WHITE★CANDY
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#222 [Gibson]
昨夜取り出しておいた、クローゼットの奥に眠っていた洋服を手に取る。
丁度一年前買い物に出掛けた時、エリが私に似合いそうと言って、選んでくれた花柄のワンピース。
シャツにジーンズというラフな格好に慣れているから、なかなか手をつけずにいた。
意を決して、今日の服装はこれにする。
:09/01/27 23:06
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#223 [Gibson]
小学校の時、高校生という身分は随分大人に見えていた。
そして高校生になった今、数歳年上の大学生らが、すごく大人に見える。
今日は大学に行く。
今日はちょっと大人な世界を覗きに行くのだ。
その意識から、少し背伸びをしたくなった。
そして、東吾兄の面目を潰さないためにも、おかしな格好は出来ない。
「一つ屋根の下で、あんな子と一緒で可哀相」なんて噂されたら、それこそ可哀相だ。
:09/01/27 23:17
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#224 [Gibson]
ワンピースを着た自分を、鏡で見てみる。
自分が女として生まれてきたことを、再確認する。
次に、日頃あまりしない化粧をしようか迷う。
。
パスしようと思った時、優平の異性のタイプというものが、ふと気になった。
化粧はきちんとする子の方が好みなのだろうか。
彼を取り巻く女の子たちは、学校でも抜かりなく化粧をして来ている。
部屋にある数少ない化粧道具を見て、美意識の低さを見直したくなった。
:09/01/28 18:58
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#225 [Gibson]
午後2時、東吾兄と共に家を出る。
出る際に、「今日の夕飯はざるそば」と、リビングにいる父が私たちに告げた。
東吾兄に「今日は女っぽいね」と、第一声に誉め言葉を貰った。
私の顔は、久しぶりに化粧で装飾されている。
睫毛をカールして、マスカラを塗って、眉毛を描いて、リップクリームを塗って完成。
今日の帰りに、ファッション雑誌を買って練習しようと思った。
:09/01/28 19:15
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#226 [Gibson]
「よし、行くぞ!」
東吾兄が私を自転車の後ろに乗せ、若干左右のバランスを崩しながら漕ぎ出す。
私たちの住む家から大学まで、自転車でおよそ15分くらいの距離らしい。
彼は、それを毎日と往復している。
家からすぐした距離にある下り坂を、彼がブレーキを掛けながら、程よいスピードで走る。
自転車が生み出す向かい風が、実に爽快だった。
:09/01/28 19:24
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#227 [Gibson]
大通りに出て、そのまま一直線に漕ぎ続ける。
自動車が元気よく吐き出す排気ガスに、今日はむせ返る暇もない。
早送りしたかのように過ぎ去る景色の中に、新店舗のコンビニや老舗の饅頭屋さんを見つけた。
今日も地球は回り続けている。
:09/01/28 20:55
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#228 [Gibson]
十字路信号を渡り、途中で道を右に曲がった。
「ほら、あそこ。」と東吾兄が言う先に、門に囲まれている建物が見えてきた。
これが東吾兄の通う大学か、が率直な意見だった。
高校に比べて、遥かに広い。
今の学校がこれくらいの規模だったら、エリたちと親しくなれた自信はない。
:09/01/28 21:05
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#229 [Gibson]
東吾兄が現在在籍しているここは、宗教大学であるらしい。
一番に目につく大きな建物は、西洋を意識したレンガ作りの外観で、洒落た感じであった。
駐輪場に着き自転車を降りると、そこで改めて大学に着地する。
休日だというのに、学生の姿が結構見える。
私たちと同じように、きっとサークル通いなのだろう。
高校生でいう所の部活か。
中身はさほど変わりないのに、大学に制服がない部分が、より自由な感じを強調させる。
:09/01/28 21:23
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#230 [Gibson]
東吾兄を一歩前に、彼の歩くまま歩き続ける。
慣れた雰囲気で大学を歩く彼が、少しだけたくましく見える。
私たちが向かった先は、大学内の主な建物からは離れた、二階建てのこじんまりとした建物だった。
白い壁にはこの大学の印象にそぐわない、汚れやひびが無数にあった。
階段を上がり、東吾兄がドアを開けっ放しにしている部屋を覗き込む。
「お疲れーッス!」
:09/01/28 21:36
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#231 [Gibson]
「うぃーす、東吾ちん。」
中から、男の人の低い声が聞こえた。
丁度、東吾兄の背中で四角になっていて、何も見えない。
「あ、この子、俺が今居候させてもらってるとこの娘さん!
大学見学兼ねて連れてきた!」
室内の人と一先ず挨拶を交わし終えた所で、東吾兄が私の両肩を抱き、部屋の前に立たせた。
:09/01/28 21:43
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