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#121 [蛍火]
 
そっとお腹に手を当ててみる

あたたかい温もりを感じた


そうだ、
私のお腹には小さな命が一生懸命生きているんだ…

この子を殺したら私はあの汚らわしい男達と同類だ

人殺しだ
 

⏰:09/02/03 13:23 📱:auCA3C 🆔:fkLkKwkQ


#122 [蛍火]
 
この子は何も悪くない
ただ…生きているだけ


その命を私は殺すの?
男達を忘れるために私は殺すの?

いや、それは間違ってる
この子を殺したって
あの忌まわしい出来事は一生忘れる事は出来ない


殺して罪悪感に付きまとわれるより
私はこの子を精一杯愛したい


―――この子を産みたい

⏰:09/02/03 13:29 📱:auCA3C 🆔:fkLkKwkQ


#123 [蛍火]
 

でも両親は
どこの誰が父親か分からない子を産むなんて馬鹿げてる、と反対した

厳格な父だったし
私はまだ中2

周りの体裁ばかり気にして中絶しろと言ってくる

母までも私が産む事を反対した

⏰:09/02/03 13:42 📱:auCA3C 🆔:fkLkKwkQ


#124 [蛍火]
 
初めて母が憎いと思った

なんで分かってくれないの?
いつも私に優しかったじゃない
どうして賛成してくれないの?


もういい
こんな家出てってやる

1人で産んで育てるんだ

⏰:09/02/03 13:54 📱:auCA3C 🆔:fkLkKwkQ


#125 [蛍火]
 
荷物をまとめ
後先考えずに出て行こうとする私に母は呼びかけた


「絢音!待ちなさい」


振り返って見ると
母は泣いていた

涙をボロボロ流し
泣いていた

⏰:09/02/03 14:02 📱:auCA3C 🆔:fkLkKwkQ


#126 [蛍火]
 
「私の元を離れるなら強くなりなさい。」

そう言うと
私に通帳と印鑑を持たせた


「さぁ行きなさい!」


そして泣きながら私を追い出した
 

⏰:09/02/03 14:17 📱:auCA3C 🆔:fkLkKwkQ


#127 [蛍火]
 

大きなバッグを持って私が向かった先は
あの女の子の家

知り合ってまだ間もないけど
私にとって彼女は
親友とも言える存在になっていた


「私、産む事に決めたよ」


彼女はなんて言うだろうか
やっぱり反対するだろうか

私は思い切って彼女に打ち明けた

⏰:09/02/03 15:14 📱:auCA3C 🆔:fkLkKwkQ


#128 [蛍火]
 
「そっか…絢音が決めたんだから私は応援するよ」


彼女は…賛成してくれた
応援してくれた

この町から出て行く前に
ここに来てよかった

打ち明けてよかった

これからどうなるか分からないけど
頑張れる気がした

⏰:09/02/03 15:28 📱:auCA3C 🆔:fkLkKwkQ


#129 [蛍火]
 
「そんなに荷物持ってどっか行くの?」

彼女が私の荷物を指差して不思議そうに聞いてきた


「旅行に行くんだ」

「そっか!いいなぁ
楽しんできなね!」

とっさに嘘をついた
だって心配かけたくないし
この町には二度と戻らない

⏰:09/02/03 15:35 📱:auCA3C 🆔:fkLkKwkQ


#130 [蛍火]
 
「じゃ帰るね!」

「うん、また明日!」

「また明日!ばいばい」




そして私はさよならした

家族と親友とこの町に


もう二度と戻らない
私は強くなるんだ

⏰:09/02/03 15:40 📱:auCA3C 🆔:fkLkKwkQ


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