WHITE★CANDY
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#601 [ぎぶそん]
「…武器がないのは流石に不安だ。
一旦この『マシュー銃器店』で補充しよう。
次のマンションからはかなり遠ざかることになるけどな。」
優平が地図上で指す銃器店は地図の北、フージーマウンテンのふもとにあった。
ここから約5キロは離れている。
優平の意見に、私と元基は迷うことなく賛同した。
ここに来て、初めての賭けかも知れない。
吉と出るか凶と出るかは分からないが…―
:09/09/03 15:56
:SH705i
:XaOOTU7E
#602 [ぎぶそん]
「なあ、ゲーム開始に比べて、明らかに奴らうようよいねーか?」
再び乗り込んだトラックの中で、元基が思ったことを口にする。
彼のいうように、窓に目を向ければ嫌でも彼らが視界に入って来る。
「きっと紫外線に弱くて、夜になるほど活動的になるのよ。」
「ヒュー。
何かコレ、まさしく真希の為に作られたゲームって感じだな。」
:09/09/03 16:10
:SH705i
:XaOOTU7E
#603 [ぎぶそん]
「いや、あながちその考えは間違っちゃいないぜ。」
私たちの会話に、優平が割り込む。
「どういうことだ!?」
「親父がゲーム会社と協定を組むって聞いた時、
真希がアクションゲーム好きなの知ってたから、それの最新型とか出来たら喜ぶだろうなって…。
そしたら俺の意見がそのまま通った訳。
まさかここまでリアリティなものになるとは思わなかったけど。
代償とか報酬とかさ、コレ作った奴頭イカれてるよな、ははは。」
:09/09/03 16:21
:SH705i
:XaOOTU7E
#604 [ぎぶそん]
「おかげさまで、私は充分この世界を楽しんでるよ。」
優平がハンドルを持つ手に自分の手をやる。
素直に嬉しかった。
今いる世界は実に残酷なものだけれど、優平の私に対する思いを感じられる。
それだけに何としてもこのゲームを制覇したい。
結末がどのようなものか知りたい。
このゲームを通して、一つの成長を遂げたらいいなと思う。
:09/09/03 17:21
:SH705i
:XaOOTU7E
#605 [ぎぶそん]
トラックを発車させて数十分、山のふもとまで来ることが出来た。
トラックから降りると、こじんまりとした店が一軒佇んでいる。
看板には「マシュー ガンズ ショップ」と書かれていた。
街の外れからか、アンデッドのいる気配はなかった。
「こりゃひでぇ…。」
店の付近には、女性と少女の全身血まみれの死体が無残にも転がっていた。
ここに来て深く、空想の世界とは、他人事とは思えない悲しさを感じた。
:09/09/03 18:10
:SH705i
:XaOOTU7E
#606 [ぎぶそん]
「スゲー!ここは武器の宝庫だなぁ!
よーし、皆ありったけ持って行こうぜー!」
銃器店の中には銃だけでなく、ボーガンやナイフ、弓矢もあった。
弾や拳銃、必要なものは持てるだけ持って行く。
「…驚いた。この世界でまさかこの銃と出会えるなんて。」
私はその中から見つけたとある拳銃を、ズボンの後ろに挟んだ。
:09/09/03 18:20
:SH705i
:XaOOTU7E
#607 [ぎぶそん]
私たちが武器をかき集めていると、店の隅にある部屋の方から、ガタガタッと木片か何かの落ちる音がした。
アンデッドかも知れないと、素早く銃を構える私たち。
「お前たち、ここで何をしている…。」
そこから出て来たのは生身の人間だった。
あまり食事にありつけていないのか、ひどく痩せている。
どうやら彼はこの家の主、マシュー氏のようだ。
:09/09/03 18:26
:SH705i
:XaOOTU7E
#608 [ぎぶそん]
「あ…俺たち、政府に雇われ、アンデッドと戦うことを命じられた者です。
途中で武器が必要になったので、ここならあるだろうと思いやって来ました。
誰もいないと想像していたので…。
しかしながら勝手にここを荒らしたこと、無礼をお詫びします。」
優平が両手を上げる。
私と元基も銃を構えた手を下ろす。
「…そうか。
いや、構わないよ。
ここにあるものは好きなだけ持って行くといい。」
私たちの言い分を聞くと、マシューさんはレジがある机に寄り掛かる。
「可能性はなくはないとは思ってたけど、この街に生存者っていたんだな。」
元基が喋る。
:09/09/03 18:36
:SH705i
:XaOOTU7E
#609 [ぎぶそん]
「噂によると生きてる者は束になって、安息の地を求めて東へ向かったらしい。」
「あなたは一緒に行かなかったんですか?」
私はマシューに質問した。
「店の前に死体があっただろう?
あれは私の妻とその娘だ。
2人はここへ帰る途中であいつらに噛まれたらしく、感染していることが分かった。
そして、私はこの手で自ら愛する者を葬り去った。
それからは2人を埋葬する余裕がないくらい、ここで閉じ込もっていた。
私には、この街を去った所で、この戦争が終わった所で、生きる希望なんて全くない。ないんだよ…。」
:09/09/03 18:50
:SH705i
:XaOOTU7E
#610 [ぎぶそん]
私はマシューの元へと足を踏んだ。
「いいえマシューさん。
それでもあなたは生き続けなきゃいけない。
私みたいな小娘に言われるのは腹立たしいと思いますが…。
二人は最期にあなたの生きてる姿を見たかったから、ここまで歩いて来た。
そしてあなたは生きたかったから二人を殺した。そうじゃありませんか?」
「…君、名前は?」
長い沈黙の後、マシューが口を開いた。
「真希って言います。」
「マキか…。その名前、死ぬまで覚えておくよ。
マキ…君はこの街で見た中で、一番綺麗な瞳をしている。」
:09/09/08 01:27
:SH705i
:0WCPcnl.
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