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#101 [蛍火]
あーちゃんさん
ありがとうです
(*´・ω・`*)
:09/02/02 21:54 :auCA3C :xDDY4smc
#102 [蛍火]
「ちょ.なんだったの…」
私は今までの流れについて行けずぺたんと座り込んだ
しばらく放心状態になり
何も考えられなかった
はぁ…
何してんだろ。私
:09/02/02 22:16 :auCA3C :xDDY4smc
#103 [蛍火]
それに…何で泣いたんだろ。私
演技をしなかったから?
いつもと違うのは確実にそこ
そっか
素の私はあれだけで
泣いちゃうくらい弱いんだ
もう男には慣れたはずなのに
本当は全然慣れてなかった
やっぱり怖いよ。
:09/02/02 23:17 :auCA3C :xDDY4smc
#104 [蛍火]
中2の時、
あの日…
母に無理して笑って登校した日
「絢音!おはよっ」
いつも私を殴っていた女が馴れ馴れしく話しかけてきた
「今までごめんね
絢音に酷い事ばっかりして…」
私に頭を下げて謝ってくる
:09/02/02 23:32 :auCA3C :xDDY4smc
#105 [蛍火]
最初は信じられなかった
何か裏があるような気がして
でも
また友達が出来た事が嬉しくて
また前みたいに戻れたみたいで
凄く嬉しかったんだ
:09/02/02 23:53 :auCA3C :xDDY4smc
#106 [蛍火]
一度裏切られているのに
人はどうしてまた信じてしまうんだろう
疑いも少しあったんだよ
でも私はまだ見抜けなかった
だって私はまだ幼すぎた
「絢音、今日から一緒に帰ろ!放課後教室で待ってて」
:09/02/03 00:26 :auCA3C :fkLkKwkQ
#107 [蛍火]
私は教室に1人で待ってた
みんな帰って教室に誰もいなくなるまで
そして3人の男達に
無理矢理犯されたんだ
:09/02/03 00:44 :auCA3C :fkLkKwkQ
#108 [やな]
頑張れ(艸)
更新待ってる
:09/02/03 00:54 :F706i :0je7NjCI
#109 [蛍火]
「やだーー!やめてっ
誰か助けて!」
「来る訳ねーだろ!ギャハハハ」
「可哀想だねぇ
絢音ちゃぁーん?」
アハハハハッ
笑いながら私を玩具のように扱う男達
何度叫んでも誰も来てくれない
:09/02/03 01:00 :auCA3C :fkLkKwkQ
#110 [蛍火]
やなさん
見てくれてありがとです!
頑張りますっ(^^)!
:09/02/03 01:02 :auCA3C :fkLkKwkQ
#111 [蛍火]
もう無駄だ
こんな抵抗しても泣き叫んでも無意味なんだ
そして初体験も憧れていたファーストキスも簡単に奪われた
「何してんのよ!あんたたち通報したから!」
:09/02/03 01:14 :auCA3C :fkLkKwkQ
#112 [蛍火]
えっ……?
教室内に響く女の子の声
―――――――誰!?
男達は慌てて逃げていく
私…助かったの?
そして女の子が駆け寄ってきた
「大丈夫!?もっと早く来てればこんな…っ…グスッ…ごめんね」
:09/02/03 01:26 :auCA3C :fkLkKwkQ
#113 [由姫]
き…気になるっ!更新頑張って下さい
:09/02/03 01:57 :D902iS :Gwen89Ww
#114 [蛍火]
その子は私の震える体を
抱き締め制服を整えてくれた
「私ね、明日からこの学校に通うんだ!今日は先生方に挨拶しに来てたの」
くりくりの目に
ふわふわした短い髪
とても可愛らしい女の子だった
「一応あなたの意志聞かないとって思って
まだ通報してないんだけどどうする?」
:09/02/03 10:17 :auCA3C :fkLkKwkQ
#115 [蛍火]
由姫さん
頑張ります(´・ω・`)!
