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#201 [蛍火]
この圧迫感…
怖くて顔を上げることが出来ない
男の顔が更に近付く気配を感じる
嫌だ
近付かないで
私はギュッと目を瞑った
:09/02/06 19:11 :auCA3C :3AjXiBTQ
#202 [蛍火]
ななみさん
嬉しいです∩^ω^∩
頑張ります!
:09/02/06 19:12 :auCA3C :3AjXiBTQ
#203 [蛍火]
「翼とエロい事してんじゃねーよ」
「はひっ!?」
予想外の言葉に私の声は裏返ってしまった
ななななに言ってんの??
翼とエロいこと!?
そんなんしてませんけど!!
男のその一言で私の体から一気に緊張が解けた
:09/02/06 20:40 :auCA3C :3AjXiBTQ
#204 [蛍火]
「やらしい女だな全く」
いやいや!
寧ろエロい事してんのはあなたの方でしょ
「翼とエロい事なんかしてません!」
「それがエロいって言ってんだよ」
「それってどれですか!」
「呼び方」
:09/02/06 23:51 :auCA3C :3AjXiBTQ
#205 [蛍火]
「はぁ!?頭大丈夫ですか」
呼び方?
ますます意味が分からない
「俺の名前も呼べよ」
「……え」
一瞬心臓がきゅうっとなる感じがした
名前って…
男は鋭い目で私を捉えている
:09/02/07 00:02 :auCA3C :Vg8DTWkw
#206 [蛍火]
「教えただろ」
「………」
うん.まあ教えて貰ったけど…
なんか名前で呼ぶのは抵抗がある
なんでだろ
翼は普通に呼べたんだけどな
「忘れんなよ阿呆」
「忘れてないし!」
咄嗟に顔を上げて答える私
しまった…
忘れとけばよかった
:09/02/07 00:12 :auCA3C :Vg8DTWkw
#207 [やな]
おもしろ〜い(∀)
.
:09/02/07 01:37 :F706i :sPOw9aEk
#208 [蛍火]
男は顔色一つ変えない
「なら呼べよ」
「………」
「照れんなよ」
「照れてない!」
「早く」
「………」
「犯すぞ」
「!!?」
:09/02/07 09:33 :auCA3C :Vg8DTWkw
#209 [蛍火]
やなさん
どもです∩^ω^∩
:09/02/07 09:33 :auCA3C :Vg8DTWkw
#210 [蛍火]
私は驚いて顔を上げると男を睨みつけた
しかし男は無表情で私を見てくる
わ、わかった…
分かったよ!
呼べばいいんでしょ呼べば
犯されたら堪ったもんじゃない
「は…るか…さん」
私はなぜか急に恥ずかしくなって下を向いた
:09/02/07 09:47 :auCA3C :Vg8DTWkw
#211 [蛍火]
「なにその呼び方」
「はい?」
男は怪訝そうな顔をしている
まだ文句があるのか
ちゃんと呼んだじゃないか
「遥でいいし」
「え…呼び捨て?」
「ん」
「それはちょっと…」
さすがに呼び捨ては気が引ける
:09/02/07 12:30 :auCA3C :Vg8DTWkw
#212 [蛍火]
「なんで翼は呼び捨てなんだよ」
「それはなんとなく」
「いいから早く」
んーーーー!!
やっぱりしつこい!
「まだー?」
はいはい分かったよ分かった
「………遥」
:09/02/07 12:35 :auCA3C :Vg8DTWkw
#213 [蛍火]
う………
なんだか顔が物凄く熱い
熱い熱い熱い!!
すると男は満足げな表情で私から離れた
なんだったんだ…
まぁいいや
何もされなくて良かった
ふぅ…
と思った矢先…
再び煙草を口に運びベッドへ仰向けになった
:09/02/07 12:50 :auCA3C :Vg8DTWkw
#214 [蛍火]
まさか…
客なんだから相手しろとか言わないよね?
私はまた体が硬直していくのを感じ男の様子をじっと伺った
しかし
15分くらい経っただろうか
男は全く動く気配はない
もしかして…寝た?
:09/02/07 16:00 :auCA3C :Vg8DTWkw
#215 [蛍火]
私は確認しようと
そ〜っとベッドに近付いた
すぐ側まで行き覗き込むと
遥は目を瞑って寝息を立てている
なんだ…ほんとに寝てるし
こいつは寝にきたのか?
