冷たい彼女〔続編〕
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#331 [ゆーちん]
「あぁ、やっと来たの。」
二階から降りて来た凜は俺を見て、そう呟いた。
「片付け終わった?」
「うん、まぁ。片付けって言う程荷物ないし。」
「あ、そっか。佐奈ちゃんの荷物見た後だから、どうも感覚が。」
:09/02/06 12:17 :SH901iC :ML7ZPUMw
#332 [ゆーちん]
「あの姉妹の荷物は私もビックリした。」
凜が笑った。
夏の暑さも忘れちゃうような涼しい笑顔のせいで、俺の心臓は締め付けられっぱなし。
:09/02/06 12:18 :SH901iC :ML7ZPUMw
#333 [ゆーちん]
「散歩でも行こっか。」
「いいよ。」
今日は自転車なし。
のんびりとしたこの島を、のんびりとした足取りで歩いた。
凜は日焼け対策として日影を選んで歩く。
日なたに引きずり出してやろうかと思ったけど、そんな事して嫌われちゃやだもん。
:09/02/06 12:19 :SH901iC :ML7ZPUMw
#334 [ゆーちん]
「凜ちゃんカレーライスはいつ作ってくれんの?」
「んー、そのうち。」
「明日作って?」
「明日は澪たちと遊ぶからダメ。」
「ちぇーっ。」
:09/02/06 12:19 :SH901iC :ML7ZPUMw
#335 [ゆーちん]
「そんなに食べたいんだったらママに作ってもらいなってば。」
「マザコンキャラ定着っすか?」
「へへッ…」
:09/02/06 12:20 :SH901iC :ML7ZPUMw
#336 [ゆーちん]
俺達は自然と海に向いて進んでいた。
観光客や島の奴らが楽しそうに泳いでいる。
見慣れた光景。
「心、あっち座ろう。」
「ん。」
凜が指さした先は、やっぱり日影。
ちょっと人込みから外れた場所だったので、二人っきりという雰囲気に何だかドキドキさせられる。
:09/02/06 12:21 :SH901iC :ML7ZPUMw
#337 [ゆーちん]
海を眺めながら何をするわけもなく、ぼーっとしたり、話したい事を話したり。
やっぱりこの島が1番。
のんびりできて、羽根伸ばせて、安らげて。
それに…
:09/02/06 12:22 :SH901iC :ML7ZPUMw
#338 [ゆーちん]
「凜ちゃーん。」
「ん?」
「チューしようよ。」
「やだよ。すぐそこに人いるし。」
「バレないって。」
「変たっ‥」
好きな人が隣にいて。
海で騒ぎ回る人達に隠れながらしたキスは、子供の笑い声がBGM。
:09/02/06 12:22 :SH901iC :ML7ZPUMw
#339 [ゆーちん]
唇が離れると『バカ心。』と言って、笑ってた。
「凜ちゃんとチューできんなら、バカでも変態でも何だっていいもぉん。」
そんな俺を嘲笑った凜。
ちょっとばかり、顔が赤くなってた気がする。
本当、可愛い。
:09/02/06 12:23 :SH901iC :ML7ZPUMw
#340 [ゆーちん]
次に凜と会ったのは2日後だった。
バイトに行く為、フェリー乗り場にいた時。
「心!」
見覚えのある白いワンピース姿の凜。
「凜ちゃん!偶然だね。」
「今からバイト?」
「そうだよ。凜ちゃんは?本島に行くの?」
:09/02/06 13:18 :SH901iC :ML7ZPUMw
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