闇の中の光
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#600 [ゆーちん]
「いってぇ!」

「…我慢して。」

「もうちょっと優しくしてよ。」

「優しくしてるよ?」

「殴られるより消毒のが痛いし。」


哲夫は誰かを殴った?


…って、そんな事聞くのはタブーだよね。

⏰:09/01/21 16:16 📱:SH901iC 🆔:FXDa00ZA


#601 [ゆーちん]
「シホ。」

「ん?」

「あの男…萌子に伝えてくれって頭下げに来た。」


心臓が波打った。


あの男って、宗太郎の事だよね。


「…何?」

「萌子がまだ好きだ、ってさ。」

⏰:09/01/21 22:07 📱:SH901iC 🆔:FXDa00ZA


#602 [ゆーちん]
何、それ。


宗太郎、頭おかしいよ。


萌子のどこが好きなの。


嘘だ。


萌子をまだ好きでいてくれてるなんて嘘だよ。


「地元じゃ騒ぎになってるらしい。警察には届けてねぇみたいだけど…萌子を心配してる人もいるんだ。」

⏰:09/01/21 22:07 📱:SH901iC 🆔:FXDa00ZA


#603 [ゆーちん]
「シホ…じゃねぇや。萌子。急かすつもりなんか無かったけど、近々戦ってこいよ。俺も戦ったんだ。次は萌子の番じゃねぇか?」


自信がないとか、まだ恐いとか、そんな甘い事を言ってる場合じゃないって思った。

⏰:09/01/21 22:08 📱:SH901iC 🆔:FXDa00ZA


#604 [ゆーちん]
「前にも言ったけど、俺が味方だから心配なんかいらねぇぞ。萌子がずっと我慢してきた不満を正直に親に伝えろ。勝っても負けても、俺がいる。仲間もいる。帰ってくる家だってある。」


