WHITE★CANDY
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#560 [ぎぶそん]
ゲーム会社の社長の講談などが終わり、いよいよゲームの試供の時となる。

ステージの幕が上げられた。
ステージには、マッサージチェアのようなイスが、人数分用意してあった。

「皆様、お好きな席に自由にお座り下さい。」

係の人の誘導で、私たちはそれぞれイスに座った。

次に、私たちは頭に機械のようなものを装置させられた。

⏰:09/08/22 20:33 📱:SH705i 🆔:.m377TEo


#561 [ぎぶそん]
「このゲームには、コントローラーなどの器具はありません。
皆さんには、脳でゲームを行ってもらいます。

これからあるスイッチを入れると、皆さんは昏睡状態に入ります。
皆さんはその昏睡状態の間、実際にゲームの世界に進出したような感覚を起こします。

すなわち、ゲームの世界そのものをリアリティに体感することができるのです。」

「へぇー!
何かよく分からないけど画期的ね〜!」

説明を受けたエリが、ますます楽しげにする。

つまり、次に目を覚ました時、現実世界のような仮想世界が待っているということかな。

⏰:09/08/22 20:49 📱:SH705i 🆔:.m377TEo


#562 [ぎぶそん]
「準備はよろしいですか?
それでは、スイッチを入れます。
1・2・3…!」

「…っ!」

係の人の合図と同時に、ビリビリと全身に電気が流れる。

身体に痛みは軽いが、脳味噌へ何か強い刺激が一気に送られる感じだ。

だんだんと意識が遠退く。

⏰:09/08/22 20:54 📱:SH705i 🆔:.m377TEo


#563 [ぎぶそん]
「…ここは、何処…!?」

再び目を開けた時、何もない、暗がりな世界にいた。

エリたちの名を呼んでみる。
返事がない。
どうやら私1人だけのようだ。

「初めまして。
ミス・マキ・アマミヤ。」

突然、モニター画面が映り、1人の少女が現れた。

⏰:09/08/22 21:02 📱:SH705i 🆔:.m377TEo


#564 [ぎぶそん]
「わたくし、このゲームの案内人役を務めさせて頂きます、アイリーンと申します。

ミス・エリたちも同様に、今それぞれ説明を受けていることでしょう。

先程説明を受けたことでしょうが、今あなた方は、ゲームの世界にいる夢を見ているのです。

しかしゲームの世界とはいっても、痛覚はありますし、物や人に直接触れることは出来ます。

つまり、あなた方にとっては、現実世界とは何ら変わりのない世界なのです。」

⏰:09/08/22 21:13 📱:SH705i 🆔:.m377TEo


#565 [ぎぶそん]
アイリーンは説明を続けた。

「さて、肝心のゲームの内容ですが…。

西暦20××年。
ダイヤモンドシティという街に、隕石が墜落しました。

隕石自体はそれほど大きなものではなかったのですが、
隕石が持ち込んだバイオウイルスによって空気感染が発生し、世界に混乱が巻き起こったのです。」

⏰:09/08/22 21:18 📱:SH705i 🆔:.m377TEo


#566 [ぎぶそん]
「隕石墜落から約2時間後、一度死んだかと思われた人間が再び目を覚まし、
突如近くにいた人々に襲い掛かりました。

そして、噛まれた者は死に、再び目を開けた時、最初に襲ってきた人間と同じように、生きている人間に噛みつく…。

そうして、新鮮な人肉だけを求めさ迷い歩くアンデッドが、地球上に大量発生したのです。」

⏰:09/08/22 21:31 📱:SH705i 🆔:.m377TEo


#567 [ぎぶそん]
「あなた方は政府によって急遽結成された、バイオハンターなる組織の一員です。

世界救出の鍵を握る3つのアイテムを手に入れ、オレンジハウスという施設にいる、
