901iC :K673H/..
#339 [ゆーちん]
「怖かっただろ。ごめん。」
その優しい言葉に、おもわず涙が出そうになった。
うん、怖かったよ。
だけどそんなの素直に言えなくて…ただ黙って、哲夫の腕の中で目を閉じる事しかできなかった。
:09/01/07 15:29 :SH901iC :K673H/..
#340 [ゆーちん]
過呼吸は、萌子の時に何度も経験した。
そのたび、自分で口に袋をあてて対処した。
あんなの慣れっこだったのに、久しぶりだったもんだから。
それにシホとしての過呼吸は初めてで…正直戸惑ったんだ。
自分で自分の事、わかんなくなってきてるかも。
自分が自分を理解できていない…。
:09/01/07 15:32 :SH901iC :K673H/..
#341 [ゆーちん]
あの喧嘩事件から3日後、私は集会に顔を出した。
それまでの2日間は哲夫だけの参加。
顔を出すだけですぐに帰って来てくれた。
久しぶりの集会は、少し緊張した。
:09/01/07 15:33 :SH901iC :K673H/..
#342 [ゆーちん]
「シホちゃん!」
「もう大丈夫?」
みんなの心配が、嬉しかった。
萌子の友達は、心配するっていう言葉を知らない奴らばっかだったから。
「ありがと。もう大丈夫だから。」
のんちゃん達と話していると、『シホさん。』と名前を呼ばれた。
振り返ると、喧嘩していたあの2人がいた。
:09/01/07 15:33 :SH901iC :K673H/..
#343 [ゆーちん]
私が振り向くなり、頭を下げた。
「すみませんでした。」
「金輪際、喧嘩なんかしません。」
え?って顔で遠くにいた哲夫を見ると、ニッと笑っていた。
私は2人に視線を戻し『いえ、大丈夫です。』とだけ答えた。
言い訳や謝罪の言葉が聞こえたが、全部聞き流した。
:09/01/07 15:34 :SH901iC :K673H/..
#344 [ゆーちん]
「許してくれますか?」
「あっ…はい、もちろん。」
「本当すみませんでした。」
もう一度頭を下げてから私の前から去って行った2人。
「あれ?許しちゃったの?」
のんちゃんが言った。
:09/01/07 15:34 :SH901iC :K673H/..
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