闇の中の光
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#437 [ゆーちん]
やばい、足が痛くて上手く歩けない。
でも早く逃げないと、またやられる。
足を引きずりながら必死に歩いた。
すると、後ろから哲夫の声がした。
「シホ!」
「哲夫!」
哲夫の顔中、傷だらけだった。
:09/01/13 15:23 :SH901iC :4gcR8RAo
#438 [ゆーちん]
「シホ、殴られたの?」
「私は大丈夫。それより哲夫は…」
「俺は無傷。お前、誰にやられたか覚えてるか?」
:09/01/13 15:24 :SH901iC :4gcR8RAo
#439 [ゆーちん]
それのどこが無傷なのよ。
「覚えてない。」
「くっそ。マジごめんな。てこずってなかなかシホのとこ行けなくて。」
「それより、のんちゃんがさらわれちゃったの…今、康孝が助けに行ってくれた。哲夫ものんちゃん助けに行って来て。」
:09/01/13 15:24 :SH901iC :4gcR8RAo
#440 [ゆーちん]
「望実が?」
「うん。お腹をバットで殴られて気絶しちゃったの、のんちゃん。」
「バット?あいつら人間腐ってんな!」
哲夫が怒っていた。
「私なら大丈夫だから、のんちゃん助けに‥」
「大丈夫じゃねぇだろ?つか、康孝が助けに行ったんなら絶対大丈夫だ。」
:09/01/13 15:25 :SH901iC :4gcR8RAo
#441 [ゆーちん]
「でも…」
「ったくよぉ、どうなってんだよコレ。いきなりで俺も訳わかんねぇ。」
哲夫に抱っこされ、私たちは少し離れたところに移動し始めた。
と、その時だった。
:09/01/13 15:26 :SH901iC :4gcR8RAo
#442 [ゆーちん]
「萌子?」
久しぶりに聞く名前。
私と哲夫は、思わず声の主の方に振り返った。
そこにいたのは、
「…宗太郎。」
萌子の元カレだった。
:09/01/13 15:26 :SH901iC :4gcR8RAo
#443 [ゆーちん]
やめて。
来ないで。
話し掛けないで。
「萌子、何してんの?」
宗太郎が近付いて来ると、哲夫が言った。
:09/01/13 15:27 :SH901iC :4gcR8RAo
#444 [ゆーちん]
「萌子って誰?つか、お前が誰?近寄んじゃねぇぞガキが。」
哲夫の威嚇に、宗太郎が怒鳴った。
「うるせぇ!お前には関係ねぇんだよ。俺は萌子に用があるんだ。」
いつの間にか、私の目から涙が溢れていた。
:09/01/13 15:27 :SH901iC :4gcR8RAo
#445 [ゆーちん]
「だから萌子って誰?こいつは萌子じゃねぇよ。失せろ。」
哲夫がそう言ったはずなのに、宗太郎は構わず私に話し掛けて来た。
:09/01/13 15:28 :SH901iC :4gcR8RAo
#446 [ゆーちん]
「なぁ、萌子!お前こんなとこで何してんの?地元じゃお前がいなくなったって、みんな騒いでるぞ!」
…みんなって、誰。
…騒ぐって、何。
どうせ…上辺だけなくせに。
:09/01/13 15:28 :SH901iC :4gcR8RAo
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