でもよかったあ
これで一安心
ん??
:09/02/07 18:06 :auCA3C :Vg8DTWkw
#216 [蛍火]
タバコーーー!!
ベッドから投げ出された遥の手には吸いかけの煙草が持たれたまま
おいおい危ないでしょ!
寝るなら灰皿に置いてからにしてほしい.うん
仕方なく遥を起こさないように
そっと手を伸ばし煙草を取った
:09/02/08 21:15 :auCA3C :KI159uRk
#217 [いちご]
うわぁおもしろおお
:09/02/08 21:33 :SO906i :☆☆☆
#218 [我輩は匿名である]
あげっ
:09/02/08 22:39 :F904i :LRendDZc
#219 [由姫]
:09/02/09 01:30 :D902iS :znwpxu8c
#220 [蛍火]
灰皿には既に6本の吸い殻
…吸い過ぎでしょ
こんなに吸って体大丈夫なのかな
そんなことを考えながら遥に視線を移す
目を閉じ少し幼さが混じる寝顔
髪型はワックスで整えられてるから大人っぽく見えるけど…
ちょっと童顔?
いや何歳か分からないけどさ
:09/02/09 06:58 :auCA3C :tF0xObxs
#221 [蛍火]
ありがとです★
更新ペース落ちるかもですが頑張ります!
:09/02/09 06:59 :auCA3C :tF0xObxs
#222 [蛍火]
あ.あれに似てる…妻○木聡?
綺麗な顔だなぁ
ほっぺとかツルツル
じーっと見てたらなんだか触れてみたくなって
私は無意識に
手を伸ばしていた
遥の肌から心地よい温かさが伝わってくる
:09/02/09 07:08 :auCA3C :tF0xObxs
#223 [蛍火]
「…ん……」
!!
咄嗟に手を引っ込める
触れられている事に気付いたのか遥がうっすらと目を開けた
私いま触ってた!?
無意識とはいえ自分の行動に驚いた
なにやってんの私!
どんどん自分の顔が赤面していくのが分かる
:09/02/09 09:02 :auCA3C :tF0xObxs
#224 [蛍火]
遥はすっかり目が覚めてしまったのか自分の腕時計に視線をやった
そして、
「何してんの.タコ」
と一言
「た…こ…?」
「ん.タコ」
「は?」
ゆっくりと時計から私に目線を移す
う…
なんだよもう
目が合うと更に私の顔が熱くなる様な気がした
:09/02/09 09:22 :auCA3C :tF0xObxs
#225 [蛍火]
「顔真っ赤」
「!!!」
ハッとして手で頬を隠す
私なんで赤くなっちゃってんの!
いや赤くなってるって感じてたけど言われると余計赤面する
やだやだ!
物凄く恥ずかしい
早く元に戻れ!
「まるで茹でダコ」
:09/02/09 09:33 :auCA3C :tF0xObxs
#226 [蛍火]
遥はベッドから両手を投げ出したまま私を観察するように見てくる
もうこっち見ないでよー!
「うるさい!これは別にそういうんじゃなくてっ…」
左右に首を振りなんとか誤魔化そうとするが上手い言い訳が見付からない
「ぷっ」
「なっなに笑ってるんですか!」
:09/02/09 09:50 :auCA3C :tF0xObxs
#227 [蛍火]
クスクス笑い出す遥に今度は腹が立ってくる
そんなにタコみたいに赤くなってる姿が笑えるの?
別に面白くないでしょ
「ねぇ」
「何ですか」
「煙草取って」
「あ…あぁ.はい」
:09/02/09 10:05 :auCA3C :tF0xObxs
#228 [蛍火]
自分で取ればいいのに
そう思いつつもテーブルの上に置いてある煙草とライターを渡す
「どーも」
遥は起き上がり手慣れた手付きで煙草に火をつけた
私は吸わないけど
煙草の匂いって嫌いじゃない
きっと吸えば落ち着くんだろうなって思う
でも…
「吸い過ぎは体に悪いです」
:09/02/09 10:30 :auCA3C :tF0xObxs
#229 [蛍火]
煙草をくわえたまま不思議そうな顔で私を見上げる遥
「だいじょーぶ」
そう言って今度は窓の方を向いてしまった
「何が大丈夫なんですか」
「………」
「どのくらい吸うんですか」
「…ん.3箱くらい?」
:09/02/09 10:47 :auCA3C :tF0xObxs
#230 [蛍火]
「1日3箱!?」
「いや…2箱…かな?」
「2箱!?