そんな嬉しい事言われちゃ涙腺が緩んじゃう。


でもね、私もう泣かない。

⏰:09/01/21 22:09 📱:SH901iC 🆔:FXDa00ZA


#605 [ゆーちん]
泣いてる場合じゃないもん。


「明日、戻る。萌子に。」

「そ。」

「だから、それまではシホでいたい。」

「おうよ。」

「哲夫の事、信じていいんだよね?」

「当たり前だっつーの。」

「ありがとう。」

⏰:09/01/21 22:10 📱:SH901iC 🆔:FXDa00ZA


#606 [ゆーちん]
誰かの為じゃなく、自分の為に戦わなきゃいけないんだ。


人生60年だとして、残り43年。


まだまだやりたい事がたくさんある。


やりたいって純粋に願ってしまう。


希望とか勇気を学べて、本当によかったよ。


一度死んで、よかった。


シホになれて、本当によかった。

⏰:09/01/21 22:10 📱:SH901iC 🆔:FXDa00ZA


#607 [ゆーちん]
▲▽▲▽▲▽▲

今日はここまで

>>2

▲▽▲▽▲▽▲

⏰:09/01/21 22:11 📱:SH901iC 🆔:FXDa00ZA


#608 [我輩は匿名である]
泣けました
楽しみにしてます

⏰:09/01/22 03:28 📱:F903i 🆔:N6eJwZDc


#609 [ゆーちん]
感想ありがとうございます嬉しいです

続きは今日の夜か明日になると思います
更新遅くて申し訳ありません

⏰:09/01/23 07:32 📱:SH901iC 🆔:OVGZkR5U


#610 [ゆーちん]
▲▽▲▽▲▽▲

闇と光

▲▽▲▽▲▽▲

⏰:09/01/23 21:25 📱:SH901iC 🆔:OVGZkR5U


#611 [ゆーちん]
薬箱を棚に戻し、部屋へ戻ると哲夫は眠っていた。


よほど眠かったのか、寝付きがいいのか。


もしくは傷の痛みが和らぎ、安心したのか。


どれにしろ、哲夫は私に伝えてくれたんだ。


戦う意味を。

⏰:09/01/23 21:25 📱:SH901iC 🆔:OVGZkR5U


#612 [ゆーちん]
自惚れかもしれないけど、シホを必要としてくれる人はたくさんいる。


だけど萌子は誰からも必要なんかされていない。


ずっとそう思っていた。


だけど違った。


嘘かもしれないけど、宗太郎は萌子を必要だとしてくれていた。

⏰:09/01/23 21:26 📱:SH901iC 🆔:OVGZkR5U


#613 [ゆーちん]
もし宗太郎の気持ちが本当だったとしても、私は彼の気持ちには応えられない。


哲夫が好きだから。


だけど、宗太郎たった一人にでも、萌子は必要とされた。


その事実に、自信がついたんだ。


親と戦おうって言う、自信。

⏰:09/01/23 21:27 📱:SH901iC 🆔:OVGZkR5U


#614 [ゆーちん]
哲夫を起こさないように、シホとして最後になるかもしれない家事をした。


掃除、洗濯、料理。


お風呂の時間が近付くと、哲夫は目を覚ました。


「まだ眠い…」

「お風呂入ればすっきりするよ。」

⏰:09/01/23 21:28 📱:SH901iC 🆔:OVGZkR5U


#615 [ゆーちん]
あくびばかりする哲夫と、いつもより長い時間、お湯につかった。


「気持ち良いね。」

「だな〜。風呂最高。」


気の抜けた哲夫の声が浴室に響き、自然と笑顔を誘った。

⏰:09/01/23 21:30 📱:SH901iC 🆔:OVGZkR5U


#616 [ゆーちん]
「今日の夕飯、何だと思う?」

「何か焼いてた音がしたから〜…炒め物?」

「ヒント、哲夫の好きなもの。」

「あぁ、ハンバーグだ!」

「ブブー。ヒント2、私にとって思い出の料理。」

「シホにとって?」

「うん。じゃあヒント3。最後のヒントだよ。」

⏰:09/01/23 21:31 📱:SH901iC 🆔:OVGZkR5U


#617 [ゆーちん]
「ん。」

「ヒント3。シホの初めての料理。」


哲夫は覚えてくれているのだろうか。


私がここに来て、シホとしての初めての食事であった食べ物。


誰かのために料理をするなんて、面倒だから嫌いだった。


だけど、美味しいって言ってくれる人のために作る料理は、嫌いじゃなかった。

⏰:09/01/23 21:33 📱:SH901iC 🆔:OVGZkR5U


#618 [ゆーちん]
「わかった?」


少し考えた哲夫は、口の端を吊り上げて笑った。


「お好み焼きだ。」


嬉しかった。


覚えててくれたんだ。


照れるような、恥ずかしいような。


「正解。」

「さすが、俺。」


浴室には二人の笑い声が優しく響いた。

⏰:09/01/23 21:34 📱:SH901iC 🆔:OVGZkR5U


#619 [ゆーちん]
お風呂から上がり、そのお好み焼きを頬張った。


簡単な料理だけど、私にとっては特別な料理。


色違いのお箸で食べたお好み焼き。


自分で作った物を、初めて美味しいって思えた。


料理って味だけじゃなく、誰とどこでどんな風に食べるかも左右されるんだね。

⏰:09/01/23 21:35 📱:SH901iC 🆔:OVGZkR5U


#620 [ゆーちん]
食べ終わり、片付けが済めば、集会に行く支度をする。


着替えたり、髪をセットしたり、化粧したり。


今日もいつものように準備に取り掛かる。


そんな私を、ベットに腰掛けて煙草を吸う哲夫の目が、ずっと追い掛けていた。

⏰:09/01/23 21:36 📱:SH901iC 🆔:OVGZkR5U


#621 [ゆーちん]
「何見てんの?」

「んー?」

「あんま見ないでよ。恥ずかしいじゃん。」


照れ笑いした私に哲夫は小さく呟いた。


「明日の今頃には、もういねぇのかなって思って。」


私の顔から笑顔が消えた。


同時に、化粧をする手の動きも止まった。

⏰:09/01/23 21:45 📱:SH901iC 🆔:OVGZkR5U


#622 [ゆーちん]
「そんな寂しい事、言わないで。」

「…ん、悪い。」


ずっとずっと、はっきりさせたいって思っていた事があった。


この機会に、哲夫に聞いてもいいよね?


「聞いてもいいかな?」

「何?」

⏰:09/01/23 21:46 📱:SH901iC 🆔:OVGZkR5U


#623 [ゆーちん]
「ずっと私を守ってくれるって言ったよね。それって、どういう意味なの?」

「…味方っつう事。」

「私って、哲夫にとって…何?味方以外の言葉で教えて。」


【味方】って言葉だけで充分なのに、私は欲が出た。


自分が欲しい言葉が返って来なかったらヘコむくせに…バカでしょ?

⏰:09/01/23 21:47 📱:SH901iC 🆔:OVGZkR5U


#624 [ゆーちん]
せっかく恋愛感情を知れたのに、一気に砕け散るのが恐かった。


勇気のない女だ。


でも今なら少しだけ自信があった。


【彼女】とまではいかないが、【ペット】ではないだろうっていう自信。

⏰:09/01/23 22:56 📱:SH901iC 🆔:OVGZkR5U


#625 [ゆーちん]
「知りてぇの?」

「うん。」


哲夫の口が開いたシーンが、とてもスローモーションに目に映った。


次の瞬間、哲夫の口から出た言葉を聞き、私はまんまと泣かされた。

⏰:09/01/23 22:57 📱:SH901iC 🆔:OVGZkR5U


#626 [ゆーちん]
「愛してる人。」


ねぇ、今なら前言撤回していいよ?


