WHITE★CANDY
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#311 [ぎぶそん]
「優くんのこと、頼んだわ。」
「え?」
「彼ね、中学時代は外での出来事なんか一言も話してくれなかったのに、
高校であなたたちと出会ってから、とても生き生きしてるの。
今日もあんな風に張り切っちゃって。」
「…はい。」
初めて知った、物静かな優平の気持ち。
それはきっと、私たち3人と同じ気持ちだ。
:09/02/17 16:39
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#312 [ぎぶそん]
優平に言われたとおり、部屋に荷物を置いてから、庭の噴水近くに出向いた。
そのそばにテーブルとイスがあるのに気がついて、イスに腰掛けた。
「雨宮様、紅茶をどうぞ。」
使用人の男性が、気を利かせて飲み物を持って来てくれた。
白いティーカップに、熱い紅茶が注がれる。
「ありがとうございます。」
入れたばかりの紅茶は、高級感の漂う香りがした。
:09/02/17 22:12
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#313 [ぎぶそん]
「お待たせ。」
紅茶を一口飲んでみた所で、優平が現れた。
何やら黒いケースを抱えている。
「練習し始めたのは中学の時からだけど、同級生に披露するのは初めてかな。」
腰を下ろした彼がケースから取り出したのは、バイオリンだった。
:09/02/17 22:24
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#314 [ぎぶそん]
その場を立ち上がると、少し呼吸を整え、バイオリンを弾き始める優平。
彼が演奏した曲は、モーツァルトの「フィガロの結婚」だった。
巧みに弓を動かしながら、繊細なメロディーを奏でる。
学校では決して見せてはくれない、御曹司としての姿。
私はただ、彼の悠然な姿に見とれていた。
:09/02/17 22:37
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#315 [ぎぶそん]
5分くらい経った後、演奏が終わった。
「…最後ちょっと間違えちゃった。」
彼が照れ隠しのような笑みを浮かべる。
私はイスに座ったまま、大きな拍手をした。
「かっこよかったよ。」
彼が陰で"王子"と呼ばれる理由が、今は理解できるかも知れない。
:09/02/17 22:44
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#316 [ぎぶそん]
「優平はいつも、家で何をして時間を過ごしてるの?」
「えっ?課題済ませて、予習して、テレビ観て、風呂入って…普通だよ、普通。」
「そう。今日は家での優平の様子が知りたいな。」
「えぇっ!?何かそう言われると、無駄に緊張するなー。」
イスから垂らした両足をプラプラさせながら、彼のはにかんだ笑顔を眺めていた。
:09/02/18 00:37
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#317 [ぎぶそん]
また本館に戻ると、2階の洋室に案内された。
優平がリモコンで操作すると、ソファーの前に映画館で見るようなスクリーンが降りてきた。
「好きなの選んでいいよ!
ごめん、俺ん家、恋愛物はないんだ。」
優平が、棚からDVDボックスを取り出してきた。
色んなジャンルのDVDが入ってる。
「これがいい。」
その中から、1枚を抜き取った。
「『バトル・シアター』?また過激なのにしたな!」
:09/02/18 00:51
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#318 [ぎぶそん]
「坊ちゃま、雨宮様、お菓子をここに置いておきます。」
またもや使用人の男性が、ハーブティーと焼きたてのクッキーを持って来てくれた。
ソファーの前のテーブルに、2人分にして並べる。
そして退室する前に、部屋の電気を暗くしてくれた。
「これ、コーラとポップコーンの代わりだね。」
「アハハ。面白いこと言うなぁ。」
無料の映画鑑賞は、いたせりつくせりであった。
:09/02/18 01:04
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#319 [ぎぶそん]
「…。」
目を開けた時、エンドロールが流れていた。
確か、主人公が生き残りの戦士として目覚めて…。
その後はすっかり、眠りに就いてしまったようだ。
部屋が暗かったことと、桜井家に着いてからやっと緊張感から少し解放されたことから、安心しきって一眠りしてしまった。
:09/02/18 09:13
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#320 [ぎぶそん]
「あ、起きた?」
隣に座る優平が、顔をこちら側に向けた。
「ごめん。途中ですっかり寝ちゃったみたい。」
「アハハ。気持ち良さそうに寝てたから、無理に起こさなかった。
続きが気になるんだったら、またいつでも同じDVD観ていいから。」
:09/02/18 09:19
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