桃色ナミダ
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#9 [菜月]
男子は大抵、女子には興味があるって言う。

別に提言じゃあないと思うんだけど。

それなのに、今時そんな人が居るのか?

しかも、よりによって『カッコいい』って噂の人が…


「理由はよく分かんないけど、とにかく女子にはかなり冷たいらしいし…

あたしも、一時期狙ってたんだけどさ」

⏰:09/01/10 13:17 📱:W53S 🆔:C/qLbNJI


#10 [菜月]
そんな話を聞いたら、凄く興味を持ってしまう。

「ねぇ、SHRが終わったら見に行ってもいい?」

「えっ!?マジ?

…まぁ別にいいけど」
「本当?じゃあ、決まりね!」


あまり乗り気じゃなかった真湖には申し訳ないけど…

気になるものは気になる!

私は決心して、窓の外を見つめた。

⏰:09/01/10 13:21 📱:W53S 🆔:C/qLbNJI


#11 [菜月]
放課後、早速私と真湖は噂の『イケメン』が居る教室へと向かった。

やっぱりイケメンを見る前は胸が高鳴る。


─どんな人なんだろ?

私はその時、さっき真湖が言ってた『女嫌い』をすっかり忘れていた。

「ねぇ、もし気づかれたらどうすんの?

アイツ、女と目ぇ合うとめっちゃ機嫌悪くなるんだよ」

⏰:09/01/10 20:16 📱:W53S 🆔:C/qLbNJI


#12 [菜月]
─そうだった

そういえば、女嫌いなんだよね…

急にテンションが下がった私は、真湖を見て「すっかり忘れてた」と呟いた。

そうこうしているうちに、私達は隣のクラスに到着した(まぁ実際は、自分達のクラスの前で喋ってたんだけど)。

「うわぁ〜緊張する!」

⏰:09/01/10 20:20 📱:W53S 🆔:C/qLbNJI


#13 [菜月]
「多分席替えしてなければ、一番後ろの窓際の席だったんだけど…あっ!居た」

「えっ?どこ!?」


真湖が指を差しながら「そこそこ」と教えてくれた方を見ると

─ドキッ


案の定、惚れてしまったみたいです。

⏰:09/01/10 20:23 📱:W53S 🆔:C/qLbNJI


#14 [菜月]
少し茶色かかった髪に、切れ長の目。


それに適度に着崩した制服が、とても似合っていて


視線は微かに外を向いていた。


「本当、顔はカッコいいんだけどね…」


真湖が隣で、ため息混じりに言った声が聞こえたけど


私は、ずっと彼の事を見つめていた。

⏰:09/01/10 20:27 📱:W53S 🆔:C/qLbNJI


#15 [菜月]
これが私の恋の始まり





たとえ、実る可能性は少なくても





私は絶対に





彼のハートを奪ってみせる…!

⏰:09/01/10 20:28 📱:W53S 🆔:C/qLbNJI


#16 [菜月]
次の日から、私の猛アタックが始まった。


もちろん猛アタックと言っても、直接ではないんだけど。


まずは自分の事を見てもらおうと、髪を久しぶりに巻いてみた。


「へぇ〜結構似合ってるじゃん!」


真湖が私を見るなり、髪型を絶賛してくれた。

⏰:09/01/10 20:33 📱:W53S 🆔:C/qLbNJI


#17 [菜月]
でもやっぱり


彼は私を見るどころか


私の存在すら、気づいていない…と思う。


「クラス違うし、しょうがないって」


真湖が慰めてくれたけど、私はもちろん悲しかった。


やっぱり…無理だったのかな?


女子嫌いの男の子を振り向かせるなんてことは

⏰:09/01/10 20:41 📱:W53S 🆔:C/qLbNJI


#18 [菜月]
そんなある日。


この高校に来てから初めての行事があった。


それは…『体育祭』


この高校は、4月に球技大会があって


9月に体育祭があるというシステムらしい。


エリート校だから、勉強中心だと思ってたんだけど…


でも、何か楽しみだ。

⏰:09/01/10 20:46 📱:W53S 🆔:C/qLbNJI


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