でないと私、信じちゃうから。


私が欲しかった言葉以上だよ、それ。


「じゃあ聞くけど、シホにとって俺って何?」

「…二酸化炭素くれる人。」

「フフッ。何だそれ。」

「嘘、ごめん。」

⏰:09/01/23 22:58 📱:SH901iC 🆔:OVGZkR5U


#627 [ゆーちん]
嘘はだめだから、ちゃんと言い直せと叱られたから、言い直した。


「世界一大好きな人。」


泣いてる私を抱きしめた哲夫の笑顔は、幼稚園児みたいだったよ。


笑顔がキラキラしてた。

⏰:09/01/23 22:58 📱:SH901iC 🆔:OVGZkR5U


#628 [ゆーちん]
私の心は闇だった。


だけど哲夫っていう、手をかざしたくなるような光が照らしてくれた。


「哲夫は光だ…。」

「光?俺、改名したっけ?」

「違う、そうじゃない。」

「じゃあ何。」

⏰:09/01/23 22:59 📱:SH901iC 🆔:OVGZkR5U


#629 [ゆーちん]
「ずっと闇の中でウロウロしてた私に、哲夫が光を与えてくれた。そういう意味の光。その光のおかげで、私…こんな幸せな気分になってる。」

「じゃあ言わせてもらうけど。」

「何?」

「闇がなきゃ光は輝かねぇんだぞ?知ってた?つまりシホがいなきゃ俺は生きてけねぇっつう事だな。」

⏰:09/01/23 23:00 📱:SH901iC 🆔:OVGZkR5U


#630 [ゆーちん]
何が、つまりだよ。


全然つじつま合わないし。


やっぱりちょっとバカなんだ。


そんな人間らしい哲夫の温もりに、涙が止まらなかった。


マスカラを塗る前でよかった。


塗ってたら、黒い涙だって哲夫にバカにされそうだからね。

⏰:09/01/23 23:00 📱:SH901iC 🆔:OVGZkR5U


#631 [ゆーちん]
『これ以上抱きしめていると、歯止めが効かないから。』と笑いながら、私から離れた哲夫。


もっと哲夫の傍に居たかったんだけど…私も化粧の途中だし。


涙を拭いてからマスカラやアイライン、そしてアイシャドーを目に施す。

⏰:09/01/23 23:01 📱:SH901iC 🆔:OVGZkR5U


#632 [ゆーちん]
このメイクは、哲夫に教えてもらった【シホのメイク】だ。


明日、萌子に戻ったら…またあの派手な化粧をしなきゃなんないのかな。


…って、別にそこまで完璧にシホと萌子を切り替えなくてもいいのか。

⏰:09/01/23 23:04 📱:SH901iC 🆔:OVGZkR5U


#633 [ゆーちん]
目の前に迫る運命が近付くと、急に慌ててしまう私は、ただの臆病者だった。


焦っちゃって、恐くなっちゃって…また痛い思いをするのかなと思うと、何もかも投げやりたくなる。

⏰:09/01/23 23:04 📱:SH901iC 🆔:OVGZkR5U


#634 [ゆーちん]
でも違う。


それは間違ってる。


いくら苦しくても、いくら辛くても、いくら恐くても、いくら痛くても…もう逃げちゃいけないんだよ。


【死】に逃げるのは、試合放棄してるって事。


私はまだまだ戦えるんだ。


戦うべきなんだ。

⏰:09/01/23 23:05 📱:SH901iC 🆔:OVGZkR5U


#635 [ゆーちん]
まだ戦ってもいないのに、私は常に【敗退】の覚悟をしたまま、殴られたり蹴られたり…。


それで人生全てを嫌になる。


人間としての楽しさや希望や、光。


そんな素敵なもの全部を自ら手放そうとしていたんだ。

⏰:09/01/23 23:05 📱:SH901iC 🆔:OVGZkR5U


#636 [ゆーちん]
そんな萌子の人生を、哲夫が変えてくれた。


色んな感情を教えてくれて、色んな希望を持たせてくれた人。


【命の恩人】だなんて言葉は一生関係のない言葉だと思っていたけど、今、ここにいる哲夫がそうだ。


そんな言葉が頭に浮かぶ自分にも、その言葉の対象である哲夫にも、【ありがとう】を与えたい。

⏰:09/01/23 23:06 📱:SH901iC 🆔:OVGZkR5U


#637 [ゆーちん]
▽▲▽▲▽▲▽

今日はここまで

>>2

▽▲▽▲▽▲▽

⏰:09/01/23 23:06 📱:SH901iC 🆔:OVGZkR5U


#638 [ゆーちん]
▲▽▲▽▲▽▲

仲間

▲▽▲▽▲▽▲

⏰:09/01/24 18:17 📱:SH901iC 🆔:JFMqBZYE


#639 [ゆーちん]
二日ぶりの集会も相変わらず寒かった。


風が冷たくて、耳がちぎれんじゃないかってくらい。


だけど、楽しかった。


笑ったり驚いたり。


怪我をしている人もいたけど、いつものような賑やかさだった。

⏰:09/01/24 18:18 📱:SH901iC 🆔:JFMqBZYE


#640 [ゆーちん]
本当に昨日、どんちゃん騒ぎしてきたの?ってくらいみんな穏やかに笑ってるもんだから。


こういう空間に、ずっといれたらいいのにな。


最後の集会とか、そんな事は考えないようにした。


だけど頭の端っこでは気になってたりして、上手く笑えてたのかはわからない。

⏰:09/01/24 18:19 📱:SH901iC 🆔:JFMqBZYE


#641 [ゆーちん]
結局、何も言えずお開きしてしまい、みんなとバイバイした。


哲夫の元に駆け寄り、男の人たちともバイバイする。


集会場所から出て、哲夫に肩を抱かれながらいつもの道を歩く。


と、その時だった。

⏰:09/01/24 18:20 📱:SH901iC 🆔:JFMqBZYE


#642 [ゆーちん]
「シホちゃん!」


そこにいたのは、のんちゃんだった。


「…のんちゃん。どうかした?」

「シホちゃんさぁ、居なくなったりしないよね?」


思わず、のんちゃんから目を反らしてしまった。


「何、言ってるの?」


私、上手く、笑えてる?


