冷たい彼女〔続編〕
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#35 [ゆーちん]
寂しくないのかと聞いても、『平気。』の一点張り。


絶対寂しくないわけない。


「何か飲む?」


凜の部屋は、杉浦のじいちゃん家にいた部屋と同じ匂いがする。


「うん。」

「コーヒー、紅茶、ココア。どれにする?」


キッチンからの凜の質問に『ココア。』と答えた。

⏰:09/01/30 13:33 📱:SH901iC 🆔:ppkzlLQA


#36 [ゆーちん]
数分後には、凜が作ってくれた温かいココアを飲む俺がいる。


俺の隣には、この甘くて美味しいココアを作ってくれた凜ちゃんがいて。


この上ない幸せを感じながら、少しだけ体を凜に寄り添わせた。


「この前、美帆と遊んだんだけど、益々レゲエ一色な感じになって来てたよ。」

⏰:09/01/30 13:34 📱:SH901iC 🆔:ppkzlLQA


#37 [ゆーちん]
そういえば美帆の部屋、レゲエちっくだったっけ。


美帆の部屋に行ったのって確か…あぁ、そうだ。


凜ちゃんが島を出るって俺に言った日だ。


バレンタインだったよな。


たった2ヵ月前なのに、何十年も前に思える。

⏰:09/01/30 13:34 📱:SH901iC 🆔:ppkzlLQA


#38 [ゆーちん]
あの日、美帆に喝を入れてもらってなかったら俺は今頃この部屋にいないかもしんない。


マジ、美帆には感謝だわ。


「Bガールって言うの?超似合ってたよ。」

「そっかぁ。美帆って香奈と同じ高校だよな。」

⏰:09/01/30 13:38 📱:SH901iC 🆔:ppkzlLQA


#39 [ゆーちん]
「うん。でも科が違うからなかなか会わないらしいよ。私も澪や千夏と同じ学校だけど、科が違うせいで滅多に会わないもん。」


少しずつココアを飲みながら、他愛もない会話をする。

⏰:09/01/30 13:39 📱:SH901iC 🆔:ppkzlLQA


#40 [ゆーちん]
ココロが落ち着くっつーか、安らぐっつーか、癒されるっつーか。


俺にとって凜ちゃんは、もう必要不可欠な存在なんだよね。

⏰:09/01/30 13:39 📱:SH901iC 🆔:ppkzlLQA


#41 [ゆーちん]
「凜ちゃん。」

「ん?」

「超好き。」

「…心くん、いきなり話し飛んだね。」


冷たかった体はココアで温まった。


飲み干した空っぽのコップをテーブルに置く。

⏰:09/01/30 13:41 📱:SH901iC 🆔:ppkzlLQA


#42 [ゆーちん]
寂しくなった自分の手は、愛しい人の小さな手へと向かう。


凜の手も…温まっていた。


「キスしていい?」


飲みかけのココアが入ったコップをテーブルに置いた凜は笑いながら言った。


「やだ。」


そう呟いたくせに、俺の唇に自分の唇を重ねて来た。

⏰:09/01/30 13:41 📱:SH901iC 🆔:ppkzlLQA


#43 [ゆーちん]
触れただけのキスは、どんどん加速していく。


舌が行き来するキスは、ココアの味がした。


「甘いキスって、こういう事?」


上目になりながら、ニッと笑った凜ちゃんに胸ズキュン。

⏰:09/01/30 13:42 📱:SH901iC 🆔:ppkzlLQA


#44 [ゆーちん]
高校生になって、益々大人っぽくなったし…色っぽくなった俺の彼女。


そんな顔されると、止まんないんだけど。


「ファーストキスはココアの味ぃ〜。」

⏰:09/01/30 13:43 📱:SH901iC 🆔:ppkzlLQA


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