冷たい彼女〔続編〕
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#348 [ゆーちん]
時間も気になるし、凜も気になるし…。


キョロキョロする俺に、凜は言った。


「明日の夜会える?」

「うん。でもバイトだから遅くになるよ。」

「それでもいい。」


凜から誘ってくれるなんてさ、顔が自然に緩んでしまう。

⏰:09/02/06 13:25 📱:SH901iC 🆔:ML7ZPUMw


#349 [ゆーちん]
凜の顔だけじゃなく、俺の顔も忙しいや。


「また連絡する。」

「うん。ご両親によろしく。いってきます!」

「いってらっしゃい。」



凜に見送られてバイトに行くのは、なかなか気分がいい。


調度すれ違う時間だったので、凜の両親には会えなかったけど、願わくば今夜は家族団欒楽しく過ごして欲しいと思った。

⏰:09/02/06 13:27 📱:SH901iC 🆔:ML7ZPUMw


#350 [ゆーちん]
翌日の夜、バイトが終わると同時に凜から連絡が入り、約束通り会う事になった。


本島から帰って来た俺を出迎えてくれた凜。


「おかえり。」

「ただいま凜ちゃん!」


抱き着きたくなったけど、我慢。


手を繋いでそのまま海辺まで歩いた。

⏰:09/02/06 13:28 📱:SH901iC 🆔:ML7ZPUMw


#351 [ゆーちん]
「今日の夕方、お父さんとお母さん帰ったよ。」

「もう?一日しか居れなかったんだ。」

「忙しいみたいだから。」

「楽しかった?」

「んー、普通。」

「そ。普通が1番だよ。」

「…変態の心にそんな事言われても説得力ない。」

⏰:09/02/06 13:29 📱:SH901iC 🆔:ML7ZPUMw


#352 [ゆーちん]
日中は賑わう海辺も、夜は驚くぐらい静かになる。


民宿などないこの島は日帰りで海に遊びに来る観光客がほとんどだから。


そんな静かな海に、凜と俺の笑い声が響く。


波音も混ざって、すごく心地いい。

⏰:09/02/06 13:29 📱:SH901iC 🆔:ML7ZPUMw


#353 [ゆーちん]
「久しぶりに会ったのに、緊張ってゆーか…変に遠慮とかしてぎこちなかったなぁ。」


凜はいきなり反省会を開き出した。


「そうなんだ。」

「心の事、結局紹介できなかった。」

「また次でいいよ。」

「次?次いつ会えるかわかんないんだよ?また1年後かもしんないし…それまで別れないで一緒にいられる?」

⏰:09/02/06 13:31 📱:SH901iC 🆔:ML7ZPUMw


#354 [ゆーちん]
凜が意地悪な顔で笑った。


「俺は凜ちゃんと同じ墓に入るつもりだから。」


「ふーん…あっそ。」


これが凜の愛情表現。

⏰:09/02/06 13:32 📱:SH901iC 🆔:ML7ZPUMw


#355 [ゆーちん]
ちょっと突き放す言葉を言い、俺は縋り付く言葉を返す。


そして凜は笑う。


それが彼女の愛情表現なんだと俺は思っていた。


ちょっと難しい女の子だけど、それがたまらなく俺のツボ。


本当、凜以外の女なんか考えらんねぇもん。

⏰:09/02/06 13:33 📱:SH901iC 🆔:ML7ZPUMw


#356 [ゆーちん]
「私は、お父さんとお母さんに、たった一年会ってないだけ。でもお父さんとおじいちゃん達はもっと会ってない訳じゃん。」

「うん、まぁ。」


今まで凜を連れて里帰りをしなかった話を聞くと、少なくとも十年以上は会ってなかったのかもしれない。

⏰:09/02/06 13:34 📱:SH901iC 🆔:ML7ZPUMw


#357 [ゆーちん]
「なのに普通なの。すっごく自然。私が変に緊張しすぎちゃってたのかも。」

「そっかぁ。でもまぁ仕方ないよ。」

「仕方ないのかな。3人で住んでた頃、どんな風に接してたのか思い出せなくて。私、変かな?」

⏰:09/02/06 13:34 📱:SH901iC 🆔:ML7ZPUMw


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