:09/02/03 10:18 :auCA3C :fkLkKwkQ
#116 [蛍火]
私は親に知られたくなかった
だから
通報しなかった
そして私なら大丈夫、大丈夫
今日あった事は忘れようって
自分に言い聞かせた
助けてくれた女の子は
それから毎日私と一緒にいてくれた
学校にも彼女と一緒に通えるようになった
虐められても彼女は必ず私を助けに来てくれた
:09/02/03 10:30 :auCA3C :fkLkKwkQ
#117 [蛍火]
でも初めて助けてくれた日、
私がレイプされた日
彼女は
間に合わなかったんだ
助けに来てくれたけど
もう遅かったんだ
私の子宮には
狂ったように笑う男達の精子が入り込んでしまっていた
:09/02/03 12:30 :auCA3C :fkLkKwkQ
#118 [蛍火]
そして
――新たな命が宿った
妊娠検査薬を貯めてたお小遣い全て使って7本も買った
浮かび上がる印を認めたくなくて7回も試した
嘘だ…嘘だ嘘だ!
あんな男の赤ちゃんが宿ってるなんて!
怖いよ…忘れようとしてたのに…なんで…っ
:09/02/03 12:48 :auCA3C :fkLkKwkQ
#119 [蛍火]
もしかしたら間違ってるんじゃないか
この検査薬が不良品で壊れてるんじゃないか
でも検査薬は私を嘲笑うかのように同じ結果を出す
その度に私の微かな期待は絶望へと引き戻される
私は泣きながら自分の腹を殴った
恐ろしい光景が蘇ってくる
怖いッ…やめてッ…
肩が震える
:09/02/03 13:06 :auCA3C :fkLkKwkQ
#120 [蛍火]
『痛いよぉ…叩かないでママっ』
…っ!?
私は驚いてその場に座り込んだ
だって…今
子供の声が聞こえた気がした
いや確かに聞こえたんだ
:09/02/03 13:16 :auCA3C :fkLkKwkQ
#121 [蛍火]
そっとお腹に手を当ててみる
あたたかい温もりを感じた
そうだ、
私のお腹には小さな命が一生懸命生きているんだ…
この子を殺したら私はあの汚らわしい男達と同類だ
人殺しだ
:09/02/03 13:23 :auCA3C :fkLkKwkQ
#122 [蛍火]
この子は何も悪くない
ただ…生きているだけ
その命を私は殺すの?
男達を忘れるために私は殺すの?
いや、それは間違ってる
この子を殺したって
あの忌まわしい出来事は一生忘れる事は出来ない
殺して罪悪感に付きまとわれるより
私はこの子を精一杯愛したい
―――この子を産みたい
:09/02/03 13:29 :auCA3C :fkLkKwkQ
#123 [蛍火]
でも両親は
どこの誰が父親か分からない子を産むなんて馬鹿げてる、と反対した
厳格な父だったし
私はまだ中2
周りの体裁ばかり気にして中絶しろと言ってくる
母までも私が産む事を反対した
:09/02/03 13:42 :auCA3C :fkLkKwkQ
#124 [蛍火]
初めて母が憎いと思った
なんで分かってくれないの?
いつも私に優しかったじゃない
どうして賛成してくれないの?
