WHITE★CANDY
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#270 [Gibson]
「…!」
咄嗟に彼の方に目を向ける。
彼は私の方を見ていない。
「あー!否定しないってことは、そうなんだねー!」
女の人が、声高らかに言う。
「残念!後でアドレス聞こうと思ってたのに。」
隣にいる男の人が、冗談でくやしがるポーズをした。
:09/02/01 20:49
:SH705i
:sK5ROudg
#271 [Gibson]
周りが別の話になった所で、彼が手を離す。
優平…?―
結局、周りからは私たちは交際しているということになった。
これで良かったのだろうか?
彼は嫌に思わないのだろうか?
その後、そのことを気に止めながらも、料理に手をつけた。
美味と無味が混ざったものとなった。
:09/02/02 14:18
:SH705i
:n9zyNbiU
#272 [Gibson]
数日後、私は再び東吾兄と買い物をする為、スーパーへと出かけた。
「…苺が100円!
食べたかったら買うよ。」
「よっしゃ!いる!」
喜んで苺のパックを手に取り、素早くカゴの中に入れる東吾兄。
それを見て、クスクスと笑う私。
:09/02/02 14:29
:SH705i
:n9zyNbiU
#273 [Gibson]
買い物を済ませて、この間と同じ道を歩きながら、家まで戻る。
「マキロン、見てみて!
空の色が二色がある!」
「…本当だ。」
彼の言うとおり空を見上げてみると、水色と橙色が半分ずつ、空で仲良く分け合っていた。
昼から夕方へと変化する時に見える、不思議で綺麗な現象。
:09/02/02 14:37
:SH705i
:n9zyNbiU
#274 [Gibson]
「…東吾兄は私に、たくさんの新しい発見を与えてくれるね。」
「へ!?そうなの!?自覚ないけど…。
うっとうしい奴でごめんな!」
私は彼の目を見て、静かに首を横に振った。
この空も、一日限りのライブの参加も、そして東吾兄と暮らす毎日の生活も、
生きる為に必要な、喜びと幸せで溢れているよ―
:09/02/02 14:44
:SH705i
:n9zyNbiU
#275 [Gibson]
彼の言うように、私たちは前世でも深い関わりがあったのかも知れない。
ねぇ、お母さん。
今度また生まれてくる時も、私はお母さんの子供がいいと思っているよ。
その時もし、私と東吾兄を本当の兄妹として生んでくれたら…心が歓迎するかも知れない。
こんなこと、恥ずかしくて、隣の彼には言えないや。
相対する二色が織り交ざる空に、願いを込める。
二人で帰るべき場所へと、ゆっくりと歩き続けた。
Chapter03 END.―
:09/02/02 14:56
:SH705i
:n9zyNbiU
#276 [Gibson]
*本当はまだまだ話が続くのですが、ここで一旦ストップとさせて頂きますm(__)m

続きは必ずまた書きます!(^_^)

お付き合いして下さった全ての方、本当に有り難うございました(T_T)
:09/02/02 15:00
:SH705i
:n9zyNbiU
#277 [ぎぶそん]
Chapter04
「近づきたい」
:09/02/15 01:28
:SH705i
:Rs2aN72w
#278 [ぎぶそん]
東吾兄が我が家に居候するようになってから約一ヶ月後、いよいよ学校は夏休みに突入した。
毎日の授業が一旦終了してからも、私は二日に一日は図書室を利用していた。
理由は、単純に本を読むのが好きだから。
毎日が休日になってから、一冊を読破するペースも速くなっていた。
外から聞こえる、せわしい蝉の鳴き声を心で遮断し、新刊コーナーをじっくりと物色する。
:09/02/15 01:43
:SH705i
:Rs2aN72w
#279 [ぎぶそん]
本を読むことに魅力を感じるようになったのは、小学二年生の頃から。
「おさかなの冒険」という、海に住む魚たちの壮大な旅を描いた子供向きの本に、夢中で子供心をくすぐられたのが発端だ。
それから、学校の図書室にちょくちょく通っては、何か面白い本はないかと漁るのが習慣になった。
同世代の子たちは、活字ばかりの本よりイラストと吹き出し付きの漫画の方が熟読しているという。
:09/02/15 04:39
:SH705i
:Rs2aN72w
#280 [ぎぶそん]
真っ白い表紙の、「クローバーな彼」という題名の本を手に取る。
後ろの説明文に目を通してみる。
主人公の女性が、とある男性と出会ってからの人生を綴った内容だと書いてある。
恋愛小説か…。
正直一番苦手な分野で、これまでこの手のジャンル物は避けてきた。
というか、読んでみてもさっぱり理解できなかった。
でも、今となっては少し、共感し得る部分があるかも知れない。
