冷たい彼女〔続編〕
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#497 [ゆーちん]
「私をアメリカに連れて行くって、お父さん張り切ってるんだって。」


…それって、つまり。


「凜ちゃんがアメリカに行っちゃうって事?」

「…かもしれない。」

⏰:09/02/26 18:16 📱:SH901iC 🆔:RwRUDo6M


#498 [ゆーちん]
思わず凜の手を握っていた俺。


「泣きそうなんだけど。」

「フフッ。何で?」

「凜ちゃんいないと生きてけないもん。」


そんな女々しい事を言ってる男なんて、頼りないって思われただろうな。

⏰:09/02/26 18:17 📱:SH901iC 🆔:RwRUDo6M


#499 [ゆーちん]
だけど本当なんだ。


俺は凜がいないと無理だから。


海外なんかに行くだなんて、耐えられない。


「寂しいから行かないで。」

「…その言葉をどうして卒業の時に言ってくんなかったのよ。」

⏰:09/02/26 18:18 📱:SH901iC 🆔:RwRUDo6M


#500 [ゆーちん]
数ヵ月前の事を思い出し、凜は笑ってた。


あのおかげで、俺は今、寂しいから行かないでと素直に言うって事を学べたんだ。


「あの時はごめん。でも今は…話そらさないで。」

「あぁ、うん。ごめん。」

⏰:09/02/26 18:18 📱:SH901iC 🆔:RwRUDo6M


#501 [ゆーちん]
「凜ちゃんはお父さん達に何て言ったの?」

「行きたくないって言ったよ。」

「だったら…」

「心。あの時とは違うんだよ。島から本島に行くのと、本島からアメリカに行くのは訳が違う。」

⏰:09/02/26 18:20 📱:SH901iC 🆔:RwRUDo6M


#502 [ゆーちん]
凜は続けた。


「それに私まだ未成年だし。親のすねかじりながら生きてるんだから、お父さん達の言う事も聞かなきゃいけないんだよ。久しぶりにまた3人で暮らせるんだから、本当は喜ばなきゃいけないの…」

⏰:09/02/26 18:30 📱:SH901iC 🆔:RwRUDo6M


#503 [ゆーちん]
まさにその通り。


俺は何も言えなかった。


「こんな事になるなら、最初から連れてって欲しかったよ。」

「何で?」

「心たちに会わずに済んだのに…離れたくないって、思わずに済んだのに…」

⏰:09/02/26 18:30 📱:SH901iC 🆔:RwRUDo6M


#504 [ゆーちん]
凜の声が震えた。


「心、私どうしたらいいんだろ。」

「…凜ちゃん。」

「心や香奈たちと一緒にいたいよ。でも…お父さんとお母さんと一緒にいたい気もするの。」

「うん。」

「どうしよう。心と離れたくないよ。」

⏰:09/02/26 18:31 📱:SH901iC 🆔:RwRUDo6M


#505 [ゆーちん]
そう言って抱き着いてきた凜は、泣いていた。


どうする事もできない。


「俺だって離れたくない。」


寂しい、行くな、離れたくない、って伝えても敵わない場合もあるんだ。

⏰:09/02/26 18:33 📱:SH901iC 🆔:RwRUDo6M


#506 [ゆーちん]
「心も一緒に来てよ。」

「うん、行きたい。」

「香奈も澪も千夏も美穂も…みんな連れて行きたい。」

「佐奈ちゃんも、おじいちゃんおばあちゃんも、トメばあちゃんも、心の家族も…離れたくないよぉ。」

⏰:09/02/26 18:35 📱:SH901iC 🆔:RwRUDo6M


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