2箱も3箱も変わらないでしょ!」
さ…3箱も吸うの!?
ありえない…
ヘビースモーカーか…
絶対こいつの肺とか真っ黒だよ!
「度を超えてますよ!
せめて一箱に減らして下さい」
:09/02/09 11:06 :auCA3C :tF0xObxs
#231 [蛍火]
「………」
遥は黙ったまま
こんなやつ早死にしたって私にはどうでもいいことなのに心配してしまう
まぁお前には関係ないって言われたらそれまでだけど
「聞いてるんですか」
し〜ん……
しまった…怒らせた?
:09/02/09 11:21 :auCA3C :tF0xObxs
#232 [蛍火]
「あの……」
「………」
んー…
なんか言ってよ
心配しても仕方ないか
これで最後
「別に私には関係ないんですけど…その、体大事にして下さい」
「分かった」
:09/02/09 11:40 :auCA3C :tF0xObxs
#233 [蛍火]
「え?」
「減らすよ」
遥は私に背を向けたまま答えた
なんと…!
ちゃんと聞き入れてくれるとは少しびっくり
「頑張って下さいね」
言った甲斐があったな
「ところでさー」
「なんですか?」
:09/02/09 13:40 :auCA3C :tF0xObxs
#234 [蛍火]
「いつ俺んとこ来んの?」
………。
この人まだいってるよ
「それは断りましたよね」
「なんで?」
:09/02/09 13:49 :auCA3C :tF0xObxs
#235 [蛍火]
なんでって…。
「それはこっちの台詞なんですけど」
「なんで私なのかって?」
それもある
普通に家政婦雇えばいい話だよね
「気に入ったから」
:09/02/09 13:54 :auCA3C :tF0xObxs
#236 [蛍火]
「あんたが気に入ったから」
そう言って遥は私の方を向いた
気に入った…?
それってどういう意味?
“葵ちゃんのこと好きなんじゃねー?”
:09/02/09 14:02 :auCA3C :tF0xObxs
#237 [蛍火]
ふと翼が言ってた言葉が脳裏にちらつく
好…き…?
ないないない!
それは絶対にない!
てか勝手に気に入られても困るし!
私は…っ
「もっかい寝る」
:09/02/10 00:58 :auCA3C :Kh9.VJ6.
#238 [蛍火]
「えぇ!?」
遥は一人混乱している私を余所に
灰皿を引き寄せ煙草を消している
「ラストまで延長しといた。
時間になったら起こして」
「え.最後まで!?なんで!」
「眠いから」
:09/02/10 01:54 :auCA3C :Kh9.VJ6.
#239 [蛍火]
「家で寝たらいいじゃないですか」
「葵が来るまで此処通うから」
「はぁ!?」
馬鹿じゃないの
何回来られても無理なもんは無理!
まぁ所詮来るとか言って来ないのがオチでしょ
「じゃおやすみ」
:09/02/10 01:58 :auCA3C :Kh9.VJ6.
#240 [蛍火]
「あっ待って」
ゆっくり横になろうとしていた遥の体が止まった
「…なんすか」
不機嫌そうな顔をして私を見る
「いや…あの…上着!シワになりますよ」
高そうなスーツなのにそのまま寝たら台無しになっちゃう
私って…お節介なのかも…
:09/02/10 02:02 :auCA3C :Kh9.VJ6.
#241 [蛍火]
すると遥は素直にネクタイと上着を脱ぎ私に渡す
Yシャツから覗く鎖骨が綺麗で色っぽく見えた
そしてベッドに潜り込んで私と視線を合わす
「ん.おやすみ」
「あ…おやすみなさい」
:09/02/10 10:40 :auCA3C :Kh9.VJ6.
