桃色ナミダ
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#1 [菜月]
なんで、こんな人を好きになったんだろう…
でも何故か止められないんだ
頑張って書くので、よろしくお願いします☆
:09/01/10 08:47 :W53S :C/qLbNJI
#2 [菜月]
「今日からこのクラスに転入してきた、池宮優華(イケミヤユウカ)さんだ」
目の前に広がる珍しいモノを見るような視線。
そんな視線に怯えながら、私池宮優華は深々と頭を下げた。
高校2年の夏休み明け。
もちろん凄く不安だ。
:09/01/10 11:38 :W53S :C/qLbNJI
#3 [菜月]
前の高校では、学年1・2を争う位の成績を誇っていた。
でも親はその理由を『バカ高校だから』と言って、いつも誉めてはくれなかった。
そんなある日告げられたのは『転校』の2文字。
親は勝手に、私を県で一番の高校に編入させたのだ。
:09/01/10 12:53 :W53S :C/qLbNJI
#4 [菜月]
依然通っていたのは、中高一貫校。
私が高1の時までは、1番優秀だったこの学校も
去年出来たばかりのこの高校に、抜かされたみたいなのだ。
だから、先輩は居ない。
それは少し気楽でもあったんだけど。
:09/01/10 12:55 :W53S :C/qLbNJI
#5 [菜月]
「それでは池宮さんは、窓際から2列目の1番後ろの席にどうぞ」
先生に指示されて、私は少し早足で席に向かった。
「ねぇねぇ、可愛いね」
「えっ?」
突然話しかけられて、戸惑ったまま見ると
そこには、セミロングで少しギャルっぽい女の子が座っていた。
:09/01/10 12:59 :W53S :C/qLbNJI
#6 [菜月]
─こんなエリート高校に、こんなギャルい子も居るんだ…
そんな失礼な事を思いつつ、私は「そんなことないよ」と苦笑いしながら言った。
「あたし、桜木真湖(サクラギマコ)!このクラスで一番バカなんだ〜」
ガハガハと下品な笑い声で「よろしく〜」と叫んで、あたしの肩をバシバシ叩いた。
─何だか楽しくなりそうかも
真湖のお陰で、心なしかそう思えた。
:09/01/10 13:06 :W53S :C/qLbNJI
#7 [菜月]
真湖が私の前の席だったので、私達は担任の話も無視して夢中で話し続けた。
話によると、真湖は今片想いの彼が居るらしい。
その彼の話をしている時の真湖は、凄く可愛くて
恋っていいな〜と、改めて思った。
「そういえばさっ」
真湖が突然、思い出したようにポンっと手を叩いた。
「なに?」
:09/01/10 13:11 :W53S :C/qLbNJI
#8 [菜月]
「隣のクラスにね、めちゃくちゃカッコいいって噂の男子が居んの!」
「へぇ〜っ…どんな人なの?」
一応、彼氏いないし
カッコいい人の話には、すぐ飛び付く。
でも真湖は、少し表情を曇らせて言った。
「…ソイツ、女子が嫌いで最低なの!」
─女子が嫌い…?
:09/01/10 13:13 :W53S :C/qLbNJI
#9 [菜月]
男子は大抵、女子には興味があるって言う。
別に提言じゃあないと思うんだけど。
それなのに、今時そんな人が居るのか?
しかも、よりによって『カッコいい』って噂の人が…
「理由はよく分かんないけど、とにかく女子にはかなり冷たいらしいし…
あたしも、一時期狙ってたんだけどさ」
:09/01/10 13:17 :W53S :C/qLbNJI
#10 [菜月]
そんな話を聞いたら、凄く興味を持ってしまう。
「ねぇ、SHRが終わったら見に行ってもいい?」
「えっ!?マジ?
…まぁ別にいいけど」
「本当?じゃあ、決まりね!」
あまり乗り気じゃなかった真湖には申し訳ないけど…
気になるものは気になる!
私は決心して、窓の外を見つめた。
:09/01/10 13:21 :W53S :C/qLbNJI
#11 [菜月]
放課後、早速私と真湖は噂の『イケメン』が居る教室へと向かった。
やっぱりイケメンを見る前は胸が高鳴る。
─どんな人なんだろ?
私はその時、さっき真湖が言ってた『女嫌い』をすっかり忘れていた。
「ねぇ、もし気づかれたらどうすんの?
アイツ、女と目ぇ合うとめっちゃ機嫌悪くなるんだよ」
:09/01/10 20:16 :W53S :C/qLbNJI
#12 [菜月]
─そうだった
そういえば、女嫌いなんだよね…
急にテンションが下がった私は、真湖を見て「すっかり忘れてた」と呟いた。
そうこうしているうちに、私達は隣のクラスに到着した(まぁ実際は、自分達のクラスの前で喋ってたんだけど)。
「うわぁ〜緊張する!」
:09/01/10 20:20 :W53S :C/qLbNJI
#13 [菜月]
「多分席替えしてなければ、一番後ろの窓際の席だったんだけど…あっ!居た」
「えっ?どこ!?」
真湖が指を差しながら「そこそこ」と教えてくれた方を見ると
─ドキッ
案の定、惚れてしまったみたいです。
:09/01/10 20:23 :W53S :C/qLbNJI
#14 [菜月]
少し茶色かかった髪に、切れ長の目。
それに適度に着崩した制服が、とても似合っていて
視線は微かに外を向いていた。
「本当、顔はカッコいいんだけどね…」
真湖が隣で、ため息混じりに言った声が聞こえたけど
私は、ずっと彼の事を見つめていた。
:09/01/10 20:27 :W53S :C/qLbNJI
#15 [菜月]
これが私の恋の始まり
たとえ、実る可能性は少なくても
私は絶対に
彼のハートを奪ってみせる…!