「隠さないでよ。今日のシホちゃん、何かおかしかったよ。」

⏰:09/01/24 18:21 📱:SH901iC 🆔:JFMqBZYE


#643 [ゆーちん]
この人には、敵わない。


どうしてそんなに優しいの。


哲夫にしても康孝にしても、のんちゃんにしても。


シホとして出会った人たちは、みんな素敵な人ばかりだ。

⏰:09/01/24 18:22 📱:SH901iC 🆔:JFMqBZYE


#644 [ゆーちん]
哲夫の顔を見上げると、私を見下ろしながら頷いてくれた。


のんちゃんには、話そう。


ていうか、話しを聞いてもらいたい。


同情とかが欲しいんじゃない。


のんちゃんへの気持ちは、哲夫に話したいって思った時の感情と同じようなもの。


大切な人だからこそ、私を知っていてもらいたい。

⏰:09/01/24 18:22 📱:SH901iC 🆔:JFMqBZYE


#645 [ゆーちん]
「のんちゃん、ごめん。本当は言うつもりはなかったんだけど、実は‥」

「望実、うち来い。」


いきなり哲夫が言ったその言葉にのんちゃんは驚いていた。


「えっ、いやっ…それは…」

「集会中は人がいっぱいいるからマシだけど、今は3人だ。だからすっげぇ寒い。女は体冷やすなって小学校で習っただろ?」

⏰:09/01/24 18:23 📱:SH901iC 🆔:JFMqBZYE


#646 [ゆーちん]
のんちゃんは遠慮していたけど、哲夫の命令だとすれば話しは別…らしい。


「のんちゃんは哲夫の家に来た事ないの?新人の時に掃除とか。」

「うん。私はそのルールが決まる前からチームに入ってたの。」

⏰:09/01/24 18:24 📱:SH901iC 🆔:JFMqBZYE


#647 [ゆーちん]
と、なると…やっぱり緊張するのかな。


チームのリーダーである哲夫の家に行くという事は。


3人で歩く帰り道は、なんだか違和感たっぷりで…私まで緊張してしまった。


そんな私の肩から手を下ろし、煙草を吸う哲夫だけは平然としていたけどね。

⏰:09/01/24 18:24 📱:SH901iC 🆔:JFMqBZYE


#648 [ゆーちん]
家に着くと、のんちゃんの表情は益々堅くなった。


「失礼しますっ!」

「そんな力まなくても。」

「いや、だって哲夫さんの家だし…」


すると、哲夫は笑いながら言った。


「シホの家でもあるんだぞ。ツレん家に入るだけなのに、そんなカチカチになる必要ねぇよ。」

⏰:09/01/24 18:25 📱:SH901iC 🆔:JFMqBZYE


#649 [ゆーちん]
それを聞いたのんちゃんの表情は、少し緩んだ。


私も、緩んだ。


私の家でもあるんだって、この家。


それって、すごい嬉しい事だよね。


なんだか心がキュンとなる。


「それじゃあ、おっ…お邪魔します!」

⏰:09/01/24 18:26 📱:SH901iC 🆔:JFMqBZYE


#650 [ゆーちん]
「リラックスしてね?そんな緊張されてちゃ、私も緊張しちゃうよ。」

「あっ、うん。そうだよね。」

「何か飲む?」

「ううん、お構いなく!」

「…紅茶でいい?」

「あっ、うん。じゃあ紅茶で。」


どっちだよ、とツッコミたくなるほどだった。

⏰:09/01/24 18:27 📱:SH901iC 🆔:JFMqBZYE


#651 [ゆーちん]
いつものリラックスしたのんちゃんとは別人。


でもなんか、可愛かった。


のんちゃんのそういう性格、好きだな。


「哲夫は?」

「俺はいらなーい。ビール飲む。」

⏰:09/01/24 18:28 📱:SH901iC 🆔:JFMqBZYE


#652 [ゆーちん]
のんちゃんにはソファーに座って待っててもらい、私と哲夫はキッチンに。


哲夫が冷蔵庫を漁りながら、声をあげた。


「望実ぃー!」


ソファーから立ち上がったのんちゃんは、元気な返事をする。


「はいっ!」

⏰:09/01/24 18:29 📱:SH901iC 🆔:JFMqBZYE


#653 [ゆーちん]
「ビール飲むか?」

「いや、私まだ19なんで。」