#242 [蛍火]
私はベッドの脇にペタンと座り込んだ
まだ温かさが残る上着
ほのかな香水の匂いがする
あったかい
この人は何で私に構うんだろう
性行為をしないのに何で来てくれるんだろう
私を家政婦にしたいから
私が気に入ったから
どうして私…?
:09/02/10 11:11 :auCA3C :Kh9.VJ6.
#243 [蛍火]
こんな汚れてる女のどこを気に入ったの?
分からないよ
いくら考えても分からない
あなたは何を考えてるの?
あなたは何者なの?
あなたの事を教えてよ
あなたの事が知りたいよ
モヤモヤする
:09/02/10 11:21 :auCA3C :Kh9.VJ6.
#244 [蛍火]
あれ以来1人の男性を知りたいなんて思った事なかった
興味もなかった
あるのは憎悪の気持ちだけ
心配したりお節介焼いたり…
どうしちゃったの私
不思議な感覚
私もあなたを気に入ってしまったの…?
:09/02/10 11:28 :auCA3C :Kh9.VJ6.
#245 [蛍火]
むぎゅぅぅ
「痛っ」
「いつまで寝てんの」
!?
突然右頬に痛みが走り私は目を開けた
目の前には遥の顔
「ちょっなに!?」
「早く起きろ」
「え…痛い痛い痛いっ!」
:09/02/10 16:16 :auCA3C :Kh9.VJ6.
#246 [蛍火]
見ると遥は馬乗りになって私の右頬をつまんでいる
待って…
早く起きろって…
「私寝てたの!?」
「思いっきり寝てたじゃねーか」
「嘘…てか痛いってば!」
私が怒鳴るとようやく手を離してくれた
かなりの強さで摘まれたから物凄く痛い
手加減てのを知らんのか全く
:09/02/10 16:24 :auCA3C :Kh9.VJ6.
#247 [蛍火]
遥はそのままベッドから降りてコーヒーを飲み始めた
頭がぼーっとする
私いつの間にか寝ちゃってたんだ…
起こしてって頼まれてたのに自分が寝てどうするんだ
あれ………
なんで私ベッドにいるの!?
:09/02/10 16:45 :auCA3C :Kh9.VJ6.
#248 [蛍火]
>>247訂正お願いします
なんで私ベッドにいるの!?
↓
「なんで私ベッドにいるの!?」
カッコ付け忘れました
(′;ω;。`)
:09/02/10 17:02 :auCA3C :Kh9.VJ6.
#249 [蛍火]
私の声に遥がコーヒー片手に振り返った
「お前が座ったままベッドに突っ伏して寝てたから上にあげてやったんだよ」
「え…じゃ一緒に寝てたってこと…?」
恐る恐る聞いてみる
「いや俺は起きたから椅子に座ってた」
:09/02/10 17:15 :auCA3C :Kh9.VJ6.
#250 [蛍火]
な…なんだぁ。ホッと一安心
てか客を椅子に座らせて私がベッド占領って…
店長にバレたら怒鳴られそうだ
なんて馬鹿なんだ
あ…謝らなきゃ
「あの…すいませんでした」
私は遥に頭を下げ謝った
:09/02/10 17:25 :auCA3C :Kh9.VJ6.
#251 [蛍火]
「そろそろ上着返して」
「上着…?」
「ん.時間だから」
遥が私の手元を指差した
それにつられて私も自分の手元を見る
「うあ゙!」
ちょ.上着ーーーーー!
私の手には上着がしっかりと握られている
私ずっと持ったまま寝てたの!?
:09/02/10 17:37 :auCA3C :Kh9.VJ6.
#252 [蛍火]
慌てて上着をベッドの上に広げて見る
しわくちゃ……
もう…逃げ出したい
羞恥と情けなさが同時に込み上げてくる
シワにならないように脱いだのにこれじゃ意味ないじゃん!
てか余計酷くなっちゃったじゃん!
:09/02/10 17:48 :auCA3C :Kh9.VJ6.
#253 [蛍火]
しかも高そうな上着なのに…
弁償するしかないよね
「ごめんなさい…」
すると遥はベッドで正座している私の側まで来て上着をサッと取った
そしてそのまま袖を通して…
「ちょ.そのまま着るの!?」
しわくちゃの上着を普通に着てしまった
:09/02/10 17:55 :auCA3C :Kh9.VJ6.