もういい
こんな家出てってやる
1人で産んで育てるんだ
:09/02/03 13:54 :auCA3C :fkLkKwkQ
#125 [蛍火]
荷物をまとめ
後先考えずに出て行こうとする私に母は呼びかけた
「絢音!待ちなさい」
振り返って見ると
母は泣いていた
涙をボロボロ流し
泣いていた
:09/02/03 14:02 :auCA3C :fkLkKwkQ
#126 [蛍火]
「私の元を離れるなら強くなりなさい。」
そう言うと
私に通帳と印鑑を持たせた
「さぁ行きなさい!」
そして泣きながら私を追い出した
:09/02/03 14:17 :auCA3C :fkLkKwkQ
#127 [蛍火]
大きなバッグを持って私が向かった先は
あの女の子の家
知り合ってまだ間もないけど
私にとって彼女は
親友とも言える存在になっていた
「私、産む事に決めたよ」
彼女はなんて言うだろうか
やっぱり反対するだろうか
私は思い切って彼女に打ち明けた
:09/02/03 15:14 :auCA3C :fkLkKwkQ
#128 [蛍火]
「そっか…絢音が決めたんだから私は応援するよ」
彼女は…賛成してくれた
応援してくれた
この町から出て行く前に
ここに来てよかった
打ち明けてよかった
これからどうなるか分からないけど
頑張れる気がした
:09/02/03 15:28 :auCA3C :fkLkKwkQ
#129 [蛍火]
「そんなに荷物持ってどっか行くの?」
彼女が私の荷物を指差して不思議そうに聞いてきた
「旅行に行くんだ」
「そっか!いいなぁ
楽しんできなね!」
とっさに嘘をついた
だって心配かけたくないし
この町には二度と戻らない
:09/02/03 15:35 :auCA3C :fkLkKwkQ
#130 [蛍火]
「じゃ帰るね!」
「うん、また明日!」
「また明日!ばいばい」
そして私はさよならした
家族と親友とこの町に
もう二度と戻らない
私は強くなるんだ
:09/02/03 15:40 :auCA3C :fkLkKwkQ
#131 [蛍火]
電車に揺られ辿り着いたのは東京
母から渡された通帳には200万入っていた
使いたくないけど
生きるには使うしかない
まずは住む家を探した
でも中学生に貸してくれる業者なんてそう簡単に見付からない
私は駅前で手当たり次第に声をかけ住ませてくれる人を探した
:09/02/03 15:48 :auCA3C :fkLkKwkQ
#132 [蛍火]
すると1人のおばあちゃんが
私に耳を傾けてくれた
その人が大家のおばあちゃん
この人に出逢えなかったら
私は今頃どうなっていたんだろう
おばあちゃんは出産する時の
手続きにも手を貸してくれた
:09/02/03 16:00 :auCA3C :fkLkKwkQ
#133 [蛍火]
そして無事出産することが出来た
私が望んで育てた実
私が望んで産んだ命
命名 望実
:09/02/03 16:07 :auCA3C :fkLkKwkQ
#134 [蛍火]
でも私は本当に望実を産んでよかったのかな…?
これで正解だったのかな…?
望実が成長するに従って分からなくなる
そして母から貰った200万は出産費用と家賃、生活費で
いよいよ底がついた
:09/02/03 16:37 :auCA3C :fkLkKwkQ
#135 [蛍火]
働かなきゃ…
中学生でも働ける場所
2人分の生活費が稼げる場所
そんな都合のいいバイトなんてある訳なかった。
あるとすれば
援助交際
:09/02/03 16:43 :auCA3C :fkLkKwkQ
#136 [蛍火]
それだけは嫌だ
怖い、男の人が怖い
あの感覚を思い出すだけで吐き気がする
でもこのままでは生きていけない
お金がなきゃ望実も私も生きていけない
駄目。強くならなきゃ
私は 母になったんだから
:09/02/03 16:53 :auCA3C :fkLkKwkQ
#137 [蛍火]
妖しい夜のホテル街にやってくると
覚悟を決めたはずなのに体が震え足がすくむ
すると50代半ばくらいの太った男と
まだ高校生であろう綺麗な女の子が仲良さげに歩いてきた
明らか援助交際
:09/02/04 09:41 :auCA3C :Vl7Uzv2M
#138 [蛍火]
女の子は私とは正反対のように男に寄り添って歩く
怖くないの?
どうして笑顔でいられるの?