「あぁ、そ。残念。」

「すみません。ありがとうございます!」


のんちゃん見てると、癒される。


と、同時に感心。


そんな風に尊敬できるような人がいて、緊張とかしちゃって…萌子には無かった事だったから。

⏰:09/01/24 18:29 📱:SH901iC 🆔:JFMqBZYE


#654 [ゆーちん]
上下関係を知らなかった私に、そっと教えてくれたのは、哲夫のチームのおかげ。


あんまり上下関係を気にしないで、ってチームだったから私自体、緊張したり尊敬したりって事はなかったけど、その事実を目の当たりにして、ちょっと感動とかしちゃったし。

⏰:09/01/24 18:30 📱:SH901iC 🆔:JFMqBZYE


#655 [ゆーちん]
「お待たせ。」

「あっ、ありがとう。」

「砂糖とミルクは?」

「どっちも入れてくれる?」

「OK。」


紅茶を入れ終え、私も哲夫ものんちゃんのいる場所に移動した。


のんちゃんの表情は、玄関にいた時よりほんの少し、緩んだかな。


さて、何から話そうか。

⏰:09/01/24 18:30 📱:SH901iC 🆔:JFMqBZYE


#656 [ゆーちん]
紅茶を飲む音。


ビールを飲む音。


シンとした部屋。


最初に口を開いたのは、のんちゃんだった。


「美味しい。」


哲夫以外の人に美味しいと言われた。


それがたまらなく嬉しく感じてしまう。


「ありがとう。」

⏰:09/01/24 18:31 📱:SH901iC 🆔:JFMqBZYE


#657 [ゆーちん]
他愛もない事だけど、私には心が奮い立つぐらい幸せな言葉なんだ。


インスタントの紅茶にお湯を入れただけなのに、美味しいって。


社交辞令かもしれないけど、嬉しい。

⏰:09/01/24 18:31 📱:SH901iC 🆔:JFMqBZYE


#658 [ゆーちん]
こんな気持ちをどうやって伝えればいいのかわかんないけど、私なりの言葉で説明しよう。


大丈夫。


シホとしてのタイムリミットは、まだある。


萌子に戻る前に、シホとして、萌子の話をしておきたい。

⏰:09/01/24 18:32 📱:SH901iC 🆔:JFMqBZYE


#659 [ゆーちん]
「今から話す事、上手く伝わらないかもしんない。けど私なりに頑張って伝えるから聞いてね。」


するとのんちゃんは、いつもの優しい笑顔を見せてくれた。


そのエクボに、何度と心を落ちつかしてもらっただろう。

⏰:09/01/24 18:32 📱:SH901iC 🆔:JFMqBZYE


#660 [ゆーちん]
「私、シホなんかじゃないの。」

「…。」


のんちゃんは、何も言わなかったし、何の反応も見せなかった。


「本当の名前は、金河萌子って言うんだ。」

「…そっか。」

「ごめんなさい。ずっと黙ってて。」

⏰:09/01/24 18:33 📱:SH901iC 🆔:JFMqBZYE


#661 [ゆーちん]
「謝んないで。ていうか名前なんて何だっていいじゃん。あだ名みたいなもんだよ。」

「…うん。」


薄々気付いてたのかもしんない。


驚いているというより、確信を持った表情だったから。

⏰:09/01/24 18:33 📱:SH901iC 🆔:JFMqBZYE


#662 [ゆーちん]
ゆっくりと萌子の話をした。


哲夫にお伽話をした時に、過去を思い出す痛みへの免疫はついたつもりだった。


だけどまだ弱かった。


途中、何度も泣きそうになった。


けど…泣かなかったよ。


泣いてちゃ、のんちゃんに伝えらんないもん。

⏰:09/01/24 18:34 📱:SH901iC 🆔:JFMqBZYE


#663 [ゆーちん]
冷めきった紅茶で何度も喉を潤わせながら、話した。


途中、哲夫にも助けてもらいながら。


「それで私決めたの。明日…っていうか日付的には今日だね。」

「もしかして…」

「うん。萌子に戻るよ。それで、親と話し合ってみる。」

⏰:09/01/24 18:35 📱:SH901iC 🆔:JFMqBZYE


#664 [ゆーちん]
