闇の中の光
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#513 [ゆーちん]
だけどちゃんと聞こえたらしく、哲夫は笑いながら答えてくれた。
「俺も好きだよ、シホの事。」
「違う!」
「何が違うの?」
「私の好きと、哲夫の好きは違うよ…全然。」
「はぁ?一緒だっつーの。」
「哲夫が言った好きは…私を…ただの…ペットとして…」
:09/01/16 15:19 :SH901iC :GhjenJ72
#514 [ゆーちん]
私、何が言いたいんだろう。
言葉が上手く出てこない。
「シホ、もうやめろ。喋るな。また苦しくなるぞ。」
「私は…テツは…」
「黙れ。」
笑っていたはずの哲夫は、やけに物静かな声で私に命令した。
その後、私が黙ってるよう唇を塞いでくれた。
:09/01/16 15:21 :SH901iC :GhjenJ72
#515 [ゆーちん]
過呼吸なんかになってない。
だから今日は、息じゃなくって…。
哲夫の舌が、私の口の中を支配してくれた。
「…シホ、もう泣くな。」
初めてこの家に来た時の事を思い出した。
:09/01/16 15:22 :SH901iC :GhjenJ72
#516 [ゆーちん]
このベットの上で、私は哲夫に萌子を殺せと頼んだ。
ナイフで喉をひとつき。
そうしてくれればよかったのに、哲夫はナイフではなく、自分の舌を喉にやった。
:09/01/16 15:23 :SH901iC :GhjenJ72
#517 [ゆーちん]
あんな最悪なキス、初めてだったよ。
殺されたかったのに、殺してくんないんだもん。
でもね、人間の気持ちって簡単に変わっちゃうらしくて…今、このキスは最高だって思う。
:09/01/16 15:23 :SH901iC :GhjenJ72
#518 [ゆーちん]
喉に舌が這っていく。
気持ち良いとか、恐いとか、悲しいとか…そんなんじゃない。
嬉しくて、私はただただ涙を流していたの。
「テツ…」
「ん?」
「好きです。」
「俺も好きですよ。」
「うん、ありがとね。」
:09/01/16 15:24 :SH901iC :GhjenJ72
#519 [ゆーちん]
ペットとしての【好き】なのか、それとも人として【好き】と言ってくれてるのかはわかんない。
もう、どっちでもいい。
哲夫がいてくれるだけでいいよ。
:09/01/16 15:25 :SH901iC :GhjenJ72
#520 [ゆーちん]
いつの間にか、初恋をしていた自分が嬉しくてたまらない。
あの日、神様がナイフを置いてくれたなら感謝する。
死ぬ為の道具じゃなくて、私を人間らしくしてくれた道具。
あのナイフのおかげで、私は恋ができた。
:09/01/16 15:25 :SH901iC :GhjenJ72
#521 [ゆーちん]
哲夫のSEXはさ、荒っぽかったよ。
でもね、幸せだった。
好きな人に『好き。』って言ってもらえて、キスしてもらえて、抱きしめてもらえて、体を重ねられて。
シホの人生、文句なんかないよ。
:09/01/16 15:27 :SH901iC :GhjenJ72
#522 [ゆーちん]
SEXが終わった後、哲夫にゆっくりキスされた時、『あぁ、これが幸せってやつなんだ。』って気付いた。
結局、私はペットなのか彼女なのか…そんなのはっきりさせなくてもいい。
この幸せを感じてられるなら、何だっていい。
だけど哲夫から離れるような事だけは嫌。
ずっと、ここにいたい。
:09/01/16 15:28 :SH901iC :GhjenJ72
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