#254 [蛍火]
「帰るから早く支度して」
遥はそう言ってドアの方にスタスタ歩き出した
「え…待って!私弁償します!」
ピタリと止まる足
「お前が体売ってまで稼いでる金.貰えねーよ」
:09/02/10 18:12 :auCA3C :Kh9.VJ6.
#255 [蛍火]
「下に翼いるから、早く来いよ」
振り返らずにしわくちゃの上着を着て出て行った
何も言えなかった
普通弁償するって言ったら喜ぶんじゃないの?
確かに身を削って得た金
でも弁償くらい出来るのに…
:09/02/11 02:50 :auCA3C :PxJjQ.SY
#256 [蛍火]
てか私が悪いのに。
ありがとうって言わなくちゃ駄目だよね
次会ったら必ず言おう
「お疲れー」
着替えを済ませ店を出ると翼が待っていた
:09/02/11 10:18 :auCA3C :PxJjQ.SY
#257 [蛍火]
やっぱり翼もスーツ姿
ニコニコ笑って私の所まで歩いてくる
「はいどーぞ」
手渡されたのは二本の缶
ウーロン茶とミルクティ
「…なにこれ」
「翼様からのプレゼント」
:09/02/11 10:29 :auCA3C :PxJjQ.SY
#258 [蛍火]
翼様って…
こいつ自分大好きだな
「いらないわよ」
「なんで!」
「自分で買うからいい」
「葵ちゃんの為に一生懸命買ったのに…」
う…
翼は瞳をウルウルさせながら私を見てくる
:09/02/11 10:37 :auCA3C :PxJjQ.SY
#259 [蛍火]
「葵ちゃんが喜ぶと思って買ったのに…」
ちょ…
やめろおおぉぉぉ!!
そんな瞳で私を見るなー!!!
「悲しいな…ボク」
ボク!?
誰だよお前!!
うー…
分かったよ…
:09/02/11 10:43 :auCA3C :PxJjQ.SY
#260 [蛍火]
「ありがと」
「どーいたしましてー」
私が礼を言うと翼は偉そうに語尾を伸ばして言った
「え.またタクシー?」
「そだよーん」
「やだ.お金かかるし無理」
「俺の金だからだいじょーぶ」
:09/02/11 18:11 :auCA3C :PxJjQ.SY
#261 [蛍火]
そう言って私にグーサインをして見せた
でも、
「駄目。こないだも出して貰ったし」
だってタクシー代を払ってもらう理由ない
これじゃまるで翼をアッシー君にしてるみたいだよ
:09/02/11 23:02 :auCA3C :PxJjQ.SY
#262 [蛍火]
すると翼はいきなり私の髪をぐしゃぐしゃに撫でて
「断んなよー
俺のプライドずたずたにする気ですかー?」
と無邪気な笑顔を見せた
「え…でも」
「気にすんなって
拒否られた方が困るー」
:09/02/12 00:49 :auCA3C :kwsZDU.c
#263 [蛍火]
あー…
そんなこと言われたら断れない
きっと私を気遣って言ってくれたんだよね
「ありがとね.翼」
私は翼の言葉に甘えてタクシーで帰る事にした
「ねぇ翼」
:09/02/12 01:08 :auCA3C :kwsZDU.c
#264 [蛍火]
「なにー?」
やっぱり隣で携帯ばかりいじっている
私は聞きたい事があった
遥が何の仕事をしてるのか
ずっと気になっていた
「翼はお金持ちなの?」
遠回しに聞いてみる
「あー金なら結構持ってる」
:09/02/12 01:23 :auCA3C :kwsZDU.c
#265 [蛍火]
「なんの仕事してるの?」
翼と遥は仲良し
ってことは仕事場も多分同じはず
だから翼の仕事が分かれば遥の仕事も…
「ホスト」
へ????
ホ…スト?