今までずっと、過去を聞くのを禁じられていた哲夫の仲間であるのんちゃんは、信じられないって顔をしながら萌子の過去を聞いていてくれた。


そのお伽話のクライマックスが、今日でシホを辞めるってもの。


そりゃ、ビックリするよね。

⏰:09/01/24 18:35 📱:SH901iC 🆔:JFMqBZYE


#665 [ゆーちん]
「すぐ帰って来るんだよね?」

「…わかんない。」

「何で?」

「親と和解できるなら、金河家で暮らすと思う。許せないぐらいムカつく親だけど…何だかんだで、ここまで育ててくれたのは、あの人達だし。」

⏰:09/01/24 18:36 📱:SH901iC 🆔:JFMqBZYE


#666 [ゆーちん]
「育ててくれたって…子供に援交させて金稼ぎさす親なんか最低だよ?」

「うん。わかってる。最低な親だよね。」

「だったらどうして…」

「哲夫が、味方だから。」

「…哲夫さんが?」

⏰:09/01/24 18:36 📱:SH901iC 🆔:JFMqBZYE


#667 [ゆーちん]
ずーっとベットの端に座りながら煙草を吸っていた哲夫。


そう、あの人が味方だから。


「私には哲夫がいるから。生きたいって思うようにもなれた。」

「シホちゃん…」

「殴られて蹴られて半殺しにされて…もし和解できなくても、死のうだなんて考えないようにする。誓うよ。」

⏰:09/01/24 18:37 📱:SH901iC 🆔:JFMqBZYE


#668 [ゆーちん]
「その時はまたシホとしてここで暮らせばいい話。」


哲夫の付け加えのおかげで、話にリアリティが出た。


そっと哲夫に視線を向けると、優しい笑顔で私を見てくれた。


「もし萌子ちゃんに戻っちゃってもさ、絶対遊ぼうね?約束だから。」

⏰:09/01/24 18:38 📱:SH901iC 🆔:JFMqBZYE


#669 [ゆーちん]
ありがとう、と言った。


「私も、ずっとシホちゃんの味方だから。親とか友達に何かされたら、ぶっ飛んでくよ。約束する。」


また、ありがとう、と言った。


感謝しても、しきれない。

⏰:09/01/24 18:38 📱:SH901iC 🆔:JFMqBZYE


#670 [ゆーちん]
「私ら出会って2〜3ヵ月だけど、シホちゃんはマジで大切な仲間だから。」

「…仲間ってものも、萌子じゃわかんなかった。シホになって、仲間の良さを学んだんだよ。」

「私もシホちゃんから学んだ事いっぱいあるよ。」

⏰:09/01/24 18:40 📱:SH901iC 🆔:JFMqBZYE


#671 [ゆーちん]
泣かないって決めたのに、勝手に流れてしまった。


「アハハ。泣き虫シホちゃん。」

「うるさいっ。」


涙が乾いた頃、のんちゃんは帰った。


夜も遅いし、近くまで送り届けた後、哲夫に肩を抱かれて家まで歩いた。

⏰:09/01/24 18:41 📱:SH901iC 🆔:JFMqBZYE


#672 [我輩は匿名である]
シホちゃん大好き

なんだか私の昔の心に
すっごい似てて...

また勇気が持てた(・ω・´)


だから最後まで
頑張って下さい

⏰:09/01/24 19:34 📱:SH706ie 🆔:YP02nN8I


#673 [ゆーちん]
>>672さん

はいっ(>_<)
ありがとうございます
最後まで頑張ります!

⏰:09/01/24 21:18 📱:SH901iC 🆔:JFMqBZYE


#674 [ゆーちん]
▲▽▲▽▲▽▲

ご褒美

▲▽▲▽▲▽▲

⏰:09/01/24 21:19 📱:SH901iC 🆔:JFMqBZYE


#675 [ゆーちん]
夜空を見上げた。


今日も星が綺麗だ。


「シホぉ。」

「ん?」

「星だって、暗闇がなきゃ光ってんのに気付いてもらえないんだぞ。」


いきなり、何を言い出したのかと思った。


「シホが自分の事を闇で俺を光りだって言うなら、俺はシホの傍でずっと光っててやるよ。」

⏰:09/01/24 21:20 📱:SH901iC 🆔:JFMqBZYE


#676 [ゆーちん]
言葉にならない感情が込み上げてきた。


この感情を何て呼ぶ?


