闇の中の光
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#510 [ゆーちん]
見ず知らずの私を拾って、生かしてくれて、仲間とか家族とか…そういうのも教えてくれた。


優しすぎるよ。


お人よしってレベルじゃないよね。


哲夫、いい人過ぎる。


巨大なチームを率いる頭なだけあるよ。


人の気持ちがわかる人なんだ。

⏰:09/01/16 15:14 📱:SH901iC 🆔:GhjenJ72


#511 [ゆーちん]
「はいはい、わかったから。もう泣くなー。」

「子供扱いするなっ。」

「だって子供じゃん。まだ17なのにさ、こんなちっこい体で…でっかい荷物抱えちゃって。可哀相だよ、本当。」

「同情なんか、いらないよ。」

「お?同情するなら金をくれってやつ?金ならいくらでも‥」

⏰:09/01/16 15:17 📱:SH901iC 🆔:GhjenJ72


#512 [ゆーちん]
「金なんかいらないよ。」


泣き顔のまま、哲夫の笑顔を見上げた。


答えのわからなかった感情が、爆発した。


「哲夫が欲しいよ。」

「…俺?」

「好きなんだよ、哲夫が。」


泣きすぎて、上手く言えたかわかんない。

⏰:09/01/16 15:18 📱:SH901iC 🆔:GhjenJ72


#513 [ゆーちん]
だけどちゃんと聞こえたらしく、哲夫は笑いながら答えてくれた。


「俺も好きだよ、シホの事。」

「違う!」

「何が違うの?」

「私の好きと、哲夫の好きは違うよ…全然。」

「はぁ?一緒だっつーの。」

「哲夫が言った好きは…私を…ただの…ペットとして…」

⏰:09/01/16 15:19 📱:SH901iC 🆔:GhjenJ72


#514 [ゆーちん]
私、何が言いたいんだろう。


言葉が上手く出てこない。


「シホ、もうやめろ。喋るな。また苦しくなるぞ。」

「私は…テツは…」

「黙れ。」


笑っていたはずの哲夫は、やけに物静かな声で私に命令した。


その後、私が黙ってるよう唇を塞いでくれた。

⏰:09/01/16 15:21 📱:SH901iC 🆔:GhjenJ72


#515 [ゆーちん]
過呼吸なんかになってない。


だから今日は、息じゃなくって…。


哲夫の舌が、私の口の中を支配してくれた。


「…シホ、もう泣くな。」


初めてこの家に来た時の事を思い出した。

⏰:09/01/16 15:22 📱:SH901iC 🆔:GhjenJ72


#516 [ゆーちん]
このベットの上で、私は哲夫に萌子を殺せと頼んだ。


ナイフで喉をひとつき。


そうしてくれればよかったのに、哲夫はナイフではなく、自分の舌を喉にやった。

⏰:09/01/16 15:23 📱:SH901iC 🆔:GhjenJ72


#517 [ゆーちん]
あんな最悪なキス、初めてだったよ。


殺されたかったのに、殺してくんないんだもん。


でもね、人間の気持ちって簡単に変わっちゃうらしくて…今、このキスは最高だって思う。

⏰:09/01/16 15:23 📱:SH901iC 🆔:GhjenJ72


#518 [ゆーちん]
喉に舌が這っていく。


気持ち良いとか、恐いとか、悲しいとか…そんなんじゃない。


嬉しくて、私はただただ涙を流していたの。


「テツ…」

「ん?」

「好きです。」

「俺も好きですよ。」

「うん、ありがとね。」

⏰:09/01/16 15:24 📱:SH901iC 🆔:GhjenJ72


#519 [ゆーちん]
ペットとしての【好き】なのか、それとも人として【好き】と言ってくれてるのかはわかんない。


もう、どっちでもいい。


哲夫がいてくれるだけでいいよ。

⏰:09/01/16 15:25 📱:SH901iC 🆔:GhjenJ72


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