唯一異性だと意識する、優平の顔が浮かんできた。
:09/02/15 07:24
:SH705i
:Rs2aN72w
#281 [ぎぶそん]
貸出カードに書籍の名を書き込み、図書室を出ようとした時だった。
「真ー希っ!やっぱりここにいた。」
開いたドアの前で、エリがひょっこりと顔を出してきた。
「エリ!?どうしたの、エリが休みに学校来るなんて珍しい。」
「んー、そろそろ進路について真面目に考えようかと思って。」
規定のサイズよりスカートの長さがぐんと短い彼女は、こう見えて堅実に生きるタイプである。
:09/02/15 09:36
:SH705i
:Rs2aN72w
#282 [ぎぶそん]
「トリマー?」
「そう。犬や猫の毛を、チョキチョキと切ってあげるの。」
学校近くのファーストフード店に二人で入ると、エリが希望の進路を話してくれた。
彼女の自宅は、犬や猫を数百飼っている。
そして彼女自身にも、動物が好きだという印象がある。
今の所は、動物の身なりに関する専門学校に進学したいという。
:09/02/16 02:03
:SH705i
:FVyvlF8s
#283 [ぎぶそん]
「それで、真希は進路どうすんの?」
「うーん…、高校を出てすぐ就職するより、とりあえずまたどこかに進学しようかなーって、少し思った。」
東吾兄と出会い、大学というものに少し触れてみて、進学に魅力を感じた部分はある。
「それがいいよ。
真希は私や元基とは違って、そこそこ成績いいんだし。
それに…。」
「それに?」
エリがソーダを口に含む。
:09/02/16 02:12
:SH705i
:FVyvlF8s
#284 [ぎぶそん]
「頑張って優平と同じ大学に受かれば、また四年間一緒になれるよ。」
エリの顔の表情がニヤつく。
「へ、変なこと言わないでよ…。」
「ま、桜井家のお坊ちゃんが目指してんのは、目下T大なんだろうねー。
仲良い友達でも、彼は次元が違いすぎるわぁ。」
エリが窓の外の景色を見ながら言う。
「うん。」
掠れるような声で返事をし、アイスコーヒーを飲んだ。
:09/02/16 02:20
:SH705i
:FVyvlF8s
#285 [ぎぶそん]
「あ、そうそう。
例の旅行の件なんだけど、この夏優平のおじ様が仕事で別荘に滞在しててさ、中止になりそうって。」
旅行とは一学期に四人で計画し、この夏休みに実行するはずだったもの。
「え?そうなんだ…。」
せっかく過保護の父に了承を得たのに、仕方ないとはいえ気持ちは浮かなかった。
「大丈夫。残念がることはないって。そのかわり、優平が自分の家を招待してくれるってよ!」
:09/02/16 02:29
:SH705i
:FVyvlF8s
#286 [ぎぶそん]
「来週の月曜日、美原駅に着いたら迎えに来てくれるって。」
そこは優平の住む街だ。
「分かった。」
「フフ、彼ん家はきっと、別荘以上に豪勢だと思うよ。」
自分の家を見せることに抵抗していた優平が、初めて私たちを招いてくれた時だった。
:09/02/16 16:31
:SH705i
:FVyvlF8s
#287 [ぎぶそん]
その日の夜、夕飯を済ませた後、一人部屋で宿泊に備えて、かばんに荷物を詰める。
まだ一週間も先だというのに、張り切り過ぎかな。
父にはそのまま、皆で別荘に泊まりに行くということにしておいた。
また一々訂正して、うるさく言われるのが目に見えていた。
旅行じゃないなら、わざわざ男子高校生の自宅に泊まりがけする理由はない、ってね。
:09/02/16 21:30
:SH705i
:FVyvlF8s
#288 [ぎぶそん]
「マキロン、旅行なんだって?また楽しそうだな〜!」
東吾兄が、アイスキャンディー片手に私の部屋を訪ねて来た。
「東吾兄だって、大学で生き生きしてたじゃん。」
「俺さー、高校ん時はその魅力に気づかなかったけど、やっぱ制服の特権ってスゲーよなー。
それ纏ってるだけで、青春さが増すの。
うん、光陰矢の如し。」
東吾兄が、オレンジ色のアイスキャンディーをかじる。
彼の発言は、時々意味深なようで意味不明だ。
:09/02/16 21:42
:SH705i
:FVyvlF8s
#289 [ぎぶそん]
「桜田くんだっけ?
こないだ打ち上げに付き添ってくれた子も一緒なんだろ?」
「桜井だよ。」
「ああ、そうそう。
彼かっこいいよなぁ!俺にはない爽やかだわ。」
彼の話に耳を傾けながら、畳んだ衣服をかばんに詰め込む。
「なあ、マキロンさぁ…。」
東吾兄が、私の近くにしゃがみ込む。
:09/02/16 21:59
:SH705i
:FVyvlF8s
#290 [ぎぶそん]
「何?」
「もしかして、彼のこと好き?」
「えっ…。」
彼のその一言で動揺し、そこでせっかく畳んだ洋服を崩してしまった。
「やっぱり!俺の目は節穴じゃなかったか!