答えがわからない。


だって、初めての体験だったし。


哲夫と過ごした数ヵ月、私には初めての事だらけだったよ。

⏰:09/01/24 21:21 📱:SH901iC 🆔:JFMqBZYE


#677 [ゆーちん]
また、自分からすがってしまった。


荒っぽいSEXからは、溢れんばかりの愛を感じる。


愛してる人に愛をもらえるなんて、私の人生にはありえない事なんだと思ってた。


「シホ…」


哲夫が色っぽい声で私の名前を呼ぶ。


涙が出そうで鼻が痛くなった。

⏰:09/01/24 21:22 📱:SH901iC 🆔:JFMqBZYE


#678 [ゆーちん]
シホとして最後に見た夢は覚えていない。


それほど熟睡できたんだ。


安心しながら、心地よく、眠ったんだ。


誰かの温もりを感じながら眠るだなんて、私には贅沢すぎる。


そんな贅沢をさせてくれた哲夫の腕の中で、いつもの時間に自然と目を覚ました。

⏰:09/01/24 21:22 📱:SH901iC 🆔:JFMqBZYE


#679 [ゆーちん]
ぼーっとしながら、布団の中の温かさと哲夫の体温を楽しむ。


何も考えずに、ただただ布団の中でじっとしていた。


目を開けて眠っていたのかもしれない。


頑張らなきゃって前に進もうとする私がいる。


だけど、もう少し甘えていようよってすがっちゃう自分もいる。

⏰:09/01/24 21:23 📱:SH901iC 🆔:JFMqBZYE


#680 [ゆーちん]
結局、哲夫も目を覚まし、必然的に起きる事になっちゃったけど。


「おはよ。」

「おはよう。」

「んー…便所。」


哲夫が起き上がり、ベットからいなくなると冷気が入ってきた。


なんだか寂しい。

⏰:09/01/24 21:23 📱:SH901iC 🆔:JFMqBZYE


#681 [ゆーちん]
寂しがってる場合じゃない。


明日からは、この温もりは無いのかもしれないし。


いつまでも甘えてるわけにはいかない。


ベットから起き上がり、洗面所で顔を洗う。


目が覚める。


モヤモヤしていた気持ちも、眠気と共に吹き飛ばしてやった。

⏰:09/01/24 21:29 📱:SH901iC 🆔:JFMqBZYE


#682 [ゆーちん]
パジャマを脱ぎ、何を着ようかと悩んでいた時だった。


「おっはー!」


まさかの来客。


康孝だ。


「あ、おはよう。」

「シホちゃん。何で下着姿なわけ?」


康孝が苦笑いする。

⏰:09/01/24 21:30 📱:SH901iC 🆔:JFMqBZYE


#683 [ゆーちん]
「何着ようかなって。」


すると哲夫が言った。


「着るもの決めてから脱げよ、バカ。」


そう言って、康孝の手に握られていた袋を奪い、そのまま私に手渡した。


「えっ、何これ。」

「ちょうど着るもの悩んでたんだろ?俺からのプレゼント。」


と、康孝が笑った。

⏰:09/01/24 21:30 📱:SH901iC 🆔:JFMqBZYE


#684 [ゆーちん]
袋の中身を見て、息を飲み込んだ。


「これ…」


私が初めてここに来た時、着ていた服だ。


あんなに汚かったのに、新品のように綺麗。


「私の制服…」

「康がクリーニングに出してくれたんだぞ。」

「ヤッちゃんが?」

「たまには俺だって役に立つだろ?」

⏰:09/01/24 21:31 📱:SH901iC 🆔:JFMqBZYE


#685 [ゆーちん]
舌を出してピースサインをした康孝はバカっぽかった。


幼稚園児以下。


だけどそんな康孝が好きだった。


仲間として、男として、人として、好きだった。


だけどそれは哲夫への【好き】とは、また違う。


人間の感情は、数え切れない。

⏰:09/01/24 21:35 📱:SH901iC 🆔:JFMqBZYE


#686 [ゆーちん]
「それともう1つプレゼント。」

「え?」

「玄関にツルピカに輝いてるローファーが待ってるぞ。」


康孝の言葉を聞いた私はすぐさま玄関まで走った。


康孝の言う通り。


汚かったローファーが、ピカピカしている。

⏰:09/01/24 21:35 📱:SH901iC 🆔:JFMqBZYE


#687 [ゆーちん]
驚いていた私を追い掛けて来た康孝が、教えてくれた。


「靴みがき買って来て、みんなで磨いたんだぞ。」


【ありがとう】を何度言えばいいのかわからない。


【嬉しい】を通り越した感情が私を襲う。


「私、何て言ったらいいのか…」

「お礼はいいから早く服着ろ。」

⏰:09/01/24 21:36 📱:SH901iC 🆔:JFMqBZYE


#688 [ゆーちん]
部屋に戻ると哲夫が笑ってた。


