WHITE★CANDY
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#450 [ぎぶそん]
「白パンツ星人、今度はお前だっ!」

「真希、ボール来たよっ!」

栄基はエリばかり狙うと油断していた時、栄基がボールをこちらに飛ばしてきた。

咄嗟に、エリにパスを出さず力強くアタックしてみた。
ソフトボールなので、通常のボールより威力を増す。

⏰:09/04/21 21:12 📱:SH705i 🆔:aLafzO6E


#451 [ぎぶそん]
相手側のコートにボールが入ると、ボンッ!と激しい音がした。
栄基を狙ったつもりはなかったが、結果ボールは彼の顔面に直撃していた。

ぶつかった衝撃で、栄基は後ろへと倒れ込んでしまった。

「大丈夫!?」

硬いボールじゃなくて幸いだと思いつつ、私は倒れた栄基の元へと駆け寄った。

⏰:09/04/21 21:18 📱:SH705i 🆔:aLafzO6E


#452 [ぎぶそん]
「栄基、大丈夫かぁ!?」

栄基と同じチームの子供たちも、心配して近くまで寄る。

「痛ぇ〜…。」

栄基は表情を歪ませながら、頬に手を当てていた。

「ごめんね。立てる?」

私は彼の両手を掴み、上体を起こそうとした。

⏰:09/04/22 20:07 📱:SH705i 🆔:xn.vq7J.


#453 [ぎぶそん]
栄基は身体を立たすと、私にこんなことを問いただしてきた。

「…お前、強いな!もしかしてオーランド組織の者か!?」

「え!?」

「なーに訳のわかんないこと言ってんのよ。
真希は普通の高校に通う、普通の女子高生です〜!」
向こう側のコートにいるエリが、栄基の話に指摘を入れる。

⏰:09/04/22 20:11 📱:SH705i 🆔:xn.vq7J.


#454 [ぎぶそん]
「マキ…!?やっぱりお前…いや、貴方様はブレイブマンがこの世で最も尊敬する、マキロン隊長だな!?」

何を思ったのか、栄基が更に私を見る目を輝かせた。

偶然にもそれは、東吾兄が普段私を呼ぶ時の愛称と同じだった。
(もしかしたら、そこからあやかったのか?)

栄基の話に便乗して、子供たちが次々に"隊長""隊長"と、私の周りに集まってきた。

私は子供たちに、心身共に押し潰されそうになった。

⏰:09/04/22 20:15 📱:SH705i 🆔:xn.vq7J.


#455 [ぎぶそん]
「皆、この試合は中止だ!マキロン隊長、部下どものご無礼をお許し下さいませ〜!」

「申し訳ございませんでしたー!」

子供たち全員が、私に向かって敬礼する。
彼らは皆、アニメと現実の世界が交互に入り交じっているようだ。

私もこれくらいの頃は、机の引き出しから未来型ロボットがやって来るのを待ちわびていたものだ。

⏰:09/04/22 20:45 📱:SH705i 🆔:xn.vq7J.


#456 [ぎぶそん]
「因みに私は、ブレイブマンの恋人エリリン姫よ〜。」

「そんな人物登場しないぞ。」

栄基が怪訝そうな顔で、エリを見つめる。

「うるさーい!クソガキ共そこにひざまつけ。」

エリは半分キレ切み、半分ノリノリだった。

子供たちの注目は一気に私へと向けられ、試合は途中までて中止となった。

それでも私とエリの圧勝だった。

⏰:09/04/22 20:56 📱:SH705i 🆔:xn.vq7J.


