WHITE★CANDY
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#211 [Gibson]
放課後、私は東吾兄を学校近くの商店街に呼び出した。
スーパーの買い物に付き合ってほしいという用件だ。
今日は月に数回ある、大安売りの日。
店内は、いつもより多い買い物客で賑わう。
「お一人様一個でーす!」
特売の卵のパックを得る為、列に並ぶ私と東吾兄。
:09/01/26 22:28
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:keS1jVx2
#212 [Gibson]
「マキロン、あの苺なんかどう?」
カートを動かしながら、東吾兄が私に値段の品定めを求める。
「あー、ダメダメ。
隣町の八百屋さんで、200円で売ってる。」
「ハハハ、何か主婦みてぇ!」
誰かと話しながら、買い物をするのも悪くないな、と少し思った。
:09/01/26 22:37
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#213 [Gibson]
「荷物、ありがと。」
「いーえ!」
スーパーで購入したものを、東吾兄が一人で持ってくれた。
キャベツなどの野菜が入って重量感のある袋と、卵やドレッシングなど慎重に扱わねばならぬ袋をそれぞれ片方ずつ。
「今日の夕飯カレーっけ?
一緒に手伝う!」
「うんっ。」
:09/01/27 12:40
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#214 [Gibson]
「なぁ、知ってる?
現世で出会ってる人間は、前世でも出会ってたっていう話。」
「へぇ、初耳。」
「俺はその話、ホントだと思ってる!
それで、前世では俺とマキロンは本当の兄妹だったんだ!」
彼があまりに真面目に話すので、思わずアハハ、と声に出して笑ってしまった。
前世か。
全く見当もつかないけど、前世でもお父さんや優平たちに会っていて欲しいな―
:09/01/27 12:53
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#215 [Gibson]
帰宅してから早速、二人で台所に立つ。
自炊をする機会がほとんどなかったからか、腕まくりをし、張り切る東吾兄。
私が野菜を洗って、それを皮を剥いて切るのを彼に任せた。
包丁を持つ手がおっかなくて、横目で視線をちらつかせながら少しハラハラした。
:09/01/27 17:12
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#216 [Gibson]
これまで特に、一人っ子で不満や不自由をした覚えではないけれど、兄弟がいれば、またそれはそれで違うのだろうな、と認識した。
東吾兄は、父や優平たちとはまた別の、喜びや楽しみを、私に与えてくれる。
まだ出会って間もない私たちだけれど、距離はぐんぐんと縮まってる。
彼はどこかせわしない人だけれど、いなくなる時のことはあまり考えたくない。
:09/01/27 17:27
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#217 [Gibson]
「へぇ!二人で作ったのか!」
いつもの時間帯に帰ってきた父に、東吾兄がカレーをよそった皿を差し出し、サラダを手際よく小皿に取り分ける。
東吾兄が主に切った、不揃いな具たちを、あどけない表情でパクパクと食べる父。
実の娘からしても、父は他人にひどくは嫌われない性格だろうなと感じた。
:09/01/27 17:39
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#218 [Gibson]
夕飯を済ませた後、リビングのソファーの上で本を読み、ゆっくりと時間を過ごしていると、
風呂上がりの東吾兄が濡れた髪をワシャワシャとタオルで乾かしながら、私の隣に座った。
「マキロン、今度の日曜ヒマ?」
「別に、何も用ないけど。」
背表紙を上にして本を腿に置き、考える間もなく返答した。
:09/01/27 20:14
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#219 [Gibson]
「良かったら、俺の大学に遊びに来ない?
サークルに連れて行ってやるよ!」
幼さも残る目の前の彼は、一応自分より二歳年上。
高校卒業後の進路はまだ暗中模索の段階だが、とりあえず大学進学も配慮している。
未知で無知である大学という所の知識を得る、いい機会になるかも知れない。
「行く。」と、熱気も覇気もない一言を告げた。
:09/01/27 20:20
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#220 [Gibson]
そして日曜日。
目覚まし時計の軽快なリズムと共に、目を覚ます。
勢いよく、スイッチを止める。
そういえばこの青紫色のシンプルな時計も、かれこれ小学校六年頃から使用している。
物持ちがいいのか、はたまた普通であるのか。
とりあえず、愛着はほのかに感じている。
:09/01/27 21:16
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