「哲夫ぉ、ローファーが…」

「フッ。よかったな。半泣きなってるし。」

「泣いてないよ。もう泣かないって決めたんだから。」

「そ。早く服着ないと風邪ひくぞ。」

「うん。今さっきヤッちゃんにも服着ろって叱られた。」

⏰:09/01/24 21:37 📱:SH901iC 🆔:JFMqBZYE


#689 [ゆーちん]
二人の視線は気にならない。


というか着替える私なんか見ていなかったのかも。


久しぶりに袖を通した制服は、ひんやりしていた。


やけに体にフィットする。


あぁ、私はやっぱり紛れも無い【金河萌子】なんだって実感した。

⏰:09/01/24 21:38 📱:SH901iC 🆔:JFMqBZYE


#690 [ゆーちん]
スカートを短くし、あの日履いてた靴下を引っ張り上げる。


靴下は、クローゼットの下の引き出しの1番奥に潜んでた。


久しぶりに取り出すもんだから、なんだか違和感たっぷりだった。

⏰:09/01/24 21:39 📱:SH901iC 🆔:JFMqBZYE


#691 [ゆーちん]
「ほほぉー。シホちゃんも何だかんだでまだ現役だもんな。やっぱ制服似合うわ。」


康孝がそんな言葉をサラッと言いきると、哲夫に『セクハラかよ。』と笑われていた。


そんな笑ってた哲夫が、小さな声で呟いた。

⏰:09/01/24 21:39 📱:SH901iC 🆔:JFMqBZYE


#692 [ゆーちん]
「懐かしいな。」


康孝も『あぁ。』と私を見ながら懐かしんでいた。


「つい昨日の事みたい。制服着た女が俺のナイフ握って眠ってたんだよな。」

「哲夫の部屋に知らない女子高生がいて、俺すっげぇビックリした。」

⏰:09/01/24 21:40 📱:SH901iC 🆔:JFMqBZYE


#693 [ゆーちん]
「髪も服も化粧もぐちゃぐちゃで汚かったよな。」

「いきなり殺せって要求するし?」

「哲夫に何言われたのか知んねぇけど、次会った時はケロッとした顔だった。」


二人は私を見ながら懐かしそうに昔話を続けた。

⏰:09/01/24 21:42 📱:SH901iC 🆔:JFMqBZYE


#694 [ゆーちん]
色んな感情が混ざりあう。


嬉しいけど、寂しい。


恥ずかしいような、緊張するような。


二人の視線を気にしながらも鏡の前に座り、化粧をし始めた私。


化粧は、哲夫に教えてもらった【シホのメイク】を施した。

⏰:09/01/24 21:42 📱:SH901iC 🆔:JFMqBZYE


#695 [ゆーちん]
髪形だってシホのまま。


この髪形には、この化粧が合うっていうのもあるけど…私は萌子でもあるしシホでもある、って事を示したい意思の現れだったんだと思う。

⏰:09/01/24 21:43 📱:SH901iC 🆔:JFMqBZYE


#696 [ゆーちん]
「できた。」


私の支度ができたのは、目が覚めて2時間程経ってからだった。


「じゃあ行くか。」


哲夫の問いに、私は頷く。


『車で待ってっから。』と言い、康孝が出て行った。

⏰:09/01/24 21:44 📱:SH901iC 🆔:JFMqBZYE


#697 [ゆーちん]
最後に部屋を見渡した。


「ここはシホの部屋だ。お前の居場所はここにもある。」


哲夫にそう言われ、誇らしい気持ちでいっぱいだった。


「うん。」

⏰:09/01/24 21:44 📱:SH901iC 🆔:JFMqBZYE


#698 [ゆーちん]
荷物は何もない。


萌子は手ぶらでここに来たのだから。


何も持たないその手を、哲夫に握ってもらい、家を飛び出した。


今日は冬らしくない気候だった。


暖かい風が私の背を押す。

⏰:09/01/24 21:45 📱:SH901iC 🆔:JFMqBZYE


#699 [ゆーちん]
康孝の車に乗り込み、後部座席へと座る。


隣には哲夫。


車内は相変わらずうるさくて、首に巻く方でない車のマフラーが低く唸る。


窓の外は、シホのよく知る町並み。


だけど萌子には全く知らない町並み。


この街はシホの生まれた場所だから。

⏰:09/01/24 21:46 📱:SH901iC 🆔:JFMqBZYE


#700 [ゆーちん]
10分もすれば、シホでも萌子でも知らない景色が広がった。


「なぁシホちゃん、こんな事聞いて機嫌悪くしたらごめん。」

「何?」

「どこに住んでたの?」


康孝の質問に、私はひるむ事なく答えた。


すると車内の空気が一転。

⏰:09/01/24 21:50 📱:SH901iC 🆔:JFMqBZYE


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