冷たい彼女〔続編〕
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#117 [ゆーちん]
厨房にオーダーを通してから、佐奈が座るカウンターの近くで無理矢理仕事を作った。


何か働いてないと、ただ喋ってるだけじゃマスターに叱られるからね。


「起きたら知らない部屋だからマジびびったわ。凜ちゃんの部屋行った事ないからさ。」

⏰:09/02/01 15:36 📱:SH901iC 🆔:lGeUBDQs


#118 [ゆーちん]
「頑張って運んだんだよー、酔い潰れた佐奈ちゃんを。」

「いやー、悪かったね。今日は詫び入れるついでにラーメン食べに来たの。」

「…それより剛さんと仲直りした?」


その質問に、佐奈の態度は急変した。

⏰:09/02/01 15:36 📱:SH901iC 🆔:lGeUBDQs


#119 [ゆーちん]
「…してないよ、あんな奴。今度こそもう本当に終わりだね。」


不機嫌になった佐奈。


「そっか。」


何も言えない俺。


「浮気される為に、5年も一緒にいた訳じゃないっつーの。」

⏰:09/02/01 16:14 📱:SH901iC 🆔:lGeUBDQs


#120 [ゆーちん]
そう呟いた佐奈は俺が初めて見た、弱った佐奈だった。


こんな悲しんでいる佐奈は生まれて15年、一度たりとも見た事はなかったから…俺まで弱ってしまう。


「浮気疑惑は過去にもあったの。でも勘違いだった。だけど今回は…正真正銘の浮気だよ。腹立つって言うより、情けない。今まで気付かなかったんだもん、私。」

⏰:09/02/01 16:15 📱:SH901iC 🆔:lGeUBDQs


#121 [ゆーちん]
昨日の佐奈と今日の佐奈。


同じ人なのに、全くの別人のように思えた。


出来上がったラーメンを佐奈に出すと、またまた態度は急変。


元気な顔してラーメンを食べ始めた。

⏰:09/02/01 16:17 📱:SH901iC 🆔:lGeUBDQs


#122 [ゆーちん]
「超美味い!」

「そりゃよかった。」

「つか今日何時上がり?」

「あー、あと30分ぐらいかな。」

「じゃあ上がりまで待つ。フェリー乗り場まで送ってってやるよ。」

「マジ?ありがと。」

⏰:09/02/01 16:17 📱:SH901iC 🆔:lGeUBDQs


#123 [ゆーちん]
ほらね、根は優しいんだ。


なんだかんだ言って、俺は佐奈が好きなんだよ。


同じ島の、本当の姉ちゃんみたいな存在として。

⏰:09/02/01 16:17 📱:SH901iC 🆔:lGeUBDQs


#124 [ゆーちん]
2杯目を食べ終えたところで、俺のバイトが終わり、佐奈と一緒に店を出た。


昨日と合わせて計5杯。


なぜ太らないんだ、西山佐奈。


そんな大食い女の車に乗って、フェリー乗り場まで送ってもらった。

⏰:09/02/01 16:18 📱:SH901iC 🆔:lGeUBDQs


#125 [ゆーちん]
「ありがとね、佐奈ちゃん。」

「おうよ。んじゃまたね。」


俺を降ろすと軽快に走り去った佐奈の車。


これから佐奈、どうなるんだろ。


彼氏と上手くいけばいいな…なんて、ちゃっかり願いながら俺は島へと帰る。

⏰:09/02/01 16:19 📱:SH901iC 🆔:lGeUBDQs


#126 [ゆーちん]
それからしばらくは佐奈がラーメン屋に現れる事もなければ、連絡もなかった。


台風みたいな人だ。


凜にも連絡はなし。


どうしてんだろ、大丈夫だったかな。


…なーんて、心配なんかしなければよかったと今更後悔。

⏰:09/02/01 17:25 📱:SH901iC 🆔:lGeUBDQs


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