漆黒の夜に君と。[BL]
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#370 [ちか]
「とりあえず帰ろ。話はそれから。」
「い、いやっ!!!!」
顔を大きく横に振る優里を見て、恭弥は一度ため息をついて言った。
「黙っててあげるから。」
その瞬間、優里の顔はパッと明るくなった。
:09/02/24 17:42 :P906i :/lrPTybQ
#371 [ちか]
「冥、行こ?」
差し伸べられた片手がやけに嬉しかった。
「うん‥」
その手を掴もうとした瞬間かなり鋭い視線を感じ、結局握る事もないまま俺達は教室を後にした。
:09/02/24 17:46 :P906i :/lrPTybQ
#372 [ちか]
「「おかえりなさいませ」」
やっぱりこう大人数から一度に言われると緊張するなあ…
なんて事を考えながら恭弥の斜め後ろをちまちまとついていく。
俺の部屋の前に着いたところで、
「じゃ、また夕食の時にね。」
と、それだけ言って優里とどこかへ言ってしまった。
:09/02/24 18:02 :P906i :/lrPTybQ
#373 [ちか]
俺はベッドに倒れるように身をなげて、枕に顔を埋めた。
「あー‥‥なんだよ、もう…っ」
独り言は虚しく室内に響くだけ。
:09/02/24 18:06 :P906i :/lrPTybQ
#374 [ちか]
どうしようもない苛立ちが俺を苦しめる。
なんか独り占めされてるみたいで、むかつく…
馬鹿みたいだよな。
「はぁ…」
:09/02/24 18:48 :P906i :/lrPTybQ
#375 [ちか]
それからどれくらい経っただろうか。
「冥様、食事の用意が出来ました。」
コンコンと言うノック音と共にドア越しでメイドにそう言われて、俺はムクリとベッドから起き上がった。
1人とぼとぼといつもの部屋へと歩いていく。
中に入ると既に恭弥と優里の姿があった。
:09/02/24 20:28 :P906i :/lrPTybQ
#376 [ちか]
おかしいな…
ただ2人が先に居ただけなのに、それだけで食欲が無くなる。
「…冥?どうしたの?」
心配そうに俺を見つめてくれてるのに、それさえも今は俺の胸をギュッと締め付けた。
:09/02/24 20:36 :P906i :/lrPTybQ
#377 [ちか]
「俺‥‥‥もういらない」
「え、冥?」
「ごちそーさま…っ」
俺はそれだけ言って、俯いたまま早足でそこから立ち去った。
「うっ‥‥──グスン‥‥」
部屋に入ると同時に俺は崩れるように座り込んだ。
:09/02/24 21:39 :P906i :/lrPTybQ
#378 [urahanai]
:09/02/24 21:58 :SH904i :SEuN3xmc
#379 [ちか]
頬を伝う幾つもの水滴。
「なんで涙なんか…──」
拭っても拭ってもソレは止まらない。
涙の音だけが広い部屋に寂しく響いた。
:09/02/24 22:00 :P906i :/lrPTybQ
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