にこにこ笑いながら男に話しかけている
男を誘っているような癖のある声
パンツが今にも見えそうな程のミニスカート
:09/02/04 09:47 :auCA3C :Vl7Uzv2M
#139 [蛍火]
分かった…
私はあの女の子になりきればいいんだ
そうすれば私は別人になれる
男と寝るのは私じゃない
私とは違う女の子
だから男なんて怖くないんだ
寧ろ男は金をくれる大切なお客さんだ
:09/02/04 09:54 :auCA3C :Vl7Uzv2M
#140 [蛍火]
そして
この日から援交で金を稼ぐようになった
素の自分が弱い程、別の女を演じることは簡単だった
数え切れない程のセックスをした
だから男にはもう慣れたって思ってた
でも慣れていたのは私ではなく
私の作り出した別人の方だったんだ
:09/02/04 10:07 :auCA3C :Vl7Uzv2M
#141 [蛍火]
そう、私はまだ男が怖い…
でもどうしてあの男は
途中で止めたんだろう
抱きに来たんじゃないから?
それとも私が泣いたから?
いや泣いたからといって止めるような男には見えない
ただ男の手は温かかった。
:09/02/04 12:43 :auCA3C :Vl7Uzv2M
#142 [蛍火]
ずっと座り込んだまま動かなかった私は
やっと落ち着きを取り戻し時計を見た
もう上がりの時間。
「帰ろ。」
:09/02/04 12:50 :auCA3C :Vl7Uzv2M
#143 [蛍火]
私はドレスを脱ぎ洗面所で厚く塗っていた化粧を落とした
鏡に映るすっぴんの私
私はいつも目立たないように地味服を着てすっぴんで帰る
この容姿がなるべく地味になるように
なるべく一目につかないように
:09/02/04 13:09 :auCA3C :Vl7Uzv2M
#144 [蛍火]
「帰ります。お疲れ様でした」
店長に声をかけ私は外に出た
すると私の姿を見て
煙草を吸いながら近付いてくる男が1人
忘れもしない
私をウーロン茶まみれにした男
:09/02/04 13:15 :auCA3C :Vl7Uzv2M
#145 [蛍火]
嫌な予感がする…
私は男を避けるように歩き出した
「あっ葵ちゃん?だっけ
ちょっと待って!」
げっ…!予感的中…
あの男の仲間だ
逃げなきゃ!
:09/02/04 13:25 :auCA3C :Vl7Uzv2M
#146 [蛍火]
「ちょっおい!無視すんな!
絶対気付いてるだろっ」
そう言い男は私の横に並んで歩き出した
もう面倒な奴と絡みたくないのにー!
「何の用ですか」
私は前を見たまま男に言った
:09/02/04 13:33 :auCA3C :Vl7Uzv2M
#147 [蛍火]
男はスーツは着てるけどあの男とは全く違った雰囲気
髪は目の覚めるような金髪
耳には大量のピアス
絶対チャラい←主観
身長は…多分あの男と同じくらい
絵に描いたような
いかにもホストって感じ
:09/02/04 13:56 :auCA3C :Vl7Uzv2M
#148 [蛍火]
「そんなツンツンしないでよー
まだ怒ってんのー?
こないだ謝ったじゃんかぁ」
うん、声はギャル男だな
やっぱりチャラい←主観(二回目)
怒ってるに決まってるじゃないか!
お前のせいで私には烏龍茶臭いイメージがついたんだよ!
でも口には出さない
あたしは大人だから、ね
「別に怒ってませんから」
:09/02/04 14:07 :auCA3C :Vl7Uzv2M
#149 [我輩は匿名である]
:09/02/04 14:43 :SH903i :iDDUEnQQ
#150 [蛍火]
「いや怒ってますオーラぷんぷんしてますよ!プハッ」
うざ…
私は男を睨みつけた
「で、何の用なんですか!」
「あーなんか遥に葵ちゃん送ってけって言われたんだよねー」
「は!?なんで!」
「知らね」
:09/02/04 15:52 :auCA3C :Vl7Uzv2M
#151 [蛍火]
ちょっ知らねって何それ!
しかも送ってなんて頼んでない!