:09/02/12 01:27 :auCA3C :kwsZDU.c
#266 [蛍火]
まさかとは思ったけど
本当にホストだったんだ……
そうだよね
2人共整った顔してるし
女も沢山寄ってくるだろう
ってなに軽くショック受けてるんだ
なんの仕事してようが別にいいじゃない
でも、
「辞める予定はないの?」
:09/02/12 10:27 :auCA3C :kwsZDU.c
#267 [蛍火]
なぜかそんな事を聞いていた
「ないないー
今更普通の仕事なんて出来ねーよ」
さらっと携帯を打ちながら言う
「…そっか」
ふぅん
それから翼は1人でなんか喋ってたけどあまり頭に入ってこなかった
ホストかぁ。
:09/02/12 12:33 :auCA3C :kwsZDU.c
#268 [蛍火]
「お嬢さん着きましたよー」
「………」
人気あるのかな
No.1とかだったりして
はぁ
バシッ
「いてっ」
「着いたって言ってんだろポンコツ」
頭を抑え窓の外を見ると既に家の前
「あ…あぁ」
:09/02/12 12:41 :auCA3C :kwsZDU.c
#269 [蛍火]
もう着いたんだ
私はゆっくりと立ち上がり外に出た
「考え事ですかー?」
え…
翼が車の中でニヤニヤ笑いながら私を見ている
「うっうるさいわよ!!」
その顔ムカつく
まるで私の心を読んでるみたいで
:09/02/12 12:49 :auCA3C :kwsZDU.c
#270 [蛍火]
「じゃあの!」
いつもの顔に戻り翼は手を振って帰っていった
ムカつくけど憎めない奴
「望実ただいま」
いつものように手を握り眠りにつく
はずなのだが
その日.私は眠れなかった
:09/02/12 12:58 :auCA3C :kwsZDU.c
#271 [蛍火]
目を閉じても考えてしまう
考えたくないのに考えてしまう
はぁ
溜め息ばかりが出る
そんな自分に苛ついて更に寝付けなくなる
私おかしい
絶対おかしいよ
私は仕方なく睡眠薬を飲み無理矢理寝る事にした
:09/02/12 13:04 :auCA3C :kwsZDU.c
#272 [蛍火]
「おやすみ…望実」
―――――――――
―――――
「ママー!のぞみね.ママの絵かいたの!」
洗濯物を畳んでいる私のところに望実がニコニコ顔で走ってきた
「どれどれー?」
:09/02/12 13:12 :auCA3C :kwsZDU.c
#273 [蛍火]
望実は私の前でお絵かき帳を開いて見せた
そこには紙一杯に満面の笑顔の私が大きく描かれていた
子供らしい大きな絵
私…すっごい笑ってるな
顔から目がはみ出てる.笑
「ありがとう
望実はお絵かき大好きだね」
2つに結んだ頭を撫でてあげると嬉しそうに笑った
:09/02/12 13:26 :auCA3C :kwsZDU.c
#274 [蛍火]
「もーいっこ描いてくるっ」
そう言って望実はまたテーブルまで戻っていく
ふふっ
思わず笑ってしまう
今日は休み
私は週2.3回くらいしか仕事に出ない
そのくらい出れば最低限の生活は出来るし頻繁に望実を1人にしたくない
:09/02/12 13:34 :auCA3C :kwsZDU.c
#275 [蛍火]
あれから何度も遥は私の店に来た
私が入る時間からラストまでずっと私を指名した
そして毎回1人で寝て時間を過ごす
おかげで私はもう1ヶ月近く男に触れられていない
申し訳なくて一度だけ勇気を出し
「抜きましょうか?」
と言ってみたが断られた
:09/02/12 13:44 :auCA3C :kwsZDU.c
#276 [蛍火]
私に魅力がないのか
性欲がないのか…分からない
来ないでって言っても必ず来る
そして毎回、家政婦にならないか?って聞いてくる
正確には
「俺んとこにいつ来んの?」
だけど。
何度言われても
私の答えは変わらないのに
:09/02/12 13:52 :auCA3C :kwsZDU.c
#277 [蛍火]
季節も春から夏に変わった
いつまで来てくれるんだろう
ピンポーン
:09/02/12 13:54 :auCA3C :kwsZDU.c
#278 [蛍火]
「おきゃくさーん!」
望実が元気よく立ち上がり私に呼びかけた
誰だろ
また新聞勧誘かな
玄関まで行きドアを開けてみる……と
「こんにちわー!」
:09/02/12 14:10 :auCA3C :kwsZDU.c
#279 [蛍火]
…………!!
