WHITE★CANDY
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#131 [ぎぶそん]
職員室がある一階まで、階段を降りている時だった。
「あっ…。」
ある光景が目に入ったので、ふと立ち止まった。
「どうかした、雨宮さん?」
秀先輩と女の先輩が、こちらとは反対に、階段を上ってきていた。
:09/01/22 15:27
:SH705i
:NxZoRz9Q
#132 [ぎぶそん]
数秒して、秀先輩もこちらに気づいた。
「おう、雨宮!
最近よく会うな!」
先輩が手の平で礼のポーズをしながら、いつもと変わらない笑顔を見せる。
隣の女の人は、さっきまで楽しそうな顔をしていたが、先輩がこちらに挨拶を始めた途端、無表情になった。
この女の先輩、見たことがある。
確か、副生徒会長の人―
:09/01/22 15:38
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#133 [ぎぶそん]
「…あの二人、デキてるって噂、本当かなー。
生徒会カップルって奴かぁ!」
二人とすれ違った所で、ますちゃんが隣でひそひそと話す。
「女の人の名前、何だっけ?」
「本条まどか先輩!
優等生っぽいよね。」
本条先輩。
一瞬、私を睨んだのは気のせいではない気がする。
二人の関係は知らないけれど、彼女は秀先輩のこと、好きなんだろうな―
:09/01/22 15:53
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#134 [ぎぶそん]
「…雨宮さんが最近、恋愛についてやたら知ろうとしてるのは、もしかしてあの生徒会長さんが気になるとか?」
「へっ?」
私より身長が低いますちゃんが、訝しい目つきでこっちを見上げながら、私に問いただす。
「…あの人のこと、好きなの?」
:09/01/22 16:03
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#135 [ぎぶそん]
「…違うよ、ますちゃん。」
私はその場で、ピタリと立ち止まった。
「え?」
彼のくりくりとした丸い目が、更に大きく丸みを帯びる。
「私、さっきヤキモチを妬かなかった。」
いつもそう。
秀先輩が、他の女の人と一緒にいても話してても、私は特に何も感情を抱かない。
:09/01/22 16:11
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#136 [ぎぶそん]
秀先輩は、素敵な人だと思う。
笑顔は似合うし、体全体からいつも誠実さが滲み出てていて、悪い噂は一つも聞かない。
恋人にするなら、文句なしの相手だと思う。
でも…、だからと言って、それが「恋」に対する「好き」と繋がるとは限らないんだね―
:09/01/22 17:18
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#137 [ぎぶそん]
夜になって、家でテレビを観ながら、父の帰りを待っていた。
今日の夕飯は私の担当だけど、父からメールで「何もしなくていい」という指示を受けた。
8時過ぎ頃、ドアの開く音が聞こえた。
「よーし、今日はラーメンでも食べに行くかー。」
ネクタイを緩めながら、父が言う。
「うん。」
月に二度は、こうして外食をすることがある。
:09/01/22 17:58
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#138 [ぎぶそん]
父と歩いて、近所にある小さなラーメン屋さんに向かう。
「おっ!城くんに真希ちゃん、久しいね!」
店に入ると、顔なじみである店長の保(たもつ)おじさんが、暖かく私たちを迎える。
店自体はこじんまりとしているが、ラーメンの味や店内のアットホームな感じが、会社員や中高年の人たちに好評で、常連客が後を絶えない。
私も、小さい時からよく父にここに連れて来てもらっていた。
:09/01/22 18:09
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#139 [ぎぶそん]
「真希ちゃん、大きくなる度に、べっぴんさんになっていくねぇ!
うちのせがれの、嫁さんにならんかい!?」
カウンター越しに、ラーメンを作る保おじさんと冗談混じりの話をする。
「真希は父さんと結婚するんだよな!?」
横から割り込む父。
「…気持ち悪い…。」
「…!!ちっちゃい頃はよく言ってくれてたのに…。」
:09/01/22 20:07
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#140 [ぎぶそん]
「ハハハ。城くんの親バカぶりには敵いませんなぁ!」
ゲラゲラと笑いながら、保おじさんが私たちの前に、二人分のラーメンを出す。
「でも真希ちゃん、俺は城くんは、立派な父親だと思うぞぉ!?
仕事と家庭を両立させて、真希ちゃんをここまで大きく育て上げたんだから!」
「うん…。」
保おじさんの言葉に何も返さず、父はただひたすら麺を啜っていた。
:09/01/22 21:17
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