闇の中の光
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#527 [ゆーちん]
翌日、体の芯から冷える寒さのせいで普段より少し早い時間に目が覚めた。


昨日、眠る時間が早かったから起きた時間も早いんだ。


哲夫の機嫌は、いいみたい。


「今日は集会ないんだよね?」

「うん。年末年始とクリスマスと盆は休み。あとゴールデンウイークも。」

⏰:09/01/18 17:12 📱:SH901iC 🆔:.ySjYrww


#528 [ゆーちん]
「ふーん。なんか…学校みたい。」


ベットに座りながら笑う私の隣に、チョンと腰を降ろした哲夫。


「ありゃ学校より低レベル。幼稚園みたいなもんだな。」

「康とか幼稚園児っぽいもんね。」

「顔だけ大人で、中身は幼稚園児より幼い奴だ。」

⏰:09/01/18 17:16 📱:SH901iC 🆔:.ySjYrww


#529 [ゆーちん]
煙草に火をつけるのかと思ったら、哲夫は私の手を取り自分の頬にあてた。


「何してんの?」

「ん?お前の手ぇ暖かいから。俺の顔寒い。」

「顔が寒いって表現おかしくない?」



あぁ、この気持ちを【愛おしい】とかって言うんだ。

哲夫が可愛くて、優しくしたくなる。



心臓をキュッと摘まれてるみたい。

⏰:09/01/18 17:17 📱:SH901iC 🆔:.ySjYrww


#530 [ゆーちん]
その痛みが、気持ち良いの。


「そう?」

「うん。康孝がバカだって言ったよね?でもよく考えたら実は康孝より哲夫のがバカだったりして?」


私はもう片方の手も哲夫の頬に添えた。


「千早様をナメんな?」

「アハハ!」


人の笑顔って、安心する。


自分も他人も、笑顔は幸せになれるものなんだ。

⏰:09/01/18 17:19 📱:SH901iC 🆔:.ySjYrww


#531 [ゆーちん]
両手で掴んだ哲夫の顔。


自分の方に引き寄せると、哲夫は『そんなバカな千早様を好きなシホが、1番バカだな。』と言ってから私にキスをくれた。


うん、そうだね。


私が1番バカだよ。


バカだけど、バカでよかったって思うんだ。


こんなに愛おしい気持ちを知らなかった自分をバカだと思うけど、その気持ちを教えてくれたのが哲夫でよかった。


ずっとこのままでいたい。

⏰:09/01/18 17:20 📱:SH901iC 🆔:.ySjYrww


#532 [ゆーちん]
いつものようにお風呂に入りご飯も食べ終えた頃、哲夫が言った。


「シホちゃん。」

「何、テッちゃん。」

「デートしない?」

「…する。」


慌てて服を着て、化粧や髪を整えた。

⏰:09/01/18 17:21 📱:SH901iC 🆔:.ySjYrww


#533 [ゆーちん]
「どこ行くの?」

「ん?内緒。」


哲夫に肩を抱かれ、暗くなった外をゆっくり歩く。


風が冷たい。


だけど哲夫が傍にいるから、平気。

⏰:09/01/18 17:21 📱:SH901iC 🆔:.ySjYrww


#534 [ゆーちん]
歩いて向かった先は、近くの公園だった。


「ブランコ乗る?」

「乗らない。」

「そ。俺は乗っちゃうよ〜。」


哲夫はブランコに腰をかけ、小さく揺らした。

⏰:09/01/18 17:22 📱:SH901iC 🆔:.ySjYrww


#535 [ゆーちん]
キーコーキーコー…


懐かしい音。


萌子が施設でいた時、園内にブランコがあった。


よく聞いた音。


ブランコはいつも人気で、取り合いしてたっけ。

⏰:09/01/18 17:22 📱:SH901iC 🆔:.ySjYrww


#536 [ゆーちん]
「なぁシホ。」

「ん?」


私はブランコの向かいにある小さな鉄棒にもたれ掛かった。


「お前の名前、なんでシホにしたか覚えてる?」

「…星が好きだからでしょ?」

⏰:09/01/18 17:23 📱:SH901iC 🆔:.ySjYrww


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