「ちゃんと答えなさいよ!」
「まじ知らねーって。葵ちゃんのこと好きなんじゃねー?」
「………」
男はニヤリと笑って私をからかうように見てきた
:09/02/04 16:09 :auCA3C :Vl7Uzv2M
#152 [蛍火]
「ばっかじゃないの」
「うっわーノリ悪!」
私は冷めた表情で男を見た
この男テンション高すぎ…
「てか送って貰わなくていいですから」
「むりー。俺殴られちゃう」
「私には関係ないですから」
「ひでぇ!」
「どうぞ帰って下さい」
:09/02/04 16:51 :auCA3C :Vl7Uzv2M
#153 [蛍火]
「いや送るし」
もうやだ!
あの男もしつこいけど
この男も負けないくらいしつこい
どっと疲れが…
「ストーカーですか。通報しますよ」
「葵ちゃんこわいなぁーきゃぁー」
「気持ち悪い」
男は左手に煙草を持って楽しそうにケラケラ笑っている
:09/02/04 17:03 :auCA3C :Vl7Uzv2M
#154 [蛍火]
「俺ねー翼って言うの」
「へぇ」
本当に家まで付いてくる気なの?
本気でやめて欲しい
でもこのしつこさだと何言っても付いてくるよな…
はぁ…最悪だ
なんであの男も送れなんて命令したんだ
:09/02/04 17:13 :auCA3C :Vl7Uzv2M
#155 [蛍火]
「翼さまって呼んでね」
「はいはい翼ね.翼」
「あっ呼び捨てかよ!さま忘れんなポンコツ!」
「お前は子供か」
隣でベラベラ喋っている翼を適当にあしらい
いつもの自販機で飲み物を買う
:09/02/04 18:19 :auCA3C :Vl7Uzv2M
#156 [蛍火]
「ジュース買うのー?」
んーどうしよ
いつもの烏龍茶にしたいけど隣には翼がいるし…
なんか買いづらい
今日は違うのにするか
私は仕方なくレモンティと望実にあげるミルクティを買った
「えっ二本?あー.でも俺コーヒーがよかったー」
:09/02/04 18:34 :auCA3C :Vl7Uzv2M
#157 [蛍火]
「何言ってんの。あげる訳ないでしょ」
「ちげーのかよ!1人で二本とか欲張りだな」
「うるさい」
ミルクティは望実のだし
そういえばあいつ…
“木曜日にね”
って言ってたな
:09/02/04 18:49 :auCA3C :Vl7Uzv2M
#158 [蛍火]
もしかして……
また来る気!?
「ねぇ翼!!」
私は横にいる翼の腕を掴み問いかけた
「なっなんだよ!急に大声出すなっ
ビックリするだろ!」
「あ.ごめん
あいつ木曜日に来るって言ってた?」
:09/02/04 19:02 :auCA3C :Vl7Uzv2M
#159 [蛍火]
翼はきょとんと首を傾げ何のことか分からない様子
「どこにー?」
「だから私のとこに!」
「あ、そーなの?」
「いや私が聞いてるんだけど」「俺は知らねーよ」
聞いた私が馬鹿だった
あ…そういえば
私があいつにいつ入ってるか聞かれたんだ
それで私は木曜日って答えて…
木曜日にねって言われたんだっけ
:09/02/04 19:34 :auCA3C :Vl7Uzv2M
#160 [蛍火]
てことは…
今度こそ抱きに来るのか…?
嫌だ
今日の分だと私.確実にまた泣くような気がする
どうしよう
どうすれば回避できる?
あ…翼だ!
翼に頼んでなんとか来ないように出来ないかな
「ねぇ翼!!」
:09/02/04 23:07 :auCA3C :Vl7Uzv2M
#161 [蛍火]
「は!?なに今度は」
「木曜日にまたあいつが私んとこに来るらしいの!
だから来ないようにして欲しいんだけど!お願い!」
私は翼に下げたくもない頭を
しぶしぶ下げ手を合わせて頼んでみた
翼は沈黙したままだ
早く返事してよ!
お願いだから!