クレア博士と呼ばれる人の元へ無事に届けることが出来れば、ゲームクリアとなります。」

「条件はそれだけ?
他に注意する点は?」

アイリーンの説明が一くくり終わった時、私は彼女に質問した。

⏰:09/08/22 21:36 📱:SH705i 🆔:.m377TEo


#568 [ぎぶそん]
「流石はミス・マキ。
鋭いですね。

アンデッドに少しでも切り傷を負わされたり、噛まれた時点で感染者とみなし、ゲームオーバーとなります。

そして、全員がゲームオーバーとなり任務を遂行出来なかった場合は、それなりの代償を受けさせてもらいます。」

「代償…?」

私は聞き返した。

⏰:09/08/22 21:38 📱:SH705i 🆔:.m377TEo


#569 [ぎぶそん]
「それは後ほど説明しましょう、ふふふ。

何の目的もなくやるようではやる気を損ねそうなので、このようなシステムを設けさせて頂きました。

たかがゲーム、されどゲームですよ。

さあ、あちらに見えるゲートが実際のゲームの世界に繋がっています。
既に他の3人はくぐり抜けたようですよ。

では、わたくしはここであなた様の無事をお祈りしておきます、ミス・マキ。」

⏰:09/08/22 21:43 📱:SH705i 🆔:.m377TEo


#570 [ぎぶそん]
アイリーンの指す左方向に、ドアの形状をした白い光が差し込んでいた。

私は躊躇うことなく、その光の中へ入っていった。
あまりの光の強さに、両目を腕で覆い隠しながら突き進む。

「…うっ!」

途中で、私の動きが止まり、記憶も吹き飛ぶ。

⏰:09/08/22 21:51 📱:SH705i 🆔:.m377TEo


#571 [ぎぶそん]
「…。」

私は長い眠りから覚めたように、その場所で目を覚ました。

上体を起こした時、身体にはずっしりと重量感があった。
胴体や肘、膝の箇所に防具が装備されていた。

この世界では私はバイオハンターという役目なんだったっけ。

⏰:09/08/22 21:55 📱:SH705i 🆔:.m377TEo


#572 [ぎぶそん]
「真希、遅かったな。」

耳元で優平の声がした。
よく見ると、エリや元基たちも同じく薄暗いこの部屋にいた。

そして、皆も私と同じように防具や拳銃を装備されている。

「ここは…何処?」

「さっき、ポケットに入っていたマップで現在地を調べてみた。
…どうやら、港近くの廃墟ビルの一室みたいだ。」

優平が私の問いに答える。

⏰:09/08/22 22:00 📱:SH705i 🆔:.m377TEo


#573 [ぎぶそん]
「案内人役の少女は、3つのアイテムを手に入れろって言ってたよな。
もしかして、マップ上で星のように点滅してる奴かな?

ここから一番近いホワイト教会という所に、『聖なる反射鏡』というアイテムがあるみたいだ。
よし、まずはここを目指して進んでみよう。」

優平が頼もしく中心となり、皆を誘導する。

「ハァ…。ちょっとちょっと〜…代償って何なのよー?
ほんのお遊びのつもりが、とんでもないことになったみたいね。」

ゲームが始まって既に涙ぐむエリ。

⏰:09/08/22 22:09 📱:SH705i 🆔:.m377TEo


#574 [ぎぶそん]
私たちは廃墟ビルを出て、拳銃を構え街を警戒しながら歩いた。

街全体には靄がかかっていて、この世界の混沌とした様子が漂っていた。

「おい、あそこに誰かがいるみたいだぞ。
生存者かな?」

ビルを出てすぐ、元基が人の気配に気づいた。
建物にもたれ座り込んでるその人の近くに、彼が歩み寄る。

⏰:09/08/22 22:15 📱:SH705i 🆔:.m377TEo


#575 [ぎぶそん]
「おーい。大丈夫ですかぁ〜!?」

その人の肩を叩こうとする元基。

―ぎゃあおおうっ!

「うわあー!!」

元基の気配に気づき、その人が起き上がった。
それは生存者ではなく、見るからにアンデッドだった。

「危ないっ!」

―パンッ!