「ちょ!なにしてんの!?」
一瞬誰か分からなかった
だって、、
立っていたのはスーツ姿じゃない男2人
「もーすぐ夕飯だろー?鍋ぱーてぃーしよー」
「はぁ!?」
翼は楽しそうにスーパーの袋を私に見せる
:09/02/12 14:54 :auCA3C :kwsZDU.c
#280 [蛍火]
「なんで来たの!?
私仕事休みなんだけど!」
「だから来たんじゃん」
遥がしらっとした顔で答える
いやいや!なんで家まで来るんだよ!
「帰って!」
私は2人を睨みつけ追い払おうとした
が
「マーマ?」
:09/02/12 15:12 :auCA3C :kwsZDU.c
#281 [蛍火]
げ………
2人の視線が同時に私の足下に下がる
望実は私の後ろに隠れるようにして足にしがみついている
どうしよう
なんで声出しちゃうかなぁ
2人共.望実を凝視して固まっている
しばしの沈黙……
:09/02/12 15:33 :auCA3C :kwsZDU.c
#282 [蛍火]
冷や汗がサーッと広がる
「ま…まぁ気にしないで!じゃあねっ」
呆然と立ち尽くす2人に声をかけると私は急いでドアを閉めた
絶対バレた……
まぁ隠すことではないけど
凄く複雑な気持ちになった
:09/02/12 15:44 :auCA3C :kwsZDU.c
#283 [蛍火]
「ママ、おきゃくさんいいの?」
ドアに寄りかかったまま動かない私に望実が服を引っ張った
不思議そうな顔をして私を見ている
「あ…うん。いいのいいの」
もう帰ったよね
てか何でいきなり来るのよ
私は軽く微笑んで望実を抱き上げた
:09/02/12 16:22 :auCA3C :kwsZDU.c
#284 [蛍火]
「ママーおなかすいた」
あぁ…もう18時だしな
なに作ろ
あ.買い物行かないと、、
―――ピンポンピンポンピンポンピンポン
「!?」
:09/02/12 16:35 :auCA3C :kwsZDU.c
#285 [蛍火]
突然インターホンが鬼のように叫び出す
「ママー!いっぱい鳴ってる!」
望実はなぜか楽しそうに私の肩をポンポン叩く
絶対あいつらだ
あーーーもう!!!!
「うるっさい!!」
:09/02/12 16:49 :auCA3C :kwsZDU.c
#286 [蛍火]
私は怒鳴りながらドアを開けた
「あ…れ?…遥は?」
立っているのは少し不機嫌顔の翼1人
「後で来るってー」
「え、なんで?」
「呼び出された」
「誰に?」
:09/02/12 17:51 :auCA3C :kwsZDU.c
#287 [蛍火]
「はぁ?知らねーよ」
翼がうざったそうに答える
「なんで知らないのよ」
「お前しつこい!そんなに気になんなら後で本人に聞けよ」
む……
本人になんて聞ける訳ないじゃない
誰に会いに行ったんだろ
:09/02/12 18:04 :auCA3C :kwsZDU.c
#288 [蛍火]
「つーか…子持ちかよ」
ああ!
望実のこと忘れてた
私の肩に手を置きキョトンとした顔で翼を見ている
すると翼は望実の目線まで近付き
「お名前なぁーに?」
と.ニコッと笑って話しかけた
:09/02/12 18:24 :auCA3C :kwsZDU.c
#289 [蛍火]
不思議な顔をして翼を見ていた望実は元気よく自分の名前を言った
もともと人見知りしない子だから誰にでも懐くんだよね
「のぞみちゃんかぁ!
ボクのことは
“つばさお兄ちゃん”って呼んでね!」
つばさお兄ちゃん…?
「望実に変なこと覚えさせないで」
「呼び方位いいじゃないか!」
:09/02/12 20:51 :auCA3C :kwsZDU.c
#290 [蛍火]
「もう会わないでしょ」
「は!毎日来るし!」
「いや迷惑」
「黙れウーロン茶!」
なっ…!まだ言うか!