:09/02/04 23:18 :auCA3C :Vl7Uzv2M
#162 [我輩は匿名である]
あげっ
:09/02/04 23:49 :F904i :oV6OA2qI
#163 [蛍火]
やっぱり無理かな…
「なんで来ないで欲しいの?」
「へっ?」
顔を上げると翼はニヤニヤ笑って私を見ている
「なんでって…苦手だから」
なに笑ってんのこいつ
気持ち悪い
私は怪訝な表情で翼を見た
:09/02/05 07:19 :auCA3C :oUf1kJbM
#164 [蛍火]
あげ有難うです(^^)
:09/02/05 07:19 :auCA3C :oUf1kJbM
#165 [蛍火]
「しょうがないなー」
翼はふぅーっと煙草の煙を出すと
私の頭をポンポンと撫でた
「え!いいの?」
「んー」
そして私が期待してた返事を出した
「よかった!ありがとう翼!」
これで大丈夫だ
頼んでよかった!
:09/02/05 09:13 :auCA3C :oUf1kJbM
#166 [蛍火]
「翼さまは優しいからな」
「………」
一言余計だけど
まぁ断られるかと思ったけど案外あっさりだったな
「てかどんだけ歩くんだよー
もう30分近く経ってんだけど」
「仕方ないじゃない。始発まだなんだから」
「は?いつも電車で来てんの?」
「うん」
:09/02/05 09:22 :auCA3C :oUf1kJbM
#167 [蛍火]
「なのに帰りは歩き?」
「うん」
「いや始発まで待てばいいじゃん!」
「待たない。
早く帰りたいし」
そう、私はいつも歩いて帰る
だって望実が心配だから
1人でちゃんと眠れてるかな…とか
1人で泣いてないかな…とか
心配で堪らない
始発なんか待ってられないよ
:09/02/05 09:29 :auCA3C :oUf1kJbM
#168 [蛍火]
「どんくらいで着くんだよ」
「あと30分くらい」
「はぁ!?」
うるさいなぁ!もう
翼は信じられないといった様子だ
すると何かを見つけたように私の手をとって歩き出す
「ちょっ何すんのよ!」
:09/02/05 09:48 :auCA3C :oUf1kJbM
#169 [蛍火]
私のことなんかお構いなしに引っ張ってくる
「離せってば!」
「うるせーなー
もう疲れたんだよっ」
そう言って立ち止まったのは数台のタクシー前
「………」
翼は当然のように一台のタクシーに乗り込む
「何してんだよ
早く乗れってー」
:09/02/05 09:58 :auCA3C :oUf1kJbM
#170 [蛍火]
手を引っ張られていた私は必然的に前のめりになる
「離してよ!私歩いて帰るからいい!」
お金勿体ないし
まだ二回しか会ったことない奴とタクシーなんか乗ったら
変なとこに連れて行かれるかもしれない!
いや運転手さんがいるから大丈夫かもしれないけど…
もしもだよ!もしもの場合!
私は手をぶんぶん振って必死に振り払おうともがいた
:09/02/05 10:17 :auCA3C :oUf1kJbM
#171 [蛍火]
「もー駄々こねんなよ」
「うわっ!?」
グイッと翼に引っ張られ私はタクシーの中に倒れ込んだ
「ちょっと!何すんのよ!」
私は翼を睨んで怒鳴った
乗らないって言ってるのに!
翼は私の腕を掴んだまま素知らぬ顔で携帯を取り出した
:09/02/05 11:14 :auCA3C :oUf1kJbM
#172 [蛍火]
「そんな長時間歩いてられっかよ.ばぁーか」
「別に頼んでないし!」
「俺は頼まれてんの」
「私には関係ない!」
「黙れウーロン茶」
「な…っ!
もとはと言えばあんたが悪いんでしょ!」
なんで私がこんな目に合わなきゃなんないのよ!
