WHITE★CANDY
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#661 [ぎぶそん]
どういう意味?、と彼女の笑みに私は聞き返す。
「あなたに関する情報やデータは、私の電子頭脳の中で全てインプットされているんですよ。
ですから、あなたがこの質問にどう切り返してくるのかも、既に予想出来ていたのです」
私は彼女の思いのままに動いた自分を想像して笑ってしまった。
「因みに、全員がゲームオーバーになった時の個々の優れた能力を奪うっていうのは、あなた方のやる気を損ねないようにと作られた真っ赤な嘘です。
結果、あなた方を試すような形になってしまいました。申し訳ありません」
:09/10/10 20:20
:SH705i
:ZzNcONIA
#662 [ぎぶそん]
アイリーンが指を鳴らす。
すると、右方向からドア状の形をしたまばゆい光が射し込んできた。
「さあ、ミス・マキ。
あちらに見えるゲートを潜ると、現実世界へと続く道が続いています。
最後に、このゲームは如何でしたか?楽しめました?」
「そうね…現実世界があの世界だったら嫌だけれど、人生と同じようにリセットが許されないから、凄くやり甲斐があったわ。
有意義な時間をありがとう」
「…。」
そこから、アイリーンは何も言わずただこっちを見ていた。
:09/10/10 20:29
:SH705i
:ZzNcONIA
#663 [ぎぶそん]
光に向かって、ゆっくりと歩き出す。
様々な思い巡らせながら、一歩、二歩と吸い込まれるようにして光の中に入っていく。
この扉を越えれば、エリ、元基、優平が私の一報を待っている。
現実世界に戻れば、自宅で父や東吾兄が私の帰りを待っている。
ねぇ、人生という名の世界一危険なゲーム。
皆となら、生きていける気がするよ。
Chapter07 END.―
:09/10/10 20:37
:SH705i
:ZzNcONIA
#664 [ぎぶそん]
Chapter08 「文化祭とアイドル」
:10/10/31 03:56
:SH705i
:mIn5D1WA
#665 [ぎぶそん]
秋の肌寒い風が冬が目前だということを知らせる頃。
私は商店街にある本屋に入り、しばらく立ち読みをしていた。
「あの…すみません」
店から出て間もなく、見知らぬ小太りの中年男性に声を掛けられる。
ワイシャツにジャージズボンといった、一風変わった風貌だ。
「もしかして、『戦場ガールズ』の梅原春佳さんじゃないですか?」
男性が首からぶら下げてある一眼レフカメラをちらつかせる。
:10/10/31 04:03
:SH705i
:mIn5D1WA
#666 [ぎぶそん]
―またこの質問か。
「いえ、違います」
私が顔色一つ変えずに否定すると、男性は早々と立ち去った。
中高生を筆頭に、絶大な人気を誇る女性アイドルグループ「戦場ガールズ」。
テレビで彼女らを観ない日はないといっても過言ではない。
音楽業界にも不況が漂う中、先月彼女たちのリリース曲がミリオンを達成した。
今まさに飛ぶ鳥を落とす勢いだ。
:10/10/31 04:10
:SH705i
:mIn5D1WA
#667 [ぎぶそん]
その影響からか、私自身も梅原春佳という一人のメンバーに見間違わられることが多くなった。
さっきのような出来事は、今月に入ってからも3回目である。
学校でも噂を嗅ぎ付けた他のクラスの男子が、わざわざ私を見に来たこともあった。
エリ曰く、長身でロングヘアな外見と、年の割に妙に落ち着いた雰囲気が酷似しているらしい。
因みに、梅原春佳はグループ内ではナンバー3の人気とか。
バラエティー番組でも大人しくて静かに笑う所が、男性からの支持を集めているらしい(エリ談)。
:10/10/31 04:22
:SH705i
:mIn5D1WA
#668 [ぎぶそん]
かく言う私も、「戦場ガールズ」のことは好きで応援している部分がある。
アイドルと言えばかわいらしい衣装を纏い、かわいらしい歌を歌うのがデフォルメだが、この「戦場ガールズ」は少し違う。
軍服をモチーフにした衣装に、クールな歌とダンス。
今までのアイドルのイメージを真っ向から変えたのが、逆に受けた。
長い下積み時代を乗り越え、ようやく花が咲いた彼女たち。
目には見えぬ努力もあってか、今の彼女たちはとても輝いている。
:10/10/31 04:34
:SH705i
:mIn5D1WA
#669 [ぎぶそん]
「先週のミュージックサブウェイ観たぁ?
戦ガー超かっこよかったねぇ!」
週の初めの昼休みに、いつもの4人でベランダに集まる。
ファンの間では、戦場ガールズは「戦ガー」の愛称で親しまれている。
「真希に似た春佳ちゃんもいいけど、エリはのセンターの優奈ちゃんが一番好きかな!」
「えー俺は、15歳の麻由子ちゃんかなぁ。
エリと違っておしとやかそうだし」
「なんですってぇー!」と憤慨したエリが、元基を何度も叩く。
:10/10/31 04:47
:SH705i
:mIn5D1WA
#670 [ぎぶそん]
「優平は?メンバーの中で誰がいい?」
今度は優平に話を向けるエリ。
―…ドキ。
一瞬凍り付く、私の身体。
意中の彼の好みが聞きたいような、聞きたくないような…。
「ごめん、俺普段テレビあんまり観ないから分からないわ」
優平が詫びるようにして言う。
「ああでも、真希に似てる梅原っていう子は、可愛いと…思う…よ」
と、彼は鼻を掻きながら話を付け加えた。
:10/10/31 04:56
:SH705i
:mIn5D1WA
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