WHITE★CANDY
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#172 [Gibson]
髪は耳に掛けられるほどの長さで、艶がいい。
睫毛も長くて、女の子みたいだ。
彼のファンだと総称している子たちは、陰で彼を「王子」と呼んでいるとか。
今こんなに至近距離で、私が彼の眠りを見届けていると知ったら、彼女たち、どう思うかな。
:09/01/24 16:19
:SH705i
:rMw4yosg
#173 [Gibson]
トクン、トクン、トクン―
自分の心臓が、熱を増して徐にリズムを奏でる。
全身の怠さなら、二度ほどの睡眠で十分なくなっている。
何だろう、この感じ―
優平、今日はわざわざ私の為に来てくれて、ありがとう。
目を閉じた彼に、微笑みを返した。
:09/01/24 16:36
:SH705i
:rMw4yosg
#174 [Gibson]
ピクリとも動かない彼を、まじまじと目を動かして観察する私。
ドサッ。
その途中、大きな物音がしたので、不意を突かれたと同時に、音のする方向に目を向けた。
そこには、慌ただしく血相を変えた父の姿が。
彼の真下には、スーパーの袋が落ちている。
「高校生での男女不純交際禁止ー!!」
:09/01/24 16:50
:SH705i
:rMw4yosg
#175 [Gibson]
父の大声で、優平も何事かと飛び起きた。
その後、二人で事の経緯を説明する。
「ごめんごめん。君が桜井くんか。話なら真希からよく聞いているよ。」
彼の存在が分かると、すぐに落ち着きを取り戻した父。
この楽観的な性格が、少し羨ましい。
「すみません、見舞いのつもりが、いつの間にか寝てしまって…。」
:09/01/24 17:51
:SH705i
:rMw4yosg
#176 [Gibson]
「お父さん、真希のお母さんに挨拶してもいいですか?」
「ん!?おう。」
父が彼を、母の仏壇がある、和室へと案内する。
私も、二人の後ろを着いて歩く。
和室に入ると、仏壇の前で正座をし、深々と一礼をする優平。
お母さん、私にはこの人がいるから大丈夫だよ―
成長しきった男の子の背中を、ずっと見ていた。
:09/01/24 18:24
:SH705i
:rMw4yosg
#177 [Gibson]
次の日になると体温も平熱を取り戻し、通常どおり学校に通う。
「…日本史の教科書忘れた…。」
休み時間に次の授業の準備をしていると、忘れ物をしていることに気づいた。
元基に借りるか、と思ったが、確か彼のクラスは地歴科目は世界史コースだ。
優平の所は日本史コースだったことを思い出し、少しクラスが離れているが、彼から借りることにした。
:09/01/24 18:42
:SH705i
:rMw4yosg
#178 [Gibson]
違うクラスを訪ねる時は、いつも入りづらい空気が漂ってる気がする。
開いているドアから、教室内を覗いてみる。
席に座っている優平が、彼の元に来た女の子に、勉強を教えていた。
「…。」
「あ、真希!
もう熱下がったか?」
私の気配に気づくと、彼がいつもの笑顔で声をかけてきた。
:09/01/24 18:54
:SH705i
:rMw4yosg
#179 [Gibson]
「あっ、竹下さん!
日本史の教科書持ってる?」
優平を無視し、たまたま近くを通りがかった竹下さんの元に行った。
何やってるんだろう、私…―
予定とは異なり、教科書は竹下さんから借りることになった。
:09/01/24 21:30
:SH705i
:rMw4yosg
#180 [Gibson]
次の授業が始まり、教壇に立つ先生が、頭の血管が切れそうな位、熱く生徒たちに教える。
その言葉も上の空で、先程の自分の行動を思い返す。
優平に悪いことをしてしまった、という気持ちの他に、言葉に表せない何かがある。
昨日から、彼の安心しきった寝顔が焼きついたままだ。
昨日の彼の訪問は、少なくとも私にとって、特別な時間と呼べていた。
:09/01/24 22:23
:SH705i
:rMw4yosg
#181 [Gibson]
昼食時間、弁当を食べながら、エリにこの胸のわだかまりを打ち明けてみることにした。
「ま、真希…!それって…!」
目を大きく見開き、あんぐりとした口で固まったままのエリ。
「何!?何なの?」と、私は話の続きを催促した。
「ううん、何でもない!
まあ、答えはいつも自分の中にあるから!」
私の気持ちとは裏腹に、彼女は言葉を濁した。
:09/01/24 22:49
:SH705i
:rMw4yosg
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