#457 [ぎぶそん]
皆様お久しぶりです。
暫く入院して続きを書けずにいました。
読んでくれてる人はいないと思いますが、最後まで責任を持って書き上げていこうと思います。。

⏰:09/08/14 23:27 📱:SH705i 🆔:IFuzHb0U


#458 [ぎぶそん]
次の日、ベランダでいつもの4人で集まった。

「昨日、ママさんバレーに行ったら栄基にさんざんな目に遭わされたよ。
真希はスカートめくられるし。」

「な、何だってー!!」

優平がスカートの下りで過剰反応を示した。

「おーワリィワリィ。家できつく言っておくよ。」

アハハとへらついた表情で、あっけらかんとしている元基。
この兄にしてあの弟アリ…か。

⏰:09/08/14 23:31 📱:SH705i 🆔:IFuzHb0U


#459 [ぎぶそん]
「ん…。」

数日後、夢の中にいると誰かからのメールで起こされた。
時刻は朝の5時。

メールの相手はエリだった。

『体力作りの為、今日から早朝ジョギングするわよーん。』

もはや口にする言葉もなかった。

⏰:09/08/14 23:35 📱:SH705i 🆔:IFuzHb0U


#460 [ぎぶそん]
私たちはエリの家の近所にある小さな神社で鉢合った。
軽くストレッチをしてから、同じペースでジョグをすることにした。

コースは住宅地を大まかに一周するようにと決めた。

「…真希って、中学の時も帰宅部だったんだっけ!?」
「うん。家のことが気になるから。」

走り込みながら話をする。

⏰:09/08/14 23:44 📱:SH705i 🆔:IFuzHb0U


#461 [ぎぶそん]
「私もソフトテニス部だったけど、一年で辞めちゃった。」

私たちの走る音だけが、早朝の静けさ漂う街の中で響いている。

「私と真希ってさ、一緒の部活に入ってたとしても、きっといいコンビだったと思うなー!
インターハイも夢じゃなかったかもね!」

エリが夏に輝く太陽のように笑う。
何となく、元基が彼女を離さない気持ちが分かる気がした。

⏰:09/08/14 23:49 📱:SH705i 🆔:IFuzHb0U


#462 [ぎぶそん]
「ところでさ、エリってどうしてこの大会に毎年熱入れてるの?
体育の授業での試合なんかは、別に勝ち負けにこだわったりしてないじゃん。」
少々疑問に思っていたことを、彼女に伝えた。

「去年真希・元基・優平と同じクラスになって、絶対優勝してさ、皆でスキー旅行の思い出を作りたいと思ったの。
でも、叶わなかったでしょ?
だから今年こそは優勝して、真希と女だけの旅行に行ってやるんだって、固く決めてるの!」