:09/01/10 20:28 :W53S :C/qLbNJI
#16 [菜月]
次の日から、私の猛アタックが始まった。
もちろん猛アタックと言っても、直接ではないんだけど。
まずは自分の事を見てもらおうと、髪を久しぶりに巻いてみた。
「へぇ〜結構似合ってるじゃん!」
真湖が私を見るなり、髪型を絶賛してくれた。
:09/01/10 20:33 :W53S :C/qLbNJI
#17 [菜月]
でもやっぱり
彼は私を見るどころか
私の存在すら、気づいていない…と思う。
「クラス違うし、しょうがないって」
真湖が慰めてくれたけど、私はもちろん悲しかった。
やっぱり…無理だったのかな?
女子嫌いの男の子を振り向かせるなんてことは
:09/01/10 20:41 :W53S :C/qLbNJI
#18 [菜月]
そんなある日。
この高校に来てから初めての行事があった。
それは…『体育祭』
この高校は、4月に球技大会があって
9月に体育祭があるというシステムらしい。
エリート校だから、勉強中心だと思ってたんだけど…
でも、何か楽しみだ。
:09/01/10 20:46 :W53S :C/qLbNJI
#19 [菜月]
「優華〜!リレーの選手、練習あるって」
真湖に呼ばれ、私はハチマキを締めていた手を一瞬止めた。
「そっか、分かった!」
この前の体育の授業で、私は結構速いタイムをたたき出してしまったみたいで
私は、ちゃっかりリレーの選手に選ばれてしまった。
:09/01/10 20:51 :W53S :C/qLbNJI
#20 [菜月]
リレーの選手は、男女各5人ずつの10人。
私はちょうど真ん中辺りの、5番目を走る事になった。
「トップバッター、しっかり走れよ!」
「分かってるって!てか、アンタもアンカーちゃんと走れよっ」
校庭に着くなり、真湖とアンカーを走る運動万能の高森君がバトンで叩き合いをしているのが目に入った。
:09/01/10 20:58 :W53S :C/qLbNJI
#21 [菜月]
もしかして真湖の好きな人って、高森君?
私は、真湖の様子を見て何となく察した。
確かに高森君は、クラスでは1番人気あるし
性格もいいし、クラスの中でも上位の成績を誇ってるって聞いた事がある。
─何かあの2人、似合うかも…
私はクスクスと笑みを浮かべながら、2人の様子を見つめていた。
:09/01/10 21:02 :W53S :C/qLbNJI
#22 [菜月]
だけど
そんな感情と同時に
真湖が凄く羨ましくなった。
好きな人と、あんなに楽しそうに話せて
それに…
あんなに近くにいる
私は
話すどころか
まだ顔も知られてない…
こんな想いするくらいなら
好きにならなければ良かったのに─
:09/01/11 10:48 :W53S :vOKuJv8g
#23 [菜月]
ポロッ
ふいに頬を何かがつたった気がした。
いや、泣いてるんだ
私…
「ちょ、ちょっと優華どうしたの!?」
さっきまであんなに楽しそうに笑っていた真湖が、心配そうに私の顔を覗き込んでいた。
:09/01/11 10:52 :W53S :vOKuJv8g
#24 [菜月]
「え、いや…なんでもないよ」
「そういう風には見えなかったんだけど!
後から聞かせてもらうからねっ」
真湖はそう言って、真剣な表情をすると
再び、高森君の所へ走って行った。
「真湖……」
本当にゴメンね。
私、やっぱり弱いよ。
:09/01/11 10:54 :W53S :vOKuJv8g
#25 [菜月]
体育祭当日─
あの後、真湖に全部話し
少し気持ちが楽になった。
それに、真湖も高森君のことを教えてくれて
私達はお互いに、協力し合うことに決めた。
「優華〜」
ジャージのTシャツの袖を、肩まで捲り上げながら真湖が私を呼んだ。
:09/01/11 10:57 :W53S :vOKuJv8g
#26 [菜月]
「なに?」
「二人三脚で、高森と走ってるとこ
ちゃんとカメラに納めといてよ!」
「え〜っ、ちょっと担任とかに見つかったらどうすんの!
カメラ没収されるって」
「大丈夫!担任結構鈍いからさっ」
:09/01/11 11:00 :W53S :vOKuJv8g
#27 [菜月]
真湖は本当に、純粋な心を持った子だね。
第一印象は『ギャルい』だったけどさ
女の子って、本当恋すると可愛くなるよ。
「じゃっ、よろしく☆」
真湖はそう言ってカメラを手渡すと、ヒラヒラ手を振って何処かに走って行った。
:09/01/11 11:02 :W53S :vOKuJv8g
#28 [わをん◇◇]
↑(*゚∀゚*)↑(∩゚∀゚)∩age
:23/01/01 20:43 :Android :2rUS2lJ.
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