「うるさ「つばさお兄ちゃん」
「「へ?」」
間に入ってきた声に翼と重なって間抜けな声を出してしまった
そして2人一緒に望実を見る
:09/02/13 02:01 :auCA3C :QgUlXmaI
#291 [蛍火]
「つばさお兄ちゃんっ」
望実………
その笑顔は反則だって…
「か…かーわーいーいー!!!」
ほら…
もう目がハートマークになってる男があああ!
「めっちゃ可愛いんだけど!ちょっとダッコさして!」
:09/02/13 02:20 :auCA3C :QgUlXmaI
#292 [蛍火]
「やだ!望実に触んなバカ!」
ヒョイッ
「ああ!!」
必死に翼の手を追い払っていたのに
あっさりと抱き上げられてしまった
「のぞみちゃん可愛いでちゅねー!」
望実は翼の腕の中でポカーンとしている
:09/02/13 02:31 :auCA3C :QgUlXmaI
#293 [蛍火]
「よし、おうち入ろっか!」
は!?
ずかずかと私を押しのけ家に入ろうとする
「ちょっと!入っていいなんて言ってない!」
「いいじゃねーか
ねぇー?のぞみちゃーん」
「いいよー!」
のぞみぃぃぃ!
あぁもう勘弁して
どうやら望実はすっかり翼に懐いてしまったようです…
:09/02/13 12:43 :auCA3C :QgUlXmaI
#294 [蛍火]
「あ.これ材料買ってきたから鍋作ってー」
ドサッとテーブルに置かれるパンパンに詰められたスーパーの袋
「夏なのに鍋!?」
「夏だから鍋なのー」
「…………」
アホだ……
こんな暑い日に鍋なんか食ってられるか!
:09/02/13 12:55 :auCA3C :QgUlXmaI
#295 [蛍火]
立ったままスーパーの袋とにらめっこする私
絶対汗だくになるじゃんか
冷房つけたくないのに!
まだ今年は扇風機で我慢してるのにー!
「きゃはははは!たかいたかーい!」
ん?
目を向けると望実が翼と楽しそうに遊んでいる
:09/02/13 13:06 :auCA3C :QgUlXmaI
#296 [蛍火]
翼は軽々と望実を抱き上げ
たかいたかいをしている
私には出来ない
やろうと思えば出来るんだろうけど
なんか落としそうだし
怖くて出来ない
初めてたかいたかいをして貰っている望実は凄く嬉しそう
ニコニコ笑っている望実を見ると私まで嬉しくなる
:09/02/13 13:25 :auCA3C :QgUlXmaI
#297 [蛍火]
てか…翼もはしゃぎすぎ
子供と対等に楽しんでるよ.あの人
見た目は子供とか嫌いそうなギャル男なのに意外
笑うと結構可愛い
なんか犬みたいだな.笑
よし!私も早く鍋作ろっと
:09/02/13 15:11 :auCA3C :QgUlXmaI
#298 [蛍火]
作るっていっても切って煮るだけだけどね
すきやき風でいいかな
望実の好物だし
あ.そういえば遥はいつ戻って来るんだろ
つか戻って来るのか?
きっと女とイチャイチャしてんだろうな
イチャイチャベタベタしてんだろうな
……クドいな私。
:09/02/13 15:41 :auCA3C :QgUlXmaI
#299 [蛍火]
あーあ、
私服と…スーツって大分イメージ変わるよね
今日の遥はTシャツにジーンズだった
なんて地味な格好なんだ
私のよく着る定番ですよ
普段のビシッと着たスーツ姿からは想像出来ない地味さですよ
:09/02/13 16:04 :auCA3C :QgUlXmaI
#300 [蛍火]
髪もいつもはワックス?とかで後ろに流して綺麗に整えてるのに
今日は手で少し整えましたって感じで別人みたいだった
それでも顔はやっぱり遥だった
まぁ当たり前だけどさ
元がいいんだから
もっとお洒落すればいいのに
翼みたいにさ
私はチラッと翼を見た
:09/02/13 16:16 :auCA3C :QgUlXmaI
#301 [蛍火]
うん、、
いかにもチャラいって感じの服装←偏見
アクセサリーも首、指、耳、鼻、、
お前は女かって位ジャラジャラ付けてる
こういう人種を家に入れるとは思わなかったな
よく入れたよね
前より自然に話せるようにもなったし
成長した…?私
:09/02/13 16:24 :auCA3C :QgUlXmaI
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