⏰:09/08/14 23:56 📱:SH705i 🆔:IFuzHb0U


#463 [ぎぶそん]
初めて知ったエリの小さな想いに、胸に込み上げるものがあった。
私たちのグループの中で、私たちのことを一番考えてくれるのは間違いなく彼女。

「ほら、ペース上げるよ!
ちんたら走ってても体力はつかないよ!」

私は走る歩幅を上げ、彼女より少し前をリードしてみせた。

私も、この大会に賭けてみようと思った。
小さなことかも知れないけど、何か一つでも熱くなれるものがあるのって素敵なことだから。

そして何より、エリの気持ちに応えたい。

⏰:09/08/15 00:04 📱:SH705i 🆔:BIENbVyI


#464 [ぎぶそん]
「ブレイブアターック!」

「痛っ。いきなり何?」

その晩、家にあったソフトボールを、
夢中になってTV番組を観ている東吾兄の頭部目掛けて打った。

「ひどくない?
あだ名の由来がアニメの登場人物だなんて。」

AB型の私は妙な所で根に持ったりするタイプだ。

⏰:09/08/15 20:50 📱:SH705i 🆔:BIENbVyI


#465 [ぎぶそん]
「あ、気付いた?
でもマキロン隊長は神様みたいな存在なんだぞー。」
「はいはい。」

私はTVの近くに落ちたソフトボールを拾った。

「おっ真希、今度の大会のバレーに向けて練習かい?」

父が人数分のオレンジジュースを持ってやって来た。

⏰:09/08/15 20:55 📱:SH705i 🆔:BIENbVyI


#466 [ぎぶそん]
「…お父さんって高校の時何か部活やってたっけ?」

「3年間ずっとバスケをやってて、3年の時にはキャプテンを勤めてたぞ!
エッヘン!」

得意げそうに、大きく胸を張る父。

父のその姿に目も暮れずに、東吾兄がジュースをごくごく飲む。

⏰:09/08/15 20:59 📱:SH705i 🆔:BIENbVyI


#467 [ぎぶそん]
「元基と優平も、今度の大会でバスケするらしいよ。」

「んー、あの2人じゃ父さんの持つボールすら奪えないだろうな。
ハハハハハハ。」

「ブレイブアターック!」

「痛っ。」

私は父の顔面を的にソフトボールを撃った。
調子に乗るその口を塞いだ。

⏰:09/08/15 21:05 📱:SH705i 🆔:BIENbVyI


#468 [ぎぶそん]
次の日の昼休み、大会のバレーのチーム全員で話し合いが行われることとなった。

事の発端は今朝のジョギング中、エリがふと口にしたことがきっかけだった。

『私たち2人が腕を上げてもさ、他の人が弱かったりチームワークが悪かったりしたらなーんにもならないじゃない。』

一理あるその発言に私たちは他のメンバーに呼びかけをし、こうして今使われていない空き教室に集まったのである。

⏰:09/08/15 21:17 📱:SH705i 🆔:BIENbVyI


#469 [ぎぶそん]
「これから毎日、昼休みの時間を利用してバレーの練習をします。
帰宅部の人は、放課後出来るだけ屋上でやる練習に来て下さい。

日曜日は、私と真希が通っているママさんバレーに、皆も参加してもらいます。
何か意見のある人はいますか?」

皆の代表となってエリが話を進める。
その問い掛けに、「ないです」「ありません」の声が飛び交うと少しホッとした。

聞く所によると、大会の日程が決まってから、大半の人がやる気に満ち溢れ毎日の運動量を上げていたらしい。

このクラス、というかこの学校、勝負事になると本気で燃えるみたいだ。

⏰:09/08/15 21:27 📱:SH705i 🆔:BIENbVyI


#470 [ぎぶそん]
放課後、さっそく屋上で練習が行われた。
集まったのは私とエリを含む4人。
他は部活生らしい。

私たちは2人組のペアを作り、パス練習をひたすら続けた。

「夕日をバックにバレー練習に打ち込む私…。
全ては勝利の為…。
うーん!これぞ正に青春って感じ〜!」

2人でパスを続けながら、何やら自分に酔いしれるエリ。

私たちの腕はみるみると破れた毛細血管によって、赤い斑点模様が浮かんでくる。
固いボールで打ち付けられることによる腕の痛みも、回数をこなす毎に慣れていたった。

⏰:09/08/15 21:39 📱:SH705i 🆔:BIENbVyI


#471 [ぎぶそん]
同じ週の日曜日、バレーチームの皆でママさんバレーが行われている体育館へと向かった。

予めママさんバレーの代表の人にこれからこのチームで参加することを伝えると、快く歓迎してくれた。

毎週必ず都合が悪い人が出て来て、集まるメンバーが不揃いらしかったからだ。

そして若い子たちの活気で溢れる方が、試合をする意欲がもっと湧くと言ってくれた。

⏰:09/08/15 21:54 📱:SH705i 🆔:BIENbVyI


