闇の中の光
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#725 [ゆーちん]
哲夫、康孝、のんちゃん、チームの女の子達。


萌子の携帯電話より、登録件数は少ないけど、とても純粋な携帯電話だって自分では思う。


「いいの?」

「負けたら電話して来い!ぶっ飛んでってやるから。」


哲夫の笑顔も、最高だ。

⏰:09/01/25 11:32 📱:SH901iC 🆔:PIdEEYAI


#726 [ゆーちん]
涙は見せない。


笑顔を見せるんだ。


「ありがと。」

「次に会う時は、汚い格好で寝転がってんじゃなくて、綺麗な格好で恋人同士として会おうな!」

「うん!」


もう、振り返る事はなかった。


あまり見覚えのない道を堂々と歩いてやった。

⏰:09/01/25 11:32 📱:SH901iC 🆔:PIdEEYAI


#727 [ゆーちん]
しばらく歩くと、すぐに見覚えのある道に出た。


足は自然と金河家に進む。


不思議と、人っこ一人出会わなかった。


目に映る、あの金河家。


吐き気がする。


そんな時は目を閉じて、笑顔を浮かべる。


のんちゃん、康孝、そして哲夫。

⏰:09/01/25 11:33 📱:SH901iC 🆔:PIdEEYAI


#728 [ゆーちん]
よし、行こう。


私は歩くスピードを変えずに、家まで一直線と進んだ。


地獄への扉の鍵は開いたまま。


勢いよく扉を開けて、叫んでやった。


「ただいま!」

⏰:09/01/25 11:34 📱:SH901iC 🆔:PIdEEYAI


#729 [ゆーちん]
▲▽▲▽▲▽▲

約束

▲▽▲▽▲▽▲

⏰:09/01/25 11:48 📱:SH901iC 🆔:PIdEEYAI


#730 [ゆーちん]
哲夫と過ごす季節は、いつだって寒い時だ。


11ヵ月ぶりの再会に、緊張などなかった。


ただただ気持ちが跳ね上がるだけ。


銀色だった頭は金色に戻り、1年前、死にきれなかった私を覗き込んだ哲夫を思い出させる。

⏰:09/01/25 11:49 📱:SH901iC 🆔:PIdEEYAI


#731 [ゆーちん]
11ヵ月前、私は戦った。


あの憎々しい親と。


もう殴られるのは懲り懲りだ。


私をストレス発散の道具にするな。


いらないなら私を施設に戻して。


涙を耐えながら訴えた。

⏰:09/01/25 11:49 📱:SH901iC 🆔:PIdEEYAI


#732 [ゆーちん]
私は変わった。


哲夫達のおかげで、生きたいと思うようになった。


けど、変わったのは私だけではなかったようだ。


父は仕事を見つけ、酒を控えては朝から夕方まで毎日働くようになっていた。


母も不倫は辞めたのか続けているのかはわからないけど、毎日家に帰って来る。

⏰:09/01/25 11:50 📱:SH901iC 🆔:PIdEEYAI


#733 [ゆーちん]
引き分けだと思った。


もう殴らない。


苦しめない。


萌子が必要だ。


確かにそう言った。


最初は信じられなかった。


口だけなら、何だって言える。


態度で表してもらうまで、警戒心はとけなかった。

⏰:09/01/25 11:51 📱:SH901iC 🆔:PIdEEYAI


#734 [ゆーちん]
母を信じてもいいのかもしれない、と思ったのは私が萌子に戻って1週間後の事だった。


冬休みがちょうど終わったので、私は康孝にクリーニングしてもらった制服を着て高校にまた通う事にした。

⏰:09/01/25 11:52 📱:SH901iC 🆔:PIdEEYAI


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