うんうん、彼、素敵だもんなぁ。」
子供をなだめるように、私の頭を撫でる東吾兄。
:09/02/16 22:05
:SH705i
:FVyvlF8s
#291 [ぎぶそん]
「夏は季節で一番、男女間の気持ちが高揚しちゃうから、マキロン注意しろよな〜!」
「東吾兄ってば…!」
一発叩こうとした所、東吾兄が部屋の中を暴れ回る。
二人で家中を駆けずり回り追いかけっこを続けていると、途中父に注意を受けた。
東吾兄の奴。
優平はそんな対象じゃないよ―
:09/02/16 22:38
:SH705i
:FVyvlF8s
#292 [ぎぶそん]
そして、月曜日。
エリから回ってきたメールによると、昼の13時に駅に集合となっている。
今日の服装は、お気に入りの白いシャツに、下はピンク色のプリーツスカートを履いたといった所だ。
これから数日間、意中の男性の家に上がり込むとになる。
先日雑貨屋さんで購入した、ハート形のネックレスも身につけた。
:09/02/16 23:55
:SH705i
:FVyvlF8s
#293 [ぎぶそん]
昼食を取ってから家を出て、午後12時半、電車で優平の住む街の駅まで向かう。
優平はいつも、電車通学で学校に通っている。
資産家の彼の家なら使用人が車を出してくれそうだが、彼はそれを断ったらしい。
走る電車の中、彼はいつもどんな気持ちで自宅と学校を行き来しているのだろう。
優しさに溢れる笑顔の中、時々哀しい目をする理由を知りたい。
:09/02/17 00:07
:SH705i
:cEdrtdZ6
#294 [ぎぶそん]
「エリと元基、まだかな…。」
駅の正門の前で、何度も腕時計で時間を確認する。
集合時間から5分経っても、二人は一向に現れなかった。
「真希!」
それからまた5分経った頃、優平が手を振りながらやって来た。
水色のシャツに少しダボついた灰色のズボン。
夏休みに入ってから初めて見る、彼の姿。
:09/02/17 00:14
:SH705i
:cEdrtdZ6
#295 [ぎぶそん]
「二人がまだみたい…。」
「本当に!?あっ、メールが着たみたい。」
優平がポケットから携帯を取り出す。
「えぇ!ハメられた…。」
そこに書いてある内容に目を通すと、彼が大声を出す。
そして、その携帯の画面を私に向ける。
:09/02/17 00:24
:SH705i
:cEdrtdZ6
#296 [ぎぶそん]
『私と元基は別の所で一泊してきま〜す!
後はお二人さんで仲良くやってね! エリより』
「何、コレ!?」
自分の携帯も確認してみると、同じ内容のメールがついさっき届いていた。
"エリより"の後に、ハートマークが可愛く3つ並んでいた。
エリと元基は、最初からこうするつもりでいたのか。
じゃあ、今日優平ん家に泊まるのは、私一人ってこと…!?―
:09/02/17 00:31
:SH705i
:cEdrtdZ6
#297 [ぎぶそん]
「しょうがないなー、あの二人は。真希、どうする?」
「そうだなぁ、優平ん家行くの楽しみにしてたけど、私一人ってのも…。」
帰らざるを得ないかな、と言いかけた時、
「全然迷惑じゃないって!せっかくここまで来てくれたんだし、俺の家なんかで良かったら上がってってよ!」
優平がこの後のことを提案してくれた。
「うん。お言葉に甘えます。」
:09/02/17 00:39
:SH705i
:cEdrtdZ6
#298 [ぎぶそん]
そこから、二人で近くの駐車場まで歩く。
優平が、赤いスポーツカーの前で足を止める。
「あっ、こちら使用人の清水祥華(しょうか)さん。
今日ここまで車を出してくれたんだ。」
彼の差し出した手の前に、スタイル抜群のグラマーな女性が、腕組みをして立っていた。
「初めまして。
優くんのかわいい恋人(スウィート・ハニー)さん。」
彼女が掛けていたサングラスを外し、私に握手を求めてきた。
「えっ…。」
その素顔の美しさと誤解を生む発言から、私の顔はやんわりと紅潮していった。
:09/02/17 01:14
:SH705i
:cEdrtdZ6
#299 [ぎぶそん]
「祥華さんはね、長い間アメリカに住んでから英語がペラペラなんだ。」
走る車の中で、優平が祥華さんについて詳しい所載を教えてくれた。
言われてみれば、彼女には日本人離れしている部分が所々見受けられる。
独特のフェロモン、というか、放つ色気が外国人っぽい。
そして、彼女はまだ若いが、優平が中学の頃から使用人を務めていて、その付き合いも4年近くになるという。
:09/02/17 01:30
:SH705i
:cEdrtdZ6
#300 [ぎぶそん]
「今日の夕飯、何が食べたい?」
「えっ?何でもいいよ。」
「そうだ、何処かドライブ行きたい所ある?
旅行中止になっちゃったし、祥華さんは色んな観光地知ってるよ。」
「優平ん家行けるだけで、充分だよ。」
二人で後部席でやり取りしていると、運転中の祥華さんが、その会話の途中で笑った。
「ウフフ。何でも出来る優くんも、こっち(恋愛)方面じゃウブのようねぇ。
まだまだ女の子の喜ばせ方を知らないみたいね。」
:09/02/17 01:46
:SH705i
:cEdrtdZ6
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