闇の中の光
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#367 [ゆーちん]
「この袋は哲夫の優しさなんだよ。」


康孝が、さっきの質問の答えを詳しく教えてくれた。


「優しさ?」

「この袋に入れてる金は、チームの経費みたいなもん。集会場所、野外なのにいつも電気点いてんだろ?あの電気代は、この袋の中の金で払ってんの。」

「…そうだったんだ。」

⏰:09/01/10 23:02 📱:SH901iC 🆔:mw88GgZk


#368 [ゆーちん]
確かに、よく考えれば電気はいつも点いていた。


電気代とか、そんな事考えた事もなかったな。


「チームのみんなには内緒なんだ。哲夫が電気代払ってるって事。みんなには電気は勝手に点けてる、みたいに振る舞ってんだけど…でもたぶんみんな知ってる。哲夫が電気代払ってる事。」

「何か…カッコイイ。」

⏰:09/01/10 23:03 📱:SH901iC 🆔:mw88GgZk


#369 [ゆーちん]
「おう。あいつはカッコイイ男だよ。俺が払ってんだぜーとか言わないで、さりげなくチームの環境整えてんのがカッコイイ。だからみんな哲夫に付いて来るんだな。」


そっか。


そうなんだ。


納得かも。


哲夫はリーダー性のある男なんだね。

⏰:09/01/10 23:04 📱:SH901iC 🆔:mw88GgZk


#370 [ゆーちん]
買い物も済み、そのまま康孝の車で集会に直行。


のんちゃん達と話した事はもちろんクリスマスパーティーの事だ。


「もちろん。みんな参加だよー。シホちゃんもでしょ?」

「うん。参加する。」

「やったね。超楽しみだ。」

⏰:09/01/10 23:05 📱:SH901iC 🆔:mw88GgZk


#371 [ゆーちん]
「何か緊張する…」

「アハハハ!緊張とか、可愛いね〜。さすが17才。シホちゃん見てるとウチらまで初々しい気持ちになるよ。」


笑顔が絶えないの、この人達といると。


12月の夜空の下、体寄せ合って寒さを笑い飛ばすんだ。


その空間が心地いい。

⏰:09/01/10 23:05 📱:SH901iC 🆔:mw88GgZk


#372 [ゆーちん]
▽▲▽▲▽▲▽

すみません

今日はここまで

>>2

▽▲▽▲▽▲▽

⏰:09/01/10 23:06 📱:SH901iC 🆔:mw88GgZk


#373 [ゆーちん]
そして待ちに待ったクリスマスパーティー前日。


そう、今日はイヴ。


彼女でもない私と、この日を一緒に過ごしてくれるなんて…。


「哲夫、彼女いないの?」

「はぁ?今更な質問だな。」

「聞くタイミングがなくて。」

「そ。」

⏰:09/01/11 11:24 📱:SH901iC 🆔:/n8N/9j.


#374 [ゆーちん]
「いないの?」

「いない。いたらこんな日にこんな事してない。」


こんな事とは…クローゼット掃除。


また新しい服が増えたので、いらなくなった服を引きずり出しているらしい。


「いないんだ。ふーん。」

⏰:09/01/11 11:25 📱:SH901iC 🆔:/n8N/9j.


#375 [ゆーちん]
「リアルな話。もしいたらシホをこの家に住ませないだろ?」

「…それも、そうだね。」

「わかったなら、そんな悲しい質問はもうすんなよ。」

「フッ。悲しいの?」

「悲しいよぉ。俺クリスマスとかに、ちゃんとした彼女いた事ないもん。」

「…ふーん。」

⏰:09/01/11 11:27 📱:SH901iC 🆔:/n8N/9j.


#376 [ゆーちん]
哲夫の過去、聞きたいようで聞きたくないな。


私だけ哲夫の過去を聞いて、私は自分の過去を話さない。


そんなフェアじゃないのは、あんまり好きじゃないし…。


って、何きれいごと言ってんだろう私。

⏰:09/01/11 11:31 📱:SH901iC 🆔:/n8N/9j.


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