WHITE★CANDY
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#233 [Gibson]
中にいた男の人たちが、こぞってドアの前に集まる。

「おい古沢!
彼女に変なことはしてねーだろうな?」

「あ、大丈夫!
それは親父の信用問題に関わるから!」

ずっと俯き加減の私。
男性たちが、私を見ている気配はしている。

⏰:09/01/29 14:30 📱:SH705i 🆔:ejtZkG3Y


#234 [Gibson]
「よし、皆揃った所で練習しますか!」

雑談を少々交わした所で、一番背の高い男の人が穏やかにまとめる。

その人の言葉と共に、男性陣がぞろぞろと移動し始めた。
活動場所は、今いた部屋ではないようだ。

気がつけば、東吾兄が何のサークルに入ってるか聞いてなかった。

まあとりあえず、着いていけばすぐに判明することだ。

⏰:09/01/29 17:52 📱:SH705i 🆔:ejtZkG3Y


#235 [Gibson]
男性陣が、一番隅の部屋に入る。

部屋の風景が視界いっぱいに広がった時、ドラムセットがどっしりと構えていた。

床には黒いコードが何本も敷かれており、機材のようなものが幾つも置かれている。

音楽サークル…―
一目見て分かるこの雰囲気。

東吾兄がバンドか。
しっくりくると言えば、そうとも言える。

彼のイメージは、いつも頭の中でメロディーが流れてる感じだったから。

⏰:09/01/29 18:13 📱:SH705i 🆔:ejtZkG3Y


#236 [Gibson]
東吾兄が、ドラムセットの椅子に悠長に座った。
彼の担当はドラムか。

続いて、一番背の高い藤野さんという人が、部屋にケースからベースを取り出す。

帽子の被っている坂田さんと、明るい茶髪の佐々木さんという人は、それぞれギターを肩にかけた。

各パートが、取り留めのないが如く形をつくる。

⏰:09/01/29 18:21 📱:SH705i 🆔:ejtZkG3Y


#237 [Gibson]
「ああ、俺ら練習し始めたばっかで、全然上手くないからね!」

佐々木さんが顔をクシャッとさせて、謙遜の言葉を述べる。

その言葉の後、4人が息を揃えるように静まる。
アイコンタクトだけで、それぞれ会話をする。

「…行くよ!ワン・ツー・1・2・3!」

東吾兄が、ドラムスティックを叩いて拍子を取った。

その合図と同時に、彼らの演奏が始まった。

⏰:09/01/29 18:33 📱:SH705i 🆔:ejtZkG3Y


#238 [Gibson]
街中やテレビで、よく耳にするイントロが流れる。
中高生を中心に人気の火が着いた、若手ロックバンドの曲だ。

佐々木さんがギターを弾きながら、ボーカルを同時にこなす。

本来のボーカリストと、声の質が似てる気がした。

部屋の奥の東吾兄が、軽快にドラムを叩き続ける。
いつもより、3割増しでかっこよく見える。

⏰:09/01/29 18:46 📱:SH705i 🆔:ejtZkG3Y


#239 [Gibson]
藤野さんが落ち着いた様子でベースを弾き、坂田さんが全身でリズムを取りながらギターを弾く。

佐々木さんが歌う歌詞の意味を理解しながら、彼らの演奏を聴く。

演奏が下手だとか幼稚だとかは、微塵にも感じなかった。

彼らはまだ全員一年生。
バンドを組んで間もないだろう。

しかし、チームワークの良さと熱い気迫が、奏でる旋律と共に、こちらにも伝わってくる。

⏰:09/01/29 18:55 📱:SH705i 🆔:ejtZkG3Y


#240 [Gibson]
一曲目が終わると、音を立てずに拍手をする私。

「ワリー、最後のサビの所、ちょいリズムがズレてた。」

「はーっ、ムズイな!」

落ち着く暇もなく、メンバーがそれぞれ、自分たちの反省点や課題となる部分をこぼす。

自由気ままなサークルとはいえ、皆技術の向上を目指している。

途中で、東吾兄と目が合った。

「…なぁ、ちょっとマキロンにボーカルやらせてみないか!?」

彼が名案を思いついたかのような顔をして、突然こんなことを口にした。

⏰:09/01/29 22:19 📱:SH705i 🆔:ejtZkG3Y


#241 [Gibson]
「えっ…。」

私は焦った。
カラオケには全く行ったことがないし、人前で歌った経験もない。

「おっ、いいね!やってみる?」

「曲何にする?有名所が無難よね?」

「雨宮ちゃん、スパイラルの『カタツムリ』分かる?」

私の気持ちとは反対に、どんどんと話が進められていく。
さっき、東吾兄が少しでもかっこよく見えたこと、直ちに撤回。

⏰:09/01/29 22:33 📱:SH705i 🆔:ejtZkG3Y


#242 [Gibson]
「2番が少し曖昧…。」

皆の勢いに釣られて、正直に答える私。
全然分からないと、嘘をつけば良かったと思った所で遅かった。

「はい、これ見ながら歌ってみて!」

佐々木さんが、私に歌詞カードのコピーを渡す。

その次に、彼の代わりにスタンドマイクの前に立たされ、彼が室内にある脚立イスに座った。

もう歌うしかないのか…―

トホホと嘆く気持ちと、一曲約5分、300秒を取りあえず耐えればいいだけかと、軽い気持ちで取り組むことにした。

⏰:09/01/29 22:43 📱:SH705i 🆔:ejtZkG3Y


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