私はそのアンデッドの頭目掛けて、銃弾を一発放った。
見事命中し、アンデッドはそのまま地面に倒れ伏せた。

⏰:09/08/22 22:21 📱:SH705i 🆔:.m377TEo


#576 [ぎぶそん]
「真希、ありがとう。助かったよ。」

元基が冷や汗をかきながらこっちに戻ってくる。

「元基のアホ〜!!
この世界はもはやアンデッドがうじゃうじゃ生息してるの!
そうむやみやたらに人間に近づくんでない!!」

元基の胸倉を掴むエリ。

「皆、アンデッドは胴体を撃っただけじゃ死なないからね
狙うなら頭。覚えておいて。」

「…。」

冷静な私の台詞に、誰も口にする言葉がなかった。

⏰:09/08/22 22:27 📱:SH705i 🆔:.m377TEo


#577 [ぎぶそん]
パンッ、パンッ!―

霞んだ街に銃声が響き渡る。
ゾンビを見つければ撃ち、見つければは撃ちの繰り返しだ。

エリが弾を外せば、私が100%カバーする。

「それにしても、幾ら空想の世界の化け物とは言え、流石に撃ち殺すのは気が引けるわね。
真希はどうしてそんなに扱い慣れてるの?」

拳銃を持ち替えながら、エリが尋ねた。

⏰:09/08/24 21:01 📱:SH705i 🆔:jyetulw.


#578 [ぎぶそん]
「私は毎年父とハワイの実弾射撃ツアーに行ってるから。
保護者の許可と同伴があれば、子供でも撃たせてもらえるんだ。」

そう、私は幼い頃から拳銃マニアだったのだ。
収集したモデルガンは、部屋の棚に綺麗に並べている。

従って、一目見ただけで拳銃の種類が分かる。
因みに今所持してるのは、ベレッタM8000の9ミリ口径。
装弾数は15発。

⏰:09/08/24 21:06 📱:SH705i 🆔:jyetulw.


#579 [ぎぶそん]
それから1kmほど歩き、街の外れにあるホワイト教会という場所に辿り着いた。

優平が先頭になって、慎重に扉を開ける。
中はお化け屋敷のように、不気味な雰囲気が漂っていた。
怪しげな薄暗さと、霧がかかったような空気が、恐怖感を煽る。

「よし、手分けしてアイテムを探そう!
元基とエリは一先ずこの一室を見てくれないか。
俺と真希は奥の通路の様子を見てくる。」

優平の指示で、私たちは二手に別れることとなった。

⏰:09/08/24 21:23 📱:SH705i 🆔:jyetulw.


#580 [ぎぶそん]
優平と奥の通路へとゆっくりと進むと、左右1つずつ部屋があった。

「まずは左の部屋から見てみよう…。」

ドアを開け、2人掛かりで机の引き出し、棚の中、ソファーの下などを手分けして見る。
鏡らしきものはなかった。

続いて、その隣の部屋。
脚立やロープなど、何かの作業道具が乱雑に置かれていた。

「…ここもないわね。エリたちの方なのかしら?」

私たちは引き返すことにした。

⏰:09/08/26 23:09 📱:SH705i 🆔:Dm0BucS.


#581 [ぎぶそん]
「椅子の下とか、隅々まで見たけどこっちもなかったぜ。」

2人の所へ戻ると、第一声に元基がこう言った。

私たちが立ち尽くした感じでいると、エリが何かに気づいたように、後ろ歩きでドアの方へ近寄る。

「ねえっ!もしかして鏡ってあれじゃない?
絵の女の人が手に持ってる奴。」

目の前に飾られている、大きな絵画を指差すエリ。
彼女が言うように、シスターと思われる女性が鏡を両手で抱えていた。

一見絵に見えるその鏡は、光に反射して光っている。

⏰:09/08/26 23:17 📱:SH705i 🆔:Dm0BucS.


#582 [ぎぶそん]
「いやあぁぁああっ!!」

鏡に見とれていると、エリの大きな叫び声が後ろからした。
振り返ると、ドアから入って来たアンデッドがエリの腕を噛み付いていた。

パンパンパンッ!―

私は急いで銃を撃った。
血飛沫を浴びながら吹き飛ぶアンデッドの頭。

右腕を押さえながら、しゃがみ込むエリ。
彼女に近付くと、既に右腕を負傷していた。

―遅かったか…。

⏰:09/08/26 23:23 📱:SH705i 🆔:Dm0BucS.


#583 [ぎぶそん]
「私が鏡を取って来る。
元基と優平はエリを擁護して!」

私たちの匂いを嗅ぎ付け、ドアから次々と入って来るアンデッド。

私はさっき入った部屋で目にしたロープを取って来た。
そして先端に小さな輪を作り、絵画より数10センチ上にある突起に向かって投げる。
3回ほど投げた所で成功した。

引っ掛けたロープをしっかり持ち、壁をつたうようにしてよじ登る。

⏰:09/08/26 23:28 📱:SH705i 🆔:Dm0BucS.


