闇の中の光
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#55 [ゆーちん]
思わず体が起き上がる。
ゴツンッ…
「いってぇー!」
うん、痛い。
頭と頭がごっつんこ。
何で私、生きてんの。
てか、ここどこ?
:08/12/29 16:00 :SH901iC :HNTi4Nys
#56 [ゆーちん]
「地獄?」
「は?」
「生きてんの?」
「何言って‥」
「私、生きてんの?」
金髪頭の男は私の質問に答えた。
「生きてるよ。」
その5文字を聞いた途端、泣きそうになった。
:08/12/29 16:01 :SH901iC :HNTi4Nys
#57 [ゆーちん]
死ねなかったんだ。
最悪。
心臓を狙ったはずなのに、まさか急所外れ…って、あれ?
どこにも傷がない。
:08/12/29 16:01 :SH901iC :HNTi4Nys
#58 [ゆーちん]
何がどうなっているのか、全く理解できない。
「名前は?」
「え?」
「名前。」
「てゆーか、あんた誰よ。」
「俺?俺は天下無敵の哲夫様。」
…哲夫?
聞いた事のない名前。
:08/12/29 16:02 :SH901iC :HNTi4Nys
#59 [ゆーちん]
「誰?」
「だから哲夫だってば!千早哲夫。」
そう言って哲夫は笑った。
「で、あんたは?」
「私、死んだはずなんだけど!何で生きてんの?」
「はぁ?」
「ナイフで心臓ひとつきにして、私は死んだの!」
「頭でも打った?」
「てゆーか、ここはどこ?」
:08/12/29 16:03 :SH901iC :HNTi4Nys
#60 [ゆーちん]
完全にパニック状態だった。
そんな私に、哲夫は教えてくれた。
「俺がお前を見付けた時、右手にナイフ握ってたけど普通に息してたぞ。」
「嘘だ…。」
「お前が握ってたナイフ、これだろ?」
そう言って哲夫が取り出したナイフ。
:08/12/29 16:04 :SH901iC :HNTi4Nys
#61 [ゆーちん]
あぁ、そうだ。
その綺麗なナイフで、綺麗な星空の元、綺麗に死ぬつもりだったんだ。
「このナイフ、俺の。」
「え?」
「護身用に持ってんの。それがどうした事か、なぜか倉庫前に落として来ちゃったみたいで。探しに行ったらナイフ握ったあんたが倒れてたってわけ。」
:08/12/29 16:04 :SH901iC :HNTi4Nys
#62 [ゆーちん]
えっ、それじゃ私…自殺する前にマジで力尽きて気を失ってた訳?
何それ信じられない。
最悪。
「呼び掛けても起きないから、とりあえず俺んち連れて来た。」
「ここ、あんたんちなの?」
「救急車呼ぶにも、携帯は家に忘れてたし。お前運んでここ到着したのはいいけど、かなり疲れてたから、そのまま俺も寝ちゃったんだわ。」
:08/12/29 16:05 :SH901iC :HNTi4Nys
#63 [ゆーちん]
哲夫は煙草に火をつけた。
「助けてくれたの?」
「まぁ、そんなとこかな。」
何それ。
益々信じらんない。
「余計な‥」
ガチャッ…
:08/12/29 16:05 :SH901iC :HNTi4Nys
#64 [ゆーちん]
いきなりドアが開き、私の声を遮った。
「テッちゃん腹減っ…たっ…て…誰?」
いきなり入って来た男が私を見て驚く。
「ノックしてよ、ヤッちゃん。」
「この女子高生、誰!何でこんなに汚いの?」
なんで私が女子高生ってわかんだろ、と思ったら…ばっちり制服姿だった私。
:08/12/29 16:31 :SH901iC :HNTi4Nys
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