『あのー……』
:09/02/05 11:32 :auCA3C :oUf1kJbM
#173 [あーちゃん*~]
更新率高くて
嬉しいですっ
楽しみにしています
★
:09/02/05 11:36 :SH905i :lAv7phnU
#174 [蛍火]
ギャーギャー騒いでる私達に
運転手さんが入りづらそうに声をかけた
「あ…」
運転手さんの存在忘れた…
「お取り込み中すいません;
行き先はどうしましょう…?」
人前でこんなに言い合いするなんて…
恥ずかしい
穴があったら入りたいくらい恥ずかしい
:09/02/05 11:56 :auCA3C :oUf1kJbM
#175 [蛍火]
あーちゃんさん
どもです><//
長編になる予定なので途中でつまんなくなったらすいませんorz
:09/02/05 11:58 :auCA3C :oUf1kJbM
#176 [蛍火]
「ほら早く言えよー」
「えっ…あぁ…」
うぅ…
やっぱり乗らなきゃいけないのか…
これ以上運転手さんに困らす訳にもいかないし
しょうがないか…
結局私はタクシーに乗って帰ることになった
:09/02/05 12:35 :auCA3C :oUf1kJbM
#177 [蛍火]
なんだかなぁ…
そういえば
こんなに男と仕事以外で喋るのっていつぶりだろう
もう何年も話してない
なのに自然と普通に会話出来てる
不思議…
ふと隣にいる翼を見ると携帯をピコピコと忙しそうに打っている
:09/02/05 13:00 :auCA3C :oUf1kJbM
#178 [蛍火]
よく見れば結構良い顔立ちをしている
男は整った顔でも虐められたりはしないんだろうな
女の嫉妬は怖い
私も男だったら良かったのに
そんなくだらないことを考えていると
翼が私の視線に気付いた
「なーに?惚れちゃいましたかー?」
:09/02/05 13:34 :auCA3C :oUf1kJbM
#179 [蛍火]
「ばっかじゃないの」
「黙れウーロン茶」
「………」
それからまた言い合いが始まったのは言うまでもなく
そしてあっという間に家に着いた
しかし翼は全く降りる様子がない
このまま乗って帰るんだろう
「はいお金」
私は翼に乗った分の金額を差し出した
:09/02/05 14:11 :auCA3C :oUf1kJbM
#180 [蛍火]
「あ?いらねーよ」
「自分の分は自分で払う」
「俺行くとこあるし、お前はオマケだから払う必要ねーの」
「オマケ!?」
「じゃあのー」
バタン…ブゥーン…
「…………」
翼はニコニコ笑いながら
手を振り行ってしまった
:09/02/06 09:45 :auCA3C :3AjXiBTQ
#181 [蛍火]
あーもう
あの男も翼も勝手すぎる!
まぁいいや…
やっと家だしタクシーだったからいつもより早く着いた
ドアノブに鍵を差し込み静かに開ける
「ただいまぁ」
私は小声でただいまを言うと
真っ直ぐ布団へ向かった
:09/02/06 09:56 :auCA3C :3AjXiBTQ
#182 [なる]
面白いです^ω^
頑張ってください
:09/02/06 10:19 :D904i :Ojq/DkUg
#183 [蛍火]
布団には望実が可愛い寝息を立てて眠っていた
柔らかい茶色がかった髪をそっと撫でる
一緒に寝てあげられなくてごめんね
罪悪感ばかりが私を責める
望実の手を握りながら
私も眠りについた
:09/02/06 12:27 :auCA3C :3AjXiBTQ
#184 [蛍火]
なるさん
ありがとです(^^)★
:09/02/06 12:28 :auCA3C :3AjXiBTQ
#185 [蛍火]
そして3日が経ち
今日は木曜日
「なんで……」
「なにが?」
仕事用のメイクとドレスを着た私の前にいるのは
来るはずのないあの男…。
:09/02/06 12:47 :auCA3C :3AjXiBTQ
#186 [蛍火]
男は相変わらずスーツに煙草
無表情で椅子に座り私を見る
「なんでいるんですか…」
「来るって言ったろ」
確かに木曜日にねって言ってたけども!
「でも翼にっ…!」
「は? 翼?」
男は怪訝な顔で煙草を灰皿に置いた
:09/02/06 12:58 :auCA3C :3AjXiBTQ
#187 [蛍火]
「あ…いや…」
もしかして、、
こいつ翼から何も聞いてない?
……ふざけんな翼!!
うんって言ったじゃん!
あの時少し良い奴だなって思ったのに!
