闇の中の光
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#475 [ゆーちん]
過呼吸は、疲れる。


いつの間にか眠ってしまい、夢も見ずに朝を迎えた。


いつもより少し早くに目が覚めて、哲夫の腕の中から抜け出し、トイレに行った。


寒い。


もう一度ベットに潜ろう。

⏰:09/01/15 18:17 📱:SH901iC 🆔:Jfqqe8Pw


#476 [ゆーちん]
再び、哲夫の眠る布団の中に戻ると自分がいた場所の温もりと、哲夫からの温もりが混ざって、心地いい空間ができていた。


ずっと、この空間にいれたらいいな。


シホのままでいたい。

⏰:09/01/15 18:18 📱:SH901iC 🆔:Jfqqe8Pw


#477 [ゆーちん]
萌子になんか、戻りたくない。


完璧なシホになりたいよ。


萌子の時のトラウマなんかに、もう苦しめられたくない。


だから…話さないと。

⏰:09/01/15 18:19 📱:SH901iC 🆔:Jfqqe8Pw


#478 [ゆーちん]
「…シホ。」

「ごめん、起こした?」

「ううん、俺が勝手に起きた。」


布団が動く音と共に、私は哲夫にきつく抱きしめられた。


「抱き枕。」

「辞めてよ。」

「なぁシホ。」

「何?」

⏰:09/01/15 18:19 📱:SH901iC 🆔:Jfqqe8Pw


#479 [ゆーちん]
「人間の温もりって安心すんのな。シホのおかげで俺、初めて知った。」


何を、言ってるんだろう、この人は。


人間の温もりなんて、哲夫なら有り余る程、もらってきたんじゃないの?


「俺さぁ、こうやって誰かを抱きしめた事もなけりゃ、抱きしめてもらった事もねぇの。」

⏰:09/01/15 18:20 📱:SH901iC 🆔:Jfqqe8Pw


#480 [ゆーちん]
哲夫の過去は、何だか少し同情と…仲間意識のようなものが沸いた。


「俺、長男でさ、親からの期待とかすげぇデカくて。親父の会社を俺に継がすのに必死なんだよ。」


哲夫の低い声が続く。


「そんな親に反抗して、迷惑かけて、親に見放されるっつう…よくあるパターンだ。」

⏰:09/01/15 18:21 📱:SH901iC 🆔:Jfqqe8Pw


#481 [ゆーちん]
「見放されるって…」

「金はいくらでもやるから千早家には帰って来るな、って。昔から冷たい親だったから甘えさせてもらった事もないし、物心ついた時から俺は家族に対してドライだったんだ。」


私が話をしようと思ってたこと、哲夫にバレちゃったのかな?


哲夫は自分の過去を淡々と話し続けた。

⏰:09/01/15 18:23 📱:SH901iC 🆔:Jfqqe8Pw


#482 [ゆーちん]
「会社は弟が継ぐらしくて、必死に勉強してる。俺が継ぐもんだと思ってて会社経営の勉強なんかしてなかったから慌てて将来の夢、変更ってわけだよ。弟には悪い事したなって思う。」


弟、いるんだ。


萌子には血の繋がったキョウダイ、いたのかな?

⏰:09/01/15 18:24 📱:SH901iC 🆔:Jfqqe8Pw


#483 [ゆーちん]
「実家飛び出して女のとこ転々として。でも自分の居場所が欲しくて…いつの間にかチームとか作ってた。親は、どっから俺の情報拾ったのか知んねぇけど、毎月お金を振り込む通帳みたいなの俺に送ってきやがった。」

⏰:09/01/15 18:25 📱:SH901iC 🆔:Jfqqe8Pw


#484 [ゆーちん]
そっか。


だから哲夫はお金には困らない生活をしていたんだ。


「通帳と一緒に手紙入ってて、たまには帰って来いとか書いてあるのかと思ったら…金はいくらでもやるから、うちの会社とは無関係だと誓え、みたいな事書いてあんの。」

⏰:09/01/15 18:26 📱:SH901iC 🆔:Jfqqe8Pw


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