#472 [ぎぶそん]
体育館に入ると、いつもと違う光景が視界に入った。

「真希、遅かったじゃないか!
父さん待ちくたびれてかれこれ30分はパス練習をしてたぞ!」

「お、お父さん!?それに東吾兄まで!」

私の視線の先に、見慣れた2人がパスをしていた。
その後ろにはいつかの東吾兄のバンドメンバーの人達もいるではないか。

朝2人共出掛けてると思ったら、先回りしてここに来てたという訳か。

⏰:09/08/15 22:02 📱:SH705i 🆔:BIENbVyI


#473 [ぎぶそん]
「マキロン、今日は俺たちが試合相手になってあげるからな!」

私の知らない所で、2人は着々と今日の準備をしていたらしい。
わざわざバンドメンバーの皆さんまで巻き込んで。

「昨日、バレーサークルに乱入した甲斐があるかな〜。」

バンドメンバーのリーダーの、藤野さんがぽつりと言った。
意外と皆はママさんバレーの参加を楽しみにしていた。

⏰:09/08/15 22:07 📱:SH705i 🆔:BIENbVyI


#474 [ぎぶそん]
「ふふふ。強い相手との勝負の方が燃えるってことよ。
じゃーん!昨日コレ買っちゃったー。」

男性陣との試合予定に、気持ちが高揚するエリ。
彼女の指差す両膝には、サポーターが当てられていた。

「ほら私、この中で一番身長が低いでしょ?
だから、率先してレシーバーに回ろうかと思って。
一番おいしいトコ(アタック)は真希の役目ね!」

⏰:09/08/15 22:14 📱:SH705i 🆔:BIENbVyI


#475 [ぎぶそん]
10分後、私たちのチームと父と東吾兄率いるチームで試合が行われることとなった。

「俺たちは人数が1人少ないけど、男だらけというハンデってことでいいよ。」

最初に東吾が私たちにこんな説明をしてくれた。

そして、私と東吾兄でサービス権を決めるじゃんけんをした。
私が勝った。

⏰:09/08/15 22:20 📱:SH705i 🆔:BIENbVyI


#476 [ぎぶそん]
バシッ。バシッ。
ボールの叩きつけられる音が何度も床に鳴り響く。
敵チームのアタックが次々と決まる。

11対2。
試合が開始して間もないというのに、たちまち点を入れられ大きく差をつけられてしまった。

「ハハハ。父さんは可愛い愛娘にでも容赦しないぞ!」

向こうのコートで父が高らかに笑う。

⏰:09/08/17 23:09 📱:SH705i 🆔:Mg/GY9K.


#477 [ぎぶそん]
「皆、相手のペースにのまれちゃ駄目だよ!
声を出そう、声を!」

チーム内にどんよりとしたムードが差し迫った時、エリがチーム全体に大声で呼びかけた。
その前向きな指示に「うん!」と皆が意思表示をする。

自分達の未熟さと、体育館の蒸し暑さに気負いそうになる。
でも、一度やり始めたことを途中で投げ出したりしたくない。
私は額から落ちる汗を拳で拭った。

⏰:09/08/17 23:15 📱:SH705i 🆔:Mg/GY9K.


#478 [ぎぶそん]
24対11。

いよいよ相手チームのマッチポイントとなった。

佐々木さんの緩やかなサービスがこちらのコートに入る。
それを後衛のライトにいた林さんがレシーブをした。

次に、エリがそのボールの下に回って高くジャンプトスをする。

初日の頃はトスをすることすらままならなかったのに、見違えるほどにそれは上達していた。

⏰:09/08/17 23:21 📱:SH705i 🆔:Mg/GY9K.


#479 [ぎぶそん]
「真希!!」

私の名を呼ぶと同時に、後ろに数歩下がるエリ。
私が"打ち"やすいようにと、スペースを作ってくれたのだろう。

私は1歩、2歩と前衛の中央に上げられたボールに近づく。

そして3歩目と同時に勢いよくジャンプした。

―エリ、私にアタックを打たせる為に沢山練習したんだね。
この1球は外させない。

空中で右腕を後ろにやり、標的のボールに向かって回す。
手首を返す感じに振り、手の平にボールを当てた。

⏰:09/08/17 23:31 📱:SH705i 🆔:Mg/GY9K.


#480 [ぎぶそん]
―バシッ。
気持ちのよい音が私の頭上で生まれた。

両足が床に着くと、上手くバランスを取れず後ろに倒れ込む。
相手コートに向かったボールがどうなったのかは見えなかった。

その数秒後、ピッというホイッスルの甲高い音が鼓膜を一瞬刺激した。

「アウトっ!試合終了!」
次に、審判係のおじさんの太い声が聞こえる。

私が初めてやってみせたスパイクは、大きくラインを越えてしまっていたようだ。
試合が終了した。

⏰:09/08/17 23:45 📱:SH705i 🆔:Mg/GY9K.


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