漆黒の夜に君と。[BL]
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#115 [ちか]
少し苛立った俺は、すれ違い際に
「なんでさっき無視したんだよ。」
と話しかけた。
しかしそれも無視。
これは明らかに無視だ。
聞こえてないはずがない。
なんらかの反応を期待してた俺は、驚いて振り返った。
:09/02/04 00:27 :P906i :2CiSMaGI
#116 [ちか]
アイツが通る度にみんな振り返る。
教師だって生徒だって、
みんなアイツをチヤホヤする。
そうだ。
俺の知ってるアイツは、
そう言う奴だった。
今朝まであんなに近かったはずの存在が、急に遠くに感じた。
:09/02/04 00:34 :P906i :2CiSMaGI
#117 [ちか]
よく考えてみれば、
俺とアイツが出会ったのは今年の春で、ちゃんとした言葉を交わしたのは昨日の夜が初めてで。
そんな俺がアイツの眼中にあるわけないよな。
振り返った先に居るアイツは誰かと優しい笑顔で話してる。
:09/02/04 17:17 :P906i :2CiSMaGI
#118 [ちか]
そんな光景を見た瞬間、
なぜか胸が軋んだ。
なんなんだろう、これは。
昨日知り合ったばかりの奴になんの感情を抱いているんだろう・・―
:09/02/04 17:20 :P906i :2CiSMaGI
#119 [ちか]
全身が熱くなった。
見たくないのに目はアイツを追ってしまう。
これじゃ、まるで・・――
:09/02/04 17:22 :P906i :2CiSMaGI
#120 [ちか]
キーンコーン
カーンコーン..
予鈴が鳴ってふと我に返った。
「あれ、冥?」
声の主は透。
:09/02/04 17:25 :P906i :2CiSMaGI
#121 [ちか]
「お前一人?」
「あ、うん。ちょっと担任に呼び出されてたから。」
「そっか。俺もちょっと部長と話しててさあ。
次移動だよな?一緒に行こーぜ。」
「うん..」
そう頷いてもう一度振り返る。
アイツはもう居なくなっていた。
:09/02/04 17:30 :P906i :2CiSMaGI
#122 [ちか]
「冥?どうかした?」
「・・いや、なんでもない。行こっ」
俺は何を気にしてるだ。
馬鹿みたいに。―――‥
_
:09/02/04 17:32 :P906i :2CiSMaGI
#123 [ちか]
俺は少し先にいる透にかけよって、早足でそこを去った。
早くこの場所から離れたくて。
この気持ちを忘れたくて。
―――――‥‥‥
―――――――――――
:09/02/04 17:36 :P906i :2CiSMaGI
#124 [ちか]
SHRが終わって帰る支度をする。
いつもなら水曜日は慌ただしく教室を出る筈なのに、店を辞めさせられた俺にはもうその必要はない。
『じゃ、また帰りにね。』
朝のアイツの言葉が蘇った。
:09/02/04 17:43 :P906i :2CiSMaGI
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