WHITE★CANDY
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#651 [ぎぶそん]
『8月16日。
奴らアンデッドの研究は一向として難航し続けている。
しかし、神は我を見放してはいなかった。
我が孫・クリスは交通事故による脳外科手術の後、IQ200の超天才児として生まれ変わったのだ。
大至急、クリスも私のいる研究チームに参加することとなった。
彼は言う。自分ならこの未知なるゾンビ病の蔓延に歯止めを刺すことが出来ると』

クリスって、今私の目の前にいるこの少年のこと?
クレア博士と血縁関係に当たってたんだ…―

⏰:09/10/10 18:38 📱:SH705i 🆔:ZzNcONIA


#652 [ぎぶそん]
『8月22日。
なんということだ。
目の前で母親を失ったショックからクリスは記憶を失い、言葉を失い、感情を全く表さず、まるで覇気のない人形へと変貌を遂げた。
クリスよ、どうか自分の考えた研究内容を思い出してくれ…。
忘れた記憶を、取り戻してくれ…』

クリスが今の状態になった原因が、克明に記されていた。
クレア博士は、クリス自身に記憶を取り戻して欲しかったんだ。

⏰:09/10/10 18:55 📱:SH705i 🆔:ZzNcONIA


#653 [ぎぶそん]
記憶…思い出す…感情…思い出…。
もしかして…。

私は、二番目に手に入れたアイテム・『古びたアルバム』をクリスの目の前に広げた。

お願い。これで合っていて…―

広げたアルバムが、クリスを前にして眩しく光り始める。

⏰:09/10/10 19:02 📱:SH705i 🆔:ZzNcONIA


#654 [ぎぶそん]
「…マキ、僕を命懸けでここまで連れてきてくれてこと、今一度感謝するよ」

先程まで口を聞いてくれなかった少年が、幼子と思えないくらいほどはきはき喋る。
クリスが失っていた記憶や感情を取り戻し、本来の姿に戻ったようだ。

「僕の名前はクリス・クインテット。この研究施設の第一責任者クレア・クインテットは僕の祖父に当たる。
僕はゾンビ病を防ぐワクチン開発研究チームの一任者として任されていた」

⏰:09/10/10 19:07 📱:SH705i 🆔:ZzNcONIA


#655 [ぎぶそん]
「そのゾンビ病を防ぐことは出来そう?」
私は自分より遥かに賢そうな彼に尋ねてみた。

彼が、ズボンのポケットから何かを取り出す。
小石のように見える。

「…これは、この街に落下した隕石の破片。これからDNA細胞を採取してワクチンを作る。僕はこれを拾っていた矢先に車に轢かれたんだ」

淡々と科学的な説明をする少年に、思わず怖じけづきそうになる。

「私が現実世界に戻るにはどうすればいいの?」
今一番気になってることを今度は尋ねた。

⏰:09/10/10 19:24 📱:SH705i 🆔:ZzNcONIA


#656 [ぎぶそん]
僕について来て、と彼が言いながら足を進めた。

二人で階段を上り続け、建物の屋上へとやって来た。
街にはすっかり、朝日の光が射し込んでいた。
朝ぼらけに、辺り一面の景色が見える。

「外に出たけど、一体ここに何かあるの?」

「マキ。君たちバイオハンターの使命は、アンデッドたちを安らかに冥土へと送ってあげること。
奴らは光に弱い。
意味は分かるだろ?」

「…あっ!!」

⏰:09/10/10 19:37 📱:SH705i 🆔:ZzNcONIA


#657 [ぎぶそん]
私は東の空に映る太陽に向かって一つ目のアイテム、「聖なる反射鏡」をかざした。
その瞬間、四方八方、ありとあらゆる方角にすさまじい勢いで太陽光が反射する。

町中からアンデッドたちのうごめくような唸り声が聞こえる。
皆、安らかに眠って…―

そして、エンディングテーマと思われる曲が、この街全体に流れ始めた。
隣にいたクリスが「お疲れ様、マキ」といいながら穏やかに微笑む。

⏰:09/10/10 19:45 📱:SH705i 🆔:ZzNcONIA


#658 [ぎぶそん]
「僕はこれから、この世界の未来を切り開いていく為に自分の力を最大限に活用し、世界の修復の為に自分の力を全力で注ぐ。

君にも、自分の生きている世界で自分の道を切り開いていって欲しい。
どんなに非情な世を渡ることになろうとも、くじけず闘い続けて欲しい。
そして、君ならそれが出来る、マキ」

「分かった。約束するわ…」

私たちは力強く握手をした。

「マキ、本当に有難う。君のことは、ずっと忘れない」

そこから、私の意識が遠退いていく。

⏰:09/10/10 19:52 📱:SH705i 🆔:ZzNcONIA


#659 [ぎぶそん]
「ん…」
目を開け、仰向けになっていた身体を起こす。
辺り一面、音も光もない真っ暗闇な世界。
その中で、ただ一人だけいる私。

『ミス・マキ。
ゲームクリア、おめでとうございます。
あなたはこの世界を救った、たった一人の戦士です。
さあ、あなたの願いを聞かせて下さい。
仰せのままに致しましょう』

目の前の特大モニターに映る、アイリーンの姿。
どうやら、私はゲーム当初にいた場所に戻って来たようだ。

⏰:09/10/10 20:03 📱:SH705i 🆔:ZzNcONIA


#660 [ぎぶそん]
「…遠慮するわ」

「…と、申しますと?」

「お母さんとの思い出も、思い出したくなったらその時思い出す。欲しいと思う才能や能力も、自分の力で努力して手に入れる」

これは建前なんかじゃなく、れっきとした自分の本音である。
クリスと約束したんだ。
自分の道は、自分で切り開くって。

「アハハ。そうくると思いましたよ」
アイリーンがおどけた様子で笑う。

⏰:09/10/10 20:10 📱:SH705i 🆔:ZzNcONIA


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