冷たい彼女〔続編〕
最新 最初 全
#530 [ゆーちん]
数日後。
「いらっしゃ…あ、剛さん。佐奈ちゃんも。」
バイト先に愛しの剛さんと腐れ縁の佐奈が来てくれた。
「心くん久しぶり〜。俺、塩ラーメンね。」
「はい、佐奈ちゃんは何にする?」
:09/02/27 23:37 :SH901iC :EBwlc3dk
#531 [ゆーちん]
「心の本音。」
佐奈の声は俺の心臓に突き刺さった。
「へ?」
「あんたの本音を注文します。だから早く聞かせてくださーい。」
凜の事だろうか…
うん、きっとそうだ。
:09/02/27 23:37 :SH901iC :EBwlc3dk
#532 [ゆーちん]
「バイト終わりに電話するよ。」
「…そ、わかった。じゃあ変わりに味噌ラーメンね、私。」
「…了解。」
上手く笑えない俺に、剛さんは優しく微笑んでくれた。
:09/02/27 23:43 :SH901iC :EBwlc3dk
#533 [ゆーちん]
剛さんも知ってるんだ、凜の事。
俺の本音なんて聞かれても…別にない。
凜がアメリカで両親と暮らせる事はいい事なんだし、たまに会えるんだし、いずれ戻って来るんだし…
だから…
:09/02/27 23:44 :SH901iC :EBwlc3dk
#534 [ゆーちん]
バイト終わりに電話すると言っときながら、結局佐奈から連絡をもらった。
「バイト終わった?」
「うん、さっきは食べ来てくれてありがとね。」
「あんた今から剛んち来て…って場所知らないか。迎え行くからラーメン屋で待ってて。」
:09/02/27 23:46 :SH901iC :EBwlc3dk
#535 [ゆーちん]
と、いうわけでなぜか佐奈に迎えに来てもらい、剛さんの家に到着。
「お邪魔します。」
「あっ、おかえり〜。さっきはごちそうさま。」
「いえ、ありがとうございました。」
久しぶりの剛さんの家。
:09/02/27 23:46 :SH901iC :EBwlc3dk
#536 [ゆーちん]
適当に座れと佐奈に指示され、腰を降ろさせてもらうと、さっそく佐奈から質問が振り掛けられた。
「あんた本当は嫌なんでしょ?」
「…凜ちゃんのこと?」
「他に何があるのっ。」
:09/02/27 23:47 :SH901iC :EBwlc3dk
#537 [ゆーちん]
剛さんは黙って煙草を吸っていた。
「嫌じゃないよ。両親と暮らせるんだからイイ事だよ。」
「遠恋できんの?」
「できるよ。自信あるもん。メールや電話だってマメに取れば寂しくない。」
:09/02/27 23:47 :SH901iC :EBwlc3dk
#538 [ゆーちん]
「他に好きな女できたらどうすんの?」
「それはありえないから。」
「凜ちゃんが向こうで違う男に惚れたら?」
「俺に魅力がなかったんだよ。でももし本当にそうなったら絶対諦めない。俺、凜ちゃんしかいないもん。」
:09/02/27 23:48 :SH901iC :EBwlc3dk
#539 [ゆーちん]
照れも恥じらいもなかった。
ただ本音を答えるだけ。
なのになぜ苦しいのかな。
佐奈に質問され、答えるたびに泣きそうになる。
何が引っ掛かってんだろ。
:09/02/27 23:48 :SH901iC :EBwlc3dk
★コメント★
←次 | 前→
トピック
C-BoX E194.194