騙された…
なんでこうなるんだ
やっぱり男は信用出来ない
少しでも良い奴だなんて思った自分に腹が立ってくる
:09/02/06 13:07 :auCA3C :3AjXiBTQ
#188 [蛍火]
いや女の方が信用出来ないが
悔しい
「翼が何だよ」
「…!?」
いつのまにか下を向いて
歯を食いしばっていた私の耳元に低い声が入ってきた
顔を上げると男がすぐ目の前にいる
「ちょっ!近付かないで!」
:09/02/06 13:17 :auCA3C :3AjXiBTQ
#189 [蛍火]
私は慌てて男から離れた
すると男は更に怪訝な表情になり私に近付いてくる
「ストップ!それ以上近付いたら殴るわよ!」
男の力に勝てる訳ないって分かっているのに弱い脅し文句を口走る
「だから翼が何だよ」
男はどんどん近付いてくる
:09/02/06 13:29 :auCA3C :3AjXiBTQ
#190 [蛍火]
「翼からなんか言われませんでした!?」
「何を」
何をって…
私があんたを来ないように頼んだなんて
言えないだろ!!
「だからっその…今日は行かない方がいいですよ的な事を…」
:09/02/06 13:43 :auCA3C :3AjXiBTQ
#191 [蛍火]
私がしどろもどろに答えると
男は立ち止まった
「あー…そういえば」
「えっ?」
聞いてたのか!?
「お前が俺に来んなって言えって翼が言われたって言ってた」
…ん?
つまり翼はストレートにそのまま言ったってこと?
:09/02/06 14:00 :auCA3C :3AjXiBTQ
#192 [蛍火]
ちょっ駄目じゃん!
そのまま言っちゃ!
来ないようにしてくれとは言ったけど
あからさまに来るなとか言ったら頼んだのモロバレじゃん!
てか来るなって言われたのに普通来る!?
「なら何で来たんですか!」
「照れてんのかと思って」
:09/02/06 14:07 :auCA3C :3AjXiBTQ
#193 [蛍火]
はああああ!?
男は真顔で答えそのままテーブルの方に戻っていく
私はホッと肩をなで下ろした
「照れてませんから。逆に嫌がってるんです」
「なんで翼?」
「は?」
男はテーブルの上にある煙草から一本取り出しまた吸い始めた
:09/02/06 14:16 :auCA3C :3AjXiBTQ
#194 [蛍火]
「聞いてんだけど」
「え?」
何を聞いてんの?
なにが翼?
私は意味が分からず首を傾げた
「翼ってなに」
いやいや
何って私が聞きたいくらいなんですけど
「意味が分かりません」
:09/02/06 14:44 :auCA3C :3AjXiBTQ
#195 [我輩は匿名である]
とても面白いです(^^)/
がんばってください★
:09/02/06 14:45 :F904i :BHnjjLnU
#196 [蛍火]
すると男は煙草を持ったまま
また私の方にスタスタと歩いてきた
んなっ!
何でまたこっち来るのよ!
「近付かないで下さい!」
男の足は止まらない
私は呆気なくドアの方に追い詰められてしまった
:09/02/06 15:05 :auCA3C :3AjXiBTQ
#197 [蛍火]
匿名さん
頑張ります!
(`・ω・´)
:09/02/06 15:07 :auCA3C :3AjXiBTQ
#198 [蛍火]
近い…近い近い
男は煙草を持った手をドアにつけ
片方をズボンに突っ込んでいる体制
ドアと男に至近距離で挟まれている私は冷や汗が止まらない
「…何なんですかっ」
私はどうにか離れようと横に移動しようと足を動かした
:09/02/06 15:18 :auCA3C :3AjXiBTQ
#199 [蛍火]
が、
「逃げんなよ」
いつにもまして低い声
その場で固まる私
:09/02/06 15:23 :auCA3C :3AjXiBTQ
#200 [ななみ]
読みやすくて、
面白いです.
頑張ってください
:09/02/06 16:41 :D904i :EeedUx8U
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