漆黒の夜に君と。[BL]
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#283 [ちか]
その強引さに俺は、怒りとそれ以上の苦しさを覚えた。



なんで…
  なんで…――っ!!!


「こ…う言う事はっ…ハァッ、彼女としろよ…っ!!!!!」


気づけば俺は力を振り絞ってそう叫んでいた。

⏰:09/02/17 00:06 📱:P906i 🆔:1RMuTNrs


#284 [ちか]
そう言い放った瞬間、恭弥はピクッと眉間にシワを寄せ、

「意味わかんない。」


そう言って俺を睨んだ


「っな…〜!!!!」


それはこっちのセリフだ!!!!!!

俺はそう言って恭弥を突き飛ばし保健室を飛び出した。

⏰:09/02/17 18:21 📱:P906i 🆔:1RMuTNrs


#285 [ちか]
どれくらい走っただろうか。


校舎裏に着いた俺は壁伝いにずるずると崩れるように座った。


思い出すのは、さっきの恭弥の顔…

「なんであんな顔されなきゃいけないんだよ…っ!!!」

俺はそう言って両手で顔を覆った。

⏰:09/02/17 19:25 📱:P906i 🆔:1RMuTNrs


#286 [ちか]
胸が締め付けられる。



どうしようもなく切ない


俺はアイツにとってなんなんだ…――?

彼女が居るクセになんで俺にあんな事ばっかり…


考えれば考えるほど胸の締め付けは強くなっていった。

⏰:09/02/17 19:31 📱:P906i 🆔:1RMuTNrs


#287 [ちか]
その頃、恭弥は1人取り残された保健室でベッドに腰かけていた。


「『彼女』ってなんの事なんだ…。」


不機嫌そうに眉を寄せてはそう呟いて俯いていた。

⏰:09/02/17 19:38 📱:P906i 🆔:1RMuTNrs


#288 [ちか]
暫くしてガラガラと扉が開く音がし、恭弥はその音の先を目で辿った。


「君は……――、」

「どーも。」


言葉を遮って軽く頭を下げたのは透だった。

その手には冥の物と思われるカバンが握られている

⏰:09/02/17 19:45 📱:P906i 🆔:1RMuTNrs


#289 [ちか]
「…あの、冥は?」

どうやら部活に出る前に冥にカバンを届けに来たらしい。

「だいぶ前に出ていったよ。」


他人から聞く『冥』と言う響きに、さっきの『彼女』と言う言葉を思い出して恭弥はまた眉間にシワを寄せた。

⏰:09/02/17 19:53 📱:P906i 🆔:1RMuTNrs


#290 [ちか]
その表情に透も何かを察したのか目つきを変えた


2人の間に続く淀んだ沈黙。


「―――……もしかして冥に何かしました?」

冷たい声が室内に響いた

⏰:09/02/17 20:02 📱:P906i 🆔:1RMuTNrs


#291 [ちか]
「………別に。」

「なんですか、その『間』は。」

「僕はしたつもりない。」

「…じゃあ、心当たりはあるんですね。」

「‥‥‥‥‥。」


(分かりやすい奴…。)

睨みあっていた目を逸らして黙りこむ恭弥に透は呆れた顔をして心の中でそう呟いた。

⏰:09/02/17 20:12 📱:P906i 🆔:1RMuTNrs


#292 [ちか]
「別に先輩にどうこう言うつもりはありませんけど、冥の事傷つけたら…」

「傷つけたら?」

「ぶっ殺しますよ。」


目だけが笑っていないその冷たい笑顔を向けて、透はまた扉に手をかけた。
 

⏰:09/02/17 20:18 📱:P906i 🆔:1RMuTNrs


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