漆黒の夜に君と。[BL]
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#323 [ちか]
「それでもいいの?」

俺を覗きこむようにしてそう言う恭弥に、俺は小さく頷いた。

「やった。」


その時、俺はコイツの屈託のない笑顔を見て思ったんだ。

あぁ、
この笑顔を俺だけのものにしたい。
この笑顔の理由になりたい、と。

そして、俺も完全にコイツにハマってると言う事を確信した。

⏰:09/02/18 23:58 📱:P906i 🆔:zV8Xvg6c


#324 [ちか]
それから俺は口づけをされた。
何度も何度も確かめるように。


優しく甘いソレで俺はまたコイツにおちていく。


「保健室の続き…する?」

怪しく微笑むソレに全身が熱くなるのを感じた。

「――‥‥っだ、だめ!!///」
──────‥‥
───‥
それから俺がここで3度頂点を向かえたのは言うまでもないだろう。

⏰:09/02/19 00:05 📱:P906i 🆔:NQ.nzypk


#325 [ちか]
こうして俺達は晴れて
“恋人”
と言う関係になった。


そしてこの日から俺は、
コイツを“恭弥”と呼ぶようになったんだ。


しかし長い漆黒の夜には
嵐が吹き荒れる事もある

⏰:09/02/19 00:19 📱:P906i 🆔:NQ.nzypk


#326 [ちか]
その“嵐”は、
俺達がそう言う関係になった3日後の月曜日、突然襲ってきたのだった‥──





 

⏰:09/02/19 00:22 📱:P906i 🆔:NQ.nzypk


#327 [ちか]
月曜の朝、教室に入ると中はやけに騒がしかった。


「なに騒いでんのー?」

俺はその群れの中にひょいっと顔を覗かせて聞いた。
「おー、日下じゃん。
うちのクラスに転校生だって!!」

目を輝かせながらそう言うクラスメイトの北川。

⏰:09/02/19 00:34 📱:P906i 🆔:NQ.nzypk


#328 [ちか]
「ふうん。男?女?」

「男だったらこんな騒がねえっつーの!
ユーリって名前なんだよな?笠原っ♪」

「噂だけどな。」

「や、俺の勘が女って言ってるから間違いない!」


北川の高いテンションに、みんな若干引き気味である。

⏰:09/02/19 00:40 📱:P906i 🆔:NQ.nzypk


#329 [ちか]
そんなこんなでじゃれあっている間にチャイムが鳴り、担任が勢いよく教室に入ってきた。

「さっさと席着けー。」

担任のその言葉を合図に、速やかに席に着いた俺達はさっきまでガヤガヤと騒いでいたのが嘘みたいにおとなしくなり、室内は静かになった。

転校生の事が気になってたまらなくて、担任の長ったらしい話を聞きながらみんなソワソワしている。

⏰:09/02/19 18:57 📱:P906i 🆔:NQ.nzypk


#330 [ちか]
「まぁもう知ってると思うけど、ウチのクラスに転校生が来てる。
おい、入っていいぞー。」


担任が廊下の方に向かってそう言うと、扉が静かに開いた。


その瞬間室内はさっきの騒がしさを取り戻した。


…しかし、俺はあまりの驚きに声すら出なかった。

⏰:09/02/19 19:05 📱:P906i 🆔:NQ.nzypk


#331 [ちか]
「こっちに来るまでカナダに住んでたそうだ。
英語ペラペラだぞー。
お前ら習っとけよ(笑)」

担任はそう言ってヘラヘラと笑う。


入ってきたのは男だった

艶やかな金髪に、
穴の開いた耳。

見る限り俺変わりなそうな身長。

⏰:09/02/19 19:13 📱:P906i 🆔:NQ.nzypk


#332 [ちか]
だけど俺にはそんな事どうでも良かった。
それより、


その容姿には似合わないほどの黒い瞳が、恭弥あまりにそっくりで声が出なかったんだ。






「はじめまして、黒羽優里です。」

  ― 第二話 e n d ―

⏰:09/02/19 19:18 📱:P906i 🆔:NQ.nzypk


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