#584 [ぎぶそん]
パンッ!―
パンパンッ―

男2人が放つ銃声の音を耳にしながら、一定のペースを保ちながらロープをつたう。
2メートルほど登った所で、私は絵画に取り付けられていた鏡を手にした。

「くそっ!撃っても撃ってもキリがねぇ!
真希!もうドアからは出られないぜ!」

元基が愚痴るように言う。

「任せて。」

私は左手をロープから離し、ゲーム開始当初から背負っていた(背負わされていた)ショットガンをその手に持った。
そして、左壁にある三色ガラスの窓を何発かで撃ち抜いた。

出口がないのなら、作ればいい。

⏰:09/08/26 23:38 📱:SH705i 🆔:Dm0BucS.


#585 [ぎぶそん]
そして力みをつけ、ターザンのように窓に向かってロープで地上を移動した。

外に身体が出ると、タイミングを計ってロープを持っていた手を放す。

身体が勢いよく地面に転がる。
痛い。流石に無傷では済まなかった。

「皆、私に続いて!」

私は教会の中にいる3人に聞こえるように叫んだ。

⏰:09/08/26 23:45 📱:SH705i 🆔:Dm0BucS.


#586 [ぎぶそん]
エリを背負っている元基、優平の順で窓から出て来た。

「これでも喰らいやがれっ!」

元基が予めポケットに入っていた手榴弾を窓に向かって投げた。
その数秒後、中から小さな爆発音がした。

「エリ、大丈夫?」

私はエリの元に寄る。
彼女の右腕からは、痛々しいほどの血が出ていた。

⏰:09/08/26 23:52 📱:SH705i 🆔:Dm0BucS.


#587 [ぎぶそん]
「うん。思ったほど痛みはないみたい…。
でっかい蚊にチクっと刺された感じ。」

「きっと痛みは軽減してくれてるのね。」

『0時間47分42秒。
ミス・エリ・ハセベ。
ゲームオーバーです。』

私たちが一先ず安心していると、アナウンスのように、何処からかアイリーンの声が聞こえてきた。

「皆、足手まといになってごめんなさい。
真希!後はよろしくね。」
今までの姿が幻かのように、エリが消えていった。

⏰:09/08/26 23:57 📱:SH705i 🆔:Dm0BucS.


#588 [ぎぶそん]
「くそっ!俺がもう少ししっかりしていれば…。
エリを守れなかった…。」
悔しがるように、座っていた元基が地面を一発叩く。

「気持ちは分かるが、ここでそううかうかしてられない。
急がないと、奴らが迫って来るぞ。」

元基の身体を起こす優平。

「これからどうすればいいの?のんびり街を歩いてても、あいつらの餌食になるわよ。」

「よし、あれに乗ろう。」

優平が道路にある、何かを指差した。

⏰:09/08/27 00:02 📱:SH705i 🆔:G7Sq6gHg


#589 [ぎぶそん]
「人生初めてのドライブが、まさか無免許運転になるとは思わなかったな。」

初めてとは思えないほど、優平が手慣れたようにハンドルを操作する。
私たちはあれから、優平が目にしたトラックに乗り込んでいた。

彼のドライブテクを見守るように、助手席に座る私。

「最近のお坊ちゃんは、見よう見真似で車の運転も出来るらしい。」

後部席に座っていた元基が、優平を茶化す。

私たちは2つめのアイテム・『古びたアルバム』があるクレア博士の自宅に向かっていた。

⏰:09/08/27 00:13 📱:SH705i 🆔:G7Sq6gHg


#590 [ぎぶそん]
『皆さん、まずは1つめのアイテムを手に入れたようですね。
おめでとうございます。』

車内の中で、再びアイリーンの声がした。

『さて…最初にお話した"代償"のことですが…。
まず、私たちは皆さん方の性格・記憶・嗜好・癖など、脳内にインプットされた情報を全て牛耳っています。』

⏰:09/08/30 17:29 📱:SH705i 🆔:ebOPHEFo


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