闇の中の光
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#642 [ゆーちん]
「シホちゃん!」


そこにいたのは、のんちゃんだった。


「…のんちゃん。どうかした?」

「シホちゃんさぁ、居なくなったりしないよね?」


思わず、のんちゃんから目を反らしてしまった。


「何、言ってるの?」


私、上手く、笑えてる?


「隠さないでよ。今日のシホちゃん、何かおかしかったよ。」

⏰:09/01/24 18:21 📱:SH901iC 🆔:JFMqBZYE


#643 [ゆーちん]
この人には、敵わない。


どうしてそんなに優しいの。


哲夫にしても康孝にしても、のんちゃんにしても。


シホとして出会った人たちは、みんな素敵な人ばかりだ。

⏰:09/01/24 18:22 📱:SH901iC 🆔:JFMqBZYE


#644 [ゆーちん]
哲夫の顔を見上げると、私を見下ろしながら頷いてくれた。


のんちゃんには、話そう。


ていうか、話しを聞いてもらいたい。


同情とかが欲しいんじゃない。


のんちゃんへの気持ちは、哲夫に話したいって思った時の感情と同じようなもの。


大切な人だからこそ、私を知っていてもらいたい。

⏰:09/01/24 18:22 📱:SH901iC 🆔:JFMqBZYE


#645 [ゆーちん]
「のんちゃん、ごめん。本当は言うつもりはなかったんだけど、実は‥」

「望実、うち来い。」


いきなり哲夫が言ったその言葉にのんちゃんは驚いていた。


「えっ、いやっ…それは…」

「集会中は人がいっぱいいるからマシだけど、今は3人だ。だからすっげぇ寒い。女は体冷やすなって小学校で習っただろ?」

⏰:09/01/24 18:23 📱:SH901iC 🆔:JFMqBZYE


#646 [ゆーちん]
のんちゃんは遠慮していたけど、哲夫の命令だとすれば話しは別…らしい。


「のんちゃんは哲夫の家に来た事ないの?新人の時に掃除とか。」

「うん。私はそのルールが決まる前からチームに入ってたの。」

⏰:09/01/24 18:24 📱:SH901iC 🆔:JFMqBZYE


#647 [ゆーちん]
と、なると…やっぱり緊張するのかな。


チームのリーダーである哲夫の家に行くという事は。


3人で歩く帰り道は、なんだか違和感たっぷりで…私まで緊張してしまった。


そんな私の肩から手を下ろし、煙草を吸う哲夫だけは平然としていたけどね。

⏰:09/01/24 18:24 📱:SH901iC 🆔:JFMqBZYE


#648 [ゆーちん]
家に着くと、のんちゃんの表情は益々堅くなった。


「失礼しますっ!」

「そんな力まなくても。」

「いや、だって哲夫さんの家だし…」


すると、哲夫は笑いながら言った。


「シホの家でもあるんだぞ。ツレん家に入るだけなのに、そんなカチカチになる必要ねぇよ。」

⏰:09/01/24 18:25 📱:SH901iC 🆔:JFMqBZYE


#649 [ゆーちん]
それを聞いたのんちゃんの表情は、少し緩んだ。


私も、緩んだ。


私の家でもあるんだって、この家。


それって、すごい嬉しい事だよね。


なんだか心がキュンとなる。


「それじゃあ、おっ…お邪魔します!」

⏰:09/01/24 18:26 📱:SH901iC 🆔:JFMqBZYE


#650 [ゆーちん]
「リラックスしてね?そんな緊張されてちゃ、私も緊張しちゃうよ。」

「あっ、うん。そうだよね。」

「何か飲む?」

「ううん、お構いなく!」

「…紅茶でいい?」

「あっ、うん。じゃあ紅茶で。」


どっちだよ、とツッコミたくなるほどだった。

⏰:09/01/24 18:27 📱:SH901iC 🆔:JFMqBZYE


#651 [ゆーちん]
いつものリラックスしたのんちゃんとは別人。


でもなんか、可愛かった。


のんちゃんのそういう性格、好きだな。


「哲夫は?」

「俺はいらなーい。ビール飲む。」

⏰:09/01/24 18:28 📱:SH